
「にじり寄る」の使い方・例文
「にじり寄る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.彼はそっと卓のそばへとにじり寄り、問題を解く方法を教えてくれた。
2.私は我慢しきれず彼女のもとににじり寄り、秘密を暴露した。
3.外部の人間に聞かれないよう、上司はにじり寄って話をしてきた。
どの例文も膝をついているか、座っているかの状態で近くに寄ってくるような状況をイメージしてください。また、一気に近くまでくるような動きではなく、じわじわと少しずつ近づいてくるような動作です。
そんな動作ですので、よく使われる場面としては「込み入った話をしたいとき」「周りに聞かれたくない話をしたいとき」などが挙げられます。「座っている状態で」という前提を忘れないようにしておきましょう。

漠然とじわじわ近寄ってくるような意味だと勘違いしている者も多いかもしれないが、実際は「座ったままの状態」や「膝をついた状態」という前提があるということは覚えておくべきだな。
ここからは、「にじり寄る」の類義語などについて、より詳しく見ていこう。
その1:すり寄る
似た意味の言葉である「すり寄る」ですが、細かいニュアンスの違いを確認していきます。
「にじり寄る」は「座ったままの状態でじわじわ近寄る」という意味でしたが、「すり寄る」はもっと抽象的な表現で「体がすれるほど近くに寄る場合」を指す言葉です。つまり、座っている・座っていないに関わらず使うことができる表現ということになります。また、「にじり寄る」は基本的に人が行う動作にしか使われない言葉ですが、「すり寄る」は人間以外の動物などの動作においても使用可能です。
また、その他にも比喩的な意味で「上司にする寄る」のように「力のある者に何らかの意図をもって近づく」という意味も持っている点も、「にじり寄る」とは異なる点として挙げられます。
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