端的に言えば純然の意味は「まじりけのないさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「純然」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「純然」の意味や語源・使い方まとめ
「純然」という言葉をご存知ですか。なんとなく知っているけれど、説明しろと言われると不安になる。そんな言葉かもしれませんね。どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「純然」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「純然」の意味は?
まず初めに、国語辞典で「純然」の意味を確認してみましょう。「純然」には、次のような意味があります。
1.まじりけのないさま。
2.まさしくそれに相違ないさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「純然」
「純然」は「じゅんぜん」と読みます。「物にまじりけのないさま」「他の要素がなく、まったくそれに違いないさま」という二つの意味を持つ言葉です。「まじりけのないさま」を表す場合には「純然たる在来種」などと用いますね。また、「まさしくそれに相違ないさま」を表す場合には「純然たる違法行為」などと用います。「純然たる」のように連体形で用いられることの多い言葉です。
「純然」の語源は?
次に「純然」の語源を確認しておきましょう。
「純然」の「純」は「糸」と「屯」から成り立っていますね。「屯」は、たばねた髪飾りを付けた女児の象形で「まじりけの無い美しさ」の意味を表しています。そこに「糸」を合わせ、「まじりけのない糸」から、「まじりけがない」という意味を持つ漢字として成り立ちました。また「ありのままであること」「いつわりや飾りがないこと」の意味も持っています。
一方「然」は、「他の語に後ろに付いて状態を表す字」です。「愕然」「突然」「平然」など、「然」を用いた熟語はたくさんありますね。名詞に付いて「紳士然」「学者然」などと言うこともあります。この二つの文字を合わせて、「まじりけのない、まさしくそれに違いない」という意味を表す言葉となったのです。
「純然」の使い方・例文
「純然」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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