
ん?「鵜呑みにする」って言葉がピンと来ていないようです。この言葉は最近は特によく使われている。フェイクニュースとかデマとかが多いからな。
今回はそんな「鵜吞みにする」について、院卒日本語教師の”むかいひろき”に詳しく解説してもらうぞ。むかい、任せた!

ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「鵜呑みにする」の意味や語源は?

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最近、「鵜吞みにする」という言葉を見聞きする機会が増えているかもしれませんね。しかし、正確な意味や使い方となると怪しい人も多いのではないでしょうか。まずは、その「鵜吞みにする」の意味や語源に迫っていきます。
「鵜呑みにする」の意味は「物事の内容を十分考えずに、そのまま受け入れる」
最初に、「鵜吞みにする(うのみにする)」の辞書での意味を確認していきましょう。なお、辞書では「鵜吞みにする」という形での掲載はなく、「鵜呑み」という形で掲載されている場合が多いです。よって、ここでは「鵜呑み」の辞書での意味をまずは確認していきましょう。
物事の内容を十分に考えずに、そのまま受け入れること。
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「う-のみ【鵜呑み】」
「鵜呑み」は「物事の内容を十分に考えずに、そのまま受け入れること」という意味が辞書に掲載されていました。「鵜呑みにする」は「鵜呑み」を動詞化したものですので、「物事の内容を十分考えずに、そのまま受け入れる」という意味になります。噂話やデマについて、その内容の真偽を良く考えずに信じ込んでしまうような場合についていう表現です。
「鵜呑みにする」の語源は“鵜”という鳥の魚の食べ方!
この「鵜呑みにする」は、その漢字の通り、「鵜」という鳥の魚の食べ方に由来しています。
鵜は真っ黒で大きな水鳥です。鵜は捕まえた魚をかまずに吞み込み、喉に蓄える習性があります。このことから、「食べ物をよく噛まずに呑み込む」という意味で「鵜呑み」という言葉が使用されるようになり、その後、現代の「物事の内容を十分考えずに、そのまま受け入れる」という意味が派生していきました。
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「鵜呑みにする」の使い方を例文とともに確認!
続いて、「鵜吞みにする」の使い方を例文とともに確認していきましょう。「鵜呑みにする」はデマや噂話、他者の意見などを対象とし、それらを「そのまま受け入れる」という意味で使われます。また、「鵜呑みにするな」と、禁止形で使用されることが多いです。
1.母親が癌についてのデマを鵜呑みにして、病院に行くのを拒否しているので困っている。
2.インターネットの情報を鵜呑みにしないほうが良いよ。デタラメが書いてあることも多いから。
3.他人の意見を鵜吞みにするな!ちゃんと自分で考えろ。
例文1は、「癌についてのデマを真実だと思い込んで」という意味で「鵜吞みにする」が使用されています。最近はインターネットを通じて病気に関してデマや真偽不明の情報が多く飛び交う時代です。病気については、インターネットよりも、まずは専門家であるお医者さんの意見を聞くべきでしょう。
例文2は、「インターネットの情報を真実だと信じ込まないほうが良いよ」という意味で「鵜呑みにする」が使用されています。もちろん、インターネットの情報が有用な場合も多いです。しかし一方でデマやデタラメが多いのも事実。情報を鵜呑みにするのではなく、落ち着いて考える力が求められるでしょう。
例文3は、「他人の意見をすぐに信じるな」という意味で「鵜吞みにする」が使用されています。時には他人の意見を参考にする事も大切ですが、まずは自分の頭で落ち着いて考えることの方が大切です。
「鵜呑みにする」の類義語は?

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次に、「鵜呑みにする」の類義語についてご紹介します。「鵜吞みにする」の類義語は「真に受ける」「盲信する」「妄信する」です。意味を確認し、「鵜吞みにする」との比較を行っていきます。
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