
「何となし」の使い方・例文
「何となし」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.今日はなんとなしに頭が痛い。ここ最近、気のせいか視界がぼやけるといった違和感があった。
2.別にどこが嫌だって言うんじゃないんだけど、なんとなしに気が進まないのよ。叔母さんにはお礼を言っといて。そう、少し気の毒なような気もするけど。
3.山野、俺、今年はなんとなしいいことがありそうな気がするよ。
例文1からは気分がすぐれないのは何か悪い病気にかかっているからではないかと懸念を抱いている様子が伝わってきますし、例文2からは意中の相手がいるので異性と二人きりで会うのをためらっている様子が伺えますね。また、例文3は運が開ける予感が胸をよぎった場面です。
その1「自然に」
「自然に」は放っておいても物事が成就する様子を表しますよ。「かすり傷だからほうっておいてもしぜんに治るさ」や「状況証拠を突き合わせると、しぜん彼が犯人だという結論が出る」などのように述語にかかる修飾語として用いられ、人為的なことを何もしなくても物事が成就するというニュアンスがあります。この「自然」は「一人でに」や「自ずから」に似ていますが、「一人でに」は対象の自律や自動性の暗示がありますし、「自ずから」は人為の有無には言及しません。なお「何となし」との違いは、「何となし」は話者以外の対象の状態を指す場合には用いられないという点です。
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