「気が早い」の使い方・例文
「気が早い」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.オススメの塾を探しておいてね。今から受験の話だなんてかなりきがはやいな。
2.奴はきのはやい男だからすぐ現場へ飛んだ。ほんとうにあなたは仕事熱心だと褒められた。
3.健太はきがはやいと言われてお礼を言ったらしい。どうやらほめ言葉だと思ったようだ。
4.孫がうまれてもいないのにべびーべっどを注文するなんてすこしきがはやいよ。
5.節分が終わったばかりなのに、ひなまつりのじゅんびを始めるなんてきがはやいね。
例文1は少しさき走った話題とも言えそうですが、自分が勉強するわけではないので早めに準備しておいて損はないと言えるでしょう。例文2の男性刑事は事件解決に向けて全力で取り組む体育会系の熱血タイプであることが伝わってきますし、例文3では健太君はもう少し日本語に興味をもつべきだと言えますね。また、例文4からは祖父母が気を利かせて贈り物を考えてくれている様子が伺えますし、例文5からは季節の行事を大事にしている様子が伝わってきます。
その1「気が短い」
「気が短い」は「たいていの日本人は中国人よりきがみじかい」や「きのみじかい性格は父親譲りです」などのように人が忍耐強くなくてすぐに怒ったり行動を起こしたりする様子を表します。「気が短い」は人の性格全体について用いられることが多く、特定の行為について忍耐強くないという意味で用いられることは少ないでしょう。そのため「問い合わせに対して彼は気が短く返事した」は誤用となり、正しくは「問い合わせに対して彼は性急に返事した」となります。
「気が短い」は忍耐強くないという意味で用いる場合と、すぐ腹を立てるという意味で用いる場合とがあります。後者の意味のときは「怒りっぽい」に似ていますが、「気が短い」の方が「怒りっぽいよりやや客観的ですよ。また「気難しい」にも似ていますが、「気難しい」には機嫌がとりにくいというニュアンスがあり、そのような性質の現れた外見をも表すことのできる点が「気が短い」と異なります。なお「気が早い」との違いは、「気が早い」には怒りっぽいという意味はないという点。
その2「怒りっぽい」
「怒りっぽい」は「父は七十を過ぎて怒りっぽくなった」や「彼は怒りっぽい性格だ」などのように人の性格が腹を立てやすく怒りがちである様子を表します。「…ぽい」は動詞の連用形について「…しがちである」という意味の形容詞を作る語尾。「怒りっぽい」は「気難しい」に比べて特にこれといった理由もなく瞬間的・衝動的に怒る性質というニュアンスが強く、怒りや不機嫌さが長く続く状態は暗示されません。
「怒りっぽい」は「気が短い」にも似ていますが、「気が短い」には忍耐強くないというニュアンスのある点が「怒りっぽい」と異なります。そのため「彼は年中怒りっぽい顔をしている」「彼は怒りっぽいからバスを待っていられない」は誤用となり、正しくは「彼は年中気難しい顔をしている」「彼は気が短いからバスを待っていられない」となりますよ。「気が早い」との違いは、「気が早い」には腹を立てやすく怒りがちという意味はないという点です。
「気が早い」の対義語は?
「気が早い」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
「静か」
「静か」は慌てずに落ち着いている様子を表しますよ。例えば「君たち、もっとしずかに話したらどうかね」は音声を小さくするのみならず、もっと冷静にという意味、「彼はとてもしずかな人です」は口数が少なく冷静だという意味、「夜はしずかな音楽をかけてベッドに入る」は強弱の幅が小さく心を静めるようなという意味、「まあまあお静かに」は興奮しないで落ち着いてという意味です。この「静か」も「穏やか」に近いですが、「穏やか」よりも冷静さの暗示が強く、結果としての音量も「穏やか」より小さくなることが多いでしょう。
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