この記事では「下卑た」について解説する。

端的に言えば下卑たの意味は「意地汚い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「下卑た」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「下卑た」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「下卑た笑い」などと、聞いた事はあるでしょうか。あまり日常生活で使われない言葉なので、聞いた事がないという方も多いと思われます。言葉の響きや作りから、あまり良いイメージは抱きません。意味をしっかり理解したら、いざという時に戸惑わなくて済み、使う事も出来ます。それでは早速「下卑た」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下卑た」の意味は?

「下卑た」には、次のような意味があります。

「卑しい」「下品な」「意地汚い」といった意味の言い回し。下卑。

出典:実用日本語表現辞典「下卑た」

「下卑た」とは「げびた」と読みます。「げひた」と間違えないように注意しましょう。意味はそこまで難しくありませんが、まず「下卑」自体の意味を見ていくと分かり易くなります。

「下卑」とは、「下品で卑しいこと」「意地汚いこと」という意味です。「下卑た」とは、「下卑」の動詞である「下卑る」の連用形「下卑」に、助動詞の「た」がついた言葉になります。

「下卑た」の語源は?

次に「下卑た」の語源を確認しておきましょう。正確に言うと、「下卑た」の語源は不明です。しかし、「下」と「卑」の言葉の意味を見ていくと分かってきます。「下」とは、3つの意味がありますが、その1つに「位や地位、身分が他より低い。卑しいもの」という意味があるのです。「卑」には、「いやしい・いやしむ・いやしめる ひくい」という意味があります。この2つが組み合わさって、「卑しい」「下品な」などの意味を持つ「下卑」となるのです。

\次のページで「「下卑た」の使い方・例文」を解説!/

「下卑た」の使い方・例文

「下卑た」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あの子は、決してそんな下卑た子供ではありません。身体の不自由な妹のために、ああして苦労しているのでしょう。
2.彼はいつもお金に関する下卑た話ばかりしていて、一緒に居ても退屈だ。
3.〇〇さんの顔は、彼女とは比べものにならなくらい醜く、下卑ていた。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

「下卑た」には、「意地汚いこと」などのマイナスな意味がありますが、例文1のように「ありません」と打ち消すような言葉をつけて使う事も可能です。例えば例文1のように、「下卑た子供ではありません」とすると「あの子供は卑しい子供ではありません」となります。

例文2の「下卑た話」は、「下卑た」の言い回しの1つです。「お金に関する下卑た話ばかり」とすると、「彼は意地汚くお金の話しばかり」という意味になります。

例文3の、「〇〇さんの顔は下卑ていた」も、言い回しの1つです。「〇〇さんの下卑た顔」とすると、「〇〇さんの顔は、意地汚い顔付きで」という意味になります。これは外見上の話しであり、かならずしも内面的な部分にまで言及しているわけではありません。

「下卑た」の類義語は?違いは?

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「下卑た」には「卑しい」「下品な」「意地汚い」といった意味の言い回しという意味がありました。そんな「下卑た」の類義語についても見ていきましょう。

「卑下」

「下卑た」と似てる言葉で、「卑下」という言葉がよく挙げられます。「下卑」と「卑下」、これら2つは似ていますが、全く意味は異なるのです。

「下卑た」は前述でも見てきた通り、「卑しい」「下品な」「意地汚い」といった意味の言い回しになります。一方で、「卑下」とは「自分をあえて低い位置に引き下げてへりくだること。」という意味です。主に他人に対して使われる「下卑た」と違い、「卑下」は自分をあえて人よりも劣っている事を表現します。

\次のページで「「下卑た」の対義語は?」を解説!/

・日本人の多くは卑下を美徳と考えているが、私は間違いだと思う。

・実力もあり、経験も豊富なAさんだが、常に自分を卑下している。もっと自信を持っていいのに。

・そこは卑下せずに、素直に「ありがとう」と言っていいんだよ。

「下卑た」の対義語は?

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次に、「下卑た」の対義語を見ていきましょう。

その1「気高い」

「下卑た」の対義語としては、「気高い」が挙げられます。「気高い」は「けだかい」と読み、「上品で高貴な感じがある。品格が高い。」という意味。「下品」という意味がある「下卑た」の対義語と言えるでしょう。

・彼女の立ち居振る舞いを見ても、気高さを感じる。

・あの少年は自分の知り合いだと思って近づいたが、見覚えのない、目つきが優しい、なんとなく気高いところのある少年でした。

・こんなに気高いイヌに大変申し訳ないことをした、と思わせるような大粒の涙をパパにみせつけて犬小屋にもぐりこみました。

その2「上品」

もう1つの対義語として、「上品」が挙げられます。「上品」とは「品質のよいこと。また、高級品。」「品格のあるさま。品のよいさま。」などの意味です。こちらも「下品」という意味がある「下卑た」の対義語ですが、「気高い」と近い意味を持っています。前述の「気高い」は「生き方」や「価値観」というニュアンスがあるので、上手く使い分けていきましょう。

・1時間目の授業が始まる前、教頭先生が転入生を連れてきた。神経質そうな色白のその男の子は、上品な物腰の母親につきそわれていた。

・上品そうな顔をしていて、よくそのような恥ずかしい事を言えますね。

・あの男性は言葉遣いが上品だ。

\次のページで「「下卑た」を使いこなそう」を解説!/

「下卑た」を使いこなそう

この記事では「下卑た」の意味・使い方・類語などを説明しました。「下卑た」は「げびた」と読みます。「げひた」と読み間違えないよう、注意しましょう。意味は「卑しい」「下品な」「意地汚い」といった意味の言いまわしで、ネガティブな意味が多いです。「下卑た人ではありません」など、打ち消しの形で使われる事もありますが、基本的には侮辱的な表現で使われる事が多いので覚えておきましょう。

類義語では、「卑下」が挙げられますが、つくりが似ているだけで意味は全く違うので注意しましょう。対義語には「気高い」と「上品」が挙げられ、覚えておくと表現の幅が広がります。

「下卑た」は身近な言葉ではないですが、使える場面は意外と多いのかもしれません。人を卑しい目で見たり、相手を見下す人は、無意識に「下卑た」行動が出ています。人にこのように言われないよう、日々気をつけていきましょう。

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国語言葉の意味

「下卑た」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「下卑た」について解説する。

端的に言えば下卑たの意味は「意地汚い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「下卑た」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「下卑た」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「下卑た笑い」などと、聞いた事はあるでしょうか。あまり日常生活で使われない言葉なので、聞いた事がないという方も多いと思われます。言葉の響きや作りから、あまり良いイメージは抱きません。意味をしっかり理解したら、いざという時に戸惑わなくて済み、使う事も出来ます。それでは早速「下卑た」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下卑た」の意味は?

「下卑た」には、次のような意味があります。

「卑しい」「下品な」「意地汚い」といった意味の言い回し。下卑。

出典:実用日本語表現辞典「下卑た」

「下卑た」とは「げびた」と読みます。「げひた」と間違えないように注意しましょう。意味はそこまで難しくありませんが、まず「下卑」自体の意味を見ていくと分かり易くなります。

「下卑」とは、「下品で卑しいこと」「意地汚いこと」という意味です。「下卑た」とは、「下卑」の動詞である「下卑る」の連用形「下卑」に、助動詞の「た」がついた言葉になります。

「下卑た」の語源は?

次に「下卑た」の語源を確認しておきましょう。正確に言うと、「下卑た」の語源は不明です。しかし、「下」と「卑」の言葉の意味を見ていくと分かってきます。「下」とは、3つの意味がありますが、その1つに「位や地位、身分が他より低い。卑しいもの」という意味があるのです。「卑」には、「いやしい・いやしむ・いやしめる ひくい」という意味があります。この2つが組み合わさって、「卑しい」「下品な」などの意味を持つ「下卑」となるのです。

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