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5分でわかる「始原生殖細胞」卵子や精子の元となる細胞について現役大学院生が解説!

よぉ、桜木建二だ。今回のテーマは「始原生殖細胞」だ。始原生殖細胞は受精後早期の初期胚で形成される、将来的には卵子もしくは精子の起源となる細胞だ。今回は「受精卵から始原生殖細胞が発生する過程」や「始原生殖細胞が精子や卵子になるまで」。そしてiPS細胞を用いたヒトの始原生殖細胞の最新研究を含めて、生物に詳しい現役大学院生ライターCaoriと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/Caori

国立大学の博士課程に在籍している現役の理系大学院生。とっても身近な現象である生命現象をわかりやすく解説する「楽しくわかりやすい生物の授業」が目標。

始原生殖細胞とは

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細胞生物学の考えでは、私たちの身体は細胞と細胞が作り出したものから出来ています。私たちを構成する多くの細胞のすべては、もとをたどれば卵子と精子が受精して生じるたった一つの受精卵から作りだされているのです。このことからも生殖細胞は他の体細胞とは違う「特別な細胞」である事を感じるのではないでしょうか。そのため生殖細胞は他の体細胞とは違った形成過程をたどるのです。

始原生殖細胞(primordial germ cell、略称:PGC)とは、有性生殖をおこなう生物が発生する過程で、将来的に配偶子(精子や卵子などの生殖細胞)のもとになる未分化の細胞のことをいいます。メスの場合は卵原細胞に分化するまでを始原生殖細胞といい、その後卵母細胞を経て卵子に分化オスの場合は、ゴノサイトから精原細胞に分化するまでをいい、その後、精母細胞、精細胞を経て、最終的に精子に分化します。

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始原生殖細胞は分野によっては原始生殖細胞、原生殖細胞という呼び方もされる。生物学では始原生殖細胞と呼ぶため、今回は始原生殖細胞で統一するぞ。

まずは基本となる体細胞と生殖細胞の違いについて学習しておこう。

体細胞と生殖細胞の違い

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私たちの身体は約37兆個、200種類以上の細胞と細胞が作り出したものから出来ています。細胞の分け方は色々ありますが、最も基本的な細胞の分類方法は、「体細胞」「生殖細胞」という分け方です。体細胞と生殖細胞は役割も性質も全く異なり、体細胞は体を構成する機能の基本単位。体細胞は個体の生存に必須ですが、個体の寿命とともにその役割を終える運命をたどります。

一方で、生殖細胞の役割は親の遺伝情報を子供に伝えることです。生殖細胞とは、具体的には精子や卵子のことで、その遺伝情報は子孫へと受け継がれていきます。体細胞と生殖細胞との最も大きな違いは、染色体の数です。人間の体細胞の核には46本の染色体がありますが、生殖細胞には半分の23本しかありません。両親から23本ずつ、計46本の染色体を得ることで両方の親の遺伝情報を受け継ぎます。

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