

端的に言えば一肌脱ぐの意味は「人のために役に立つ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んだ。一緒に「一肌脱ぐ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/KAIKAI
東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章をあつかってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。
「一肌脱ぐ」の意味は?
「一肌脱ぐ」には、国語辞典をひくと次のような意味があります。
本気になって他人のために力を貸す。
出典:デジタル大辞泉(小学館)コトバンク「一肌脱ぐ」
「一肌脱ぐ」(読み方は「ひとはだぬぐ」)は、「人のために、あるいは、ある目的をめざして一生懸命何か役に立つことを行う」ことです。「肌を脱ぐ」とは脱皮することではなく、着物の片方の袖を外して肌を露出させるという意味になります。大仕事に取り掛かる前は着物の袖が邪魔になるためこのような動作をしたことがはじまりと言われているのです。同じ意味を持つよく類似した慣用句として「片肌脱ぐ」(かたはだぬぐ)があります。
「一肌脱ぐ」の語源は?
「一肌脱ぐ」の語源を調べてみましょう。
精魂込めて仕事をする時に、着物の袖が作業の妨げとなることがあるので、作業をしやすいように片方の袖を外すことを「一肌脱ぐ」と言い、これが語源になりました。「一肌脱ぐ」よりも強い意味で使われる慣用句として、両方の袖を外す「諸肌脱ぐ」(もろはだぬぐ)があります。
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