

端的に言えば「隠れもない」の意味は「世間に知れ渡っている、有名である」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んだ。一緒に「隠れもない」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「隠れもない」の意味は?
「隠れもない」には、次のような意味があります。
[形][文]かくれな・し[ク]
1 隠しようがなく表れている。それとはっきり分かっている。
2 残らず表れている。残すところがない。
3 世間に知れ渡っている。有名である。かくれもない。
出典:コトバンク
「隠れもない」は物事が世の中に広く知れ渡っている様子を表します。ふつう「かくれもない事実(こと)」という形で用いられ、述語にかかる修飾語として用いられることもありますが、述語で用いられることは稀。広く知れ渡ることとしては悪い内容であることがふつうで、「かくれもない」は「本来隠しておくべきことが隠されずにあかるみに出ている」というニュアンスをもちます。したがって、よい内容が広く知れ渡っているときには「かくれもない」は用いられません。
「隠れもない」の語源は?
次に「隠れもない」の語源を確認しておきたいところですが、残念ながら語源は定かではありません。そのため「隠」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「隠」は小山を表す「⻖」と覆い隠す意味の音を示す文字とを合わせた字。山に覆われて見えないことから「隠れて見えない」意味を表します。
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