端的に言えば「見るに堪えない」の意味は「見ていられない、目も当てられない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「見るに堪えない」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「見るに堪えない」の意味は?
「見るに堪えない」には、次のような意味があります。
あまりにみじめで、まともに見られない。見るに忍びない。
出典:コトバンク
「見るに堪えない」は非常に見苦しいという意味のとてもかたい文章語で、日常会話にはあまり登場しません。会話で用いられた場合には公式の場での発言やもったいぶった挨拶となり、話者の客観的な姿勢を暗示し感情から遠い発言となるニュアンスになります。好ましい事柄についても好ましくない事柄についても用いられ、客観的な語で我慢できないことについて特定の感情は暗示されていません。
「見るに堪えない」の語源は?
次に「見るに堪えない」の語源を確認しておきましょう。語源は分かっていませんが、「堪えない」は動詞「堪える」の打消し。「…にたえない」の形をとり「…を持ちこたえられない」「我慢できない」様子を表します。それでは「堪」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「堪」は「土」と高く盛り上がる意味の音を示す「甚」とを合わせた字。高く盛り上がった土地の意味を表します。後にたえる意味を表す「勘」と音が同じだったことから「たえる」意味に使われるようになりました。
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