この記事では「乗り掛かった船」について解説する。

端的に言えば、乗り掛かった船の意味は、「途中でやめるわけにいかない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「乗り掛かった船」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「乗り掛かった船」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「乗り掛かった船」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「乗り掛かった船」の意味は?

「乗り掛かった船」には、次のような意味があります。

《乗って岸を離れた船からは下船できないところから》物事を始めてしまった以上、中途でやめるわけにはいかないことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「乗(の)り掛(か)かった船」

「乗り掛かった船」は、物事を始めたからには、行くところまで行ってみようとすることのたとえです。いったん関わりを持った以上は途中で身を引くことができないことのたとえとして用いられることもあります。「乗り掛けた船」「乗り出した船」も同様の意味。

慣用句・ことわざ・故事成語として分類される場合もあります。

「乗り掛かった船」の語源は?

次に、「乗り掛かった船」の語源を確認しておきましょう。

船がいったん出航する、乗って岸を離れた船からは、目的地に着くまで下船できないことが、言葉の由来です。船は舟とも書きますが、船を使うのが一般的。

乗り掛かるにはさまざまな意味がある中で、今回は「乗り物に乗ろうとする」「物事をし始める」が当てはまります。

\次のページで「「乗り掛かった船」の使い方・例文」を解説!/

「乗り掛かった船」の使い方・例文

次に、「乗り掛かった船」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.企業の業績は、このままの状況だと回復できず赤字転落かもしれないが、乗り掛かった船だし、最後まで責任を持って取り組もう。
2.何事も経験だ。思わぬ出来事や場面に遭遇しても、乗り掛かった船だから、事情を見極めて解決していこう。
3.親友の恋愛を見ていると、乗り掛かった船で後戻りできなさそうだ。友人として様子を見るしかない。
4.乗り掛かった船だ、志望校への合格を目指そう。

それぞれの例文について、解説していきます。

例文1は、どのみち後戻りできないしといった意味での使い方。例文2は、行くところまでとことん行ってみようとの意味で用いられています。

例文3も、文章のその後に続く後戻りは不可能という意味。例文4も、行けるところまで行くという意味で使われている文章です。

「乗り掛かった船」の類義語は?違いは?

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次に、「乗り掛かった船」の類義語(類語)を見ていきましょう。

類義語として、例えば主に、騎虎の勢い乗り掛かった馬渡りかけた橋などがあります。いずれも意味は、物事を始めた以上、途中でやめるわけにいかなくなることのたとえです。

その1「騎虎の勢い」

まずは「騎虎の勢い」から。意味は「乗り掛かった船」とほぼ同様です。

「騎虎の勢い」(きこのいきおい)の意味は、《「隋書」独孤皇后伝から》虎に乗った者は途中で降りると虎に食われてしまうので降りられないように、やりかけた物事を、行きがかり上途中でやめることができなくなることのたとえ。(デジタル大辞泉 小学館より)

この騎虎とは、虎の背に乗ることを意味し、虎の背に乗ると途中で降りられないのでやめられません。「隋書」は、中国・隋の時代を記した歴史書で、「大事已(すで)に然り。騎獣の勢い、必ず下ることを得ず。之を勉めよ。」(いよいよ大事な時。虎に乗って走り出すと、もう降りることはできない。努力せよ。)との一文があります。

\次のページで「その2「乗り掛かった馬」」を解説!/

その2「乗り掛かった馬」

次に、「乗り掛かった馬」について。

この乗り掛かった馬の意味は、「乗り掛かった船」と同様で、物事を始めた以上、途中でやめる訳にはいかなくなることのたとえです。これ以上の意味はなく、語源も不明。おそらく、船のたとえが馬になっただけと考えられます。

その3「渡りかけた橋」

「渡りかけた橋」も、「乗り掛かった船」の類義語です。意味も、物事を始めた以上、途中でやめる訳にはいかなくなることのたとえであり、同じ。

この言葉の語源もよくわかっていません。おそらく、橋をいったん渡りかけたけれど、後戻りできなくなったということかと考えられます。

「乗り掛かった船」の対義語は?

続いて、「乗り掛かった船」の対義語も、確認しておきましょう。

「乗り掛かった船」のはっきりとした対義語(反対語)はありません。

あえて、反対の意味となる言葉として、後戻りする、引き返す、出戻る、引き返す、取って返すなどが考えられます。

「乗り掛かった船」の英訳は?

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さらに、「乗り掛かった船」について、英訳も見ていきましょう。

「乗り掛かった船」を英語にそのまま訳すと、having gone too far to turn back です。

「having gone too far to turn back」

「乗り掛かった船」を英語に訳すと、「having gone too far to turn back」となります。これは直訳です。

turn back は「後戻りする」という意味。これを go too far で「遠くに行き過ぎる」という意味の英熟語で否定する文章となっています。

その他にも、「乗り掛かった船」を意味する英語があり、例文を見ていきましょう。

・We'll be losing money on this venture, but it's too late to turn back.

赤字になることが確定しているものの、もはや乗りかかった船である。

・The contract's been signed. We're past the point of no return with this deal.

その取引に関し、契約した時点で乗りかかった船だ。

・Having set about the job, I can't back out of it now

乗り掛かった船だ、今さらあとへは引けない。

・in for a penny / in for a pound / come too far to retreat

乗り掛かった船

\次のページで「「乗り掛かった船」を使いこなそう」を解説!/

「乗り掛かった船」を使いこなそう

この記事では「乗り掛かった船」の意味・使い方・類語などを説明しました。

乗り掛かった船の意味は、物事を始めたからには、行くところまで行ってみようとすることのたとえで、いったん関わりを持った以上は途中で身を引くことができないことのたとえとしても用いられます。

中国・隋の時代の歴史書「隋書」に載っていたのが始まりとされ、船がいったん出航したら目的地に着くまで降りられないことが言葉の由来です。

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国語言葉の意味

「乗り掛かった船」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「乗り掛かった船」について解説する。

端的に言えば、乗り掛かった船の意味は、「途中でやめるわけにいかない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「乗り掛かった船」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「乗り掛かった船」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「乗り掛かった船」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「乗り掛かった船」の意味は?

「乗り掛かった船」には、次のような意味があります。

《乗って岸を離れた船からは下船できないところから》物事を始めてしまった以上、中途でやめるわけにはいかないことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「乗(の)り掛(か)かった船」

「乗り掛かった船」は、物事を始めたからには、行くところまで行ってみようとすることのたとえです。いったん関わりを持った以上は途中で身を引くことができないことのたとえとして用いられることもあります。「乗り掛けた船」「乗り出した船」も同様の意味。

慣用句・ことわざ・故事成語として分類される場合もあります。

「乗り掛かった船」の語源は?

次に、「乗り掛かった船」の語源を確認しておきましょう。

船がいったん出航する、乗って岸を離れた船からは、目的地に着くまで下船できないことが、言葉の由来です。船は舟とも書きますが、船を使うのが一般的。

乗り掛かるにはさまざまな意味がある中で、今回は「乗り物に乗ろうとする」「物事をし始める」が当てはまります。

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