この記事では「鼻っ柱」について解説する。

端的に言えば鼻っ柱の意味は「人と張り合って負けまいとする意気」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「鼻っ柱」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「鼻っ柱」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻っ柱」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、この言葉の読みは「はなっぱしら」です。

「鼻っ柱」の意味は?

「鼻っ柱」には、次のような意味があります。

人と張り合って負けまいとする意気。向こう意気。負けん気。鼻っぱし。鼻っぱり。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻っ柱」

「鼻っ柱」は「人と張り合って負けまいとする意気」のことを言います。こうした気持ちが強い人を評して「鼻っ柱の強い」などど表現することもありますね。しかし、一方で相手と張り合おうとする気持ちがあるわけですから、当然負けてしまうこともあります。そうした際には「鼻っ柱を折られる」などが使われるのです。実際に鼻が折れにくかったり、強かったりすることを指して使われることはなく、あくまで「その人の気持ちが強いのかどうか」を表現するために使われる言葉となります。鼻の高さや大きさなどもこの表現を使ううえでは関係ありません。

「鼻っ柱」の語源は?

次に「鼻っ柱」の語源を確認しておきましょう。もともと「鼻っ柱」は「鼻柱」が変化したものです。「鼻柱」とは鼻の穴の左右を分け隔てている、鼻中隔や鼻を隆起させている軟骨のことを指しています。鼻は、人の心や感覚を表す慣用句が多い部位です。例えば、「鼻が高い」というと、自慢げであったり、誇らしげであることを指します。また、「鼻が利く」の場合は、儲け話などに敏感であるということを表す言葉です。サッカーだと、ゴールを決められる場所によく顔を出す選手を指して「ゴールへの嗅覚が鋭い」などと表現しますね。このようなことから、「鼻っ柱」は「気持ちの強さの象徴」とされたと考えられます。

\次のページで「「鼻っ柱」の使い方・例文」を解説!/

「鼻っ柱」の使い方・例文

「鼻っ柱」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

彼の特徴は、ピンチでも強打者相手に真っ向勝負する鼻っ柱の強さだろう。

「鼻っ柱」は「人と張り合って負けまいとする意気」のことです。例文では「ピンチに陥っても、相手の強打者相手に向かっていけるほどの気持ちの強さ」こそが特徴であると表現されています。基本的に「鼻っ柱」は「強い」か「折られる」かで使用される言葉。「向こう意気の強さがある」のか「その負けん気で挑んだ結果、打ち負かされてしまって気が沈む」のかです。

スポーツなど、相手と勝負することに関しては、「鼻っ柱」は強い方が歓迎されます。特に、野球で言えばピッチャー、サッカーやバスケットボールでは、得点を期待されている選手ほどこうした「鼻っ柱」は要求されます。相手に競り勝って結果を残さなくてはいけないという意味では、ビジネスでももちろん必要な要素ですが、あまり強いと周囲との協調性が無くなってしまうので、スポーツ選手ほど強くなくてもいいのかもしれません。

「鼻っ柱」の類義語は?違いは?

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「鼻っ柱」は「人と張り合って負けまいとする意気」を意味する言葉。この類義語として挙げられるのは「負けん気」「向こう意気」「強気」「生意気」と言った表現があります。それぞれ、人と張り合って負けまいとする意気を表している言葉ではありますが、少しずつニュアンスが違いますので、ひとつづつ確認していきましょう。

その1「負けん気」

「負けん気」は「負けたくないと思う気持ち」を意味する言葉です。「勝ち気」という言葉もありますが、こちらは「人に負けまいとする気の強い気性であること」を表していて、「負けん気」よりもさらに強い表現ということになります。

\次のページで「その2「向こう意気」」を解説!/

健太は負けん気の強さで、無理だと思われた仕事を一人でやり遂げた。

その2「向こう意気」

「向こう意気」は「相手に対抗して張り合う気持ち」を指して使われる言葉です。「負けん気」が「相手に負けまいとする気持ち」であるのに対し、「向こう意気」は「相手に向かっていく気持ち」ですので、勝負する相手に対して対抗心を燃やし行くようなニュアンスとなります。

彼は向こう気の強い性格で、誰彼ともなく勝負をしかけていた。

その3「強気」

「強気」は「 気が強いこと。積極的な態度に出ること。また、そのさま。」という意味の言葉です。気が強いため、状況に関わらず積極的な態度に出ることを表しています。また「取引で、相場が先行き上がると予想すること。また、そのさま」も「強気」です。「上がる」と予想することだけが積極的とは言えませんが、表現として覚えておきましょう。

豪快なフォーム同様、強気なピッチングで逆転した直後のピンチを凌いだ。

その4「生意気」

「生意気」とは「自分の年齢や能力を考えず、出すぎた言動をすること。また、そのさま。」という意味の言葉です。「鼻っ柱」が強いがゆえに、自分の年齢や能力を考えずに、出すぎた言動が取れるという一面もありますので、類義語の一つとなります。

\次のページで「「鼻っ柱」の対義語は?」を解説!/

生意気な態度を注意されたくらいでへこたれるような彼ではない。

「鼻っ柱」の対義語は?

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「人と張り合って負けまいとする意気」を表している「鼻っ柱」という言葉。この言葉の対義語となるのは「人と張り合おうという意気がないこと」という意味の言葉となります。しかし、こうした意味を持つ言葉はありません。よって、「鼻っ柱」の対義語はないということになります。

「鼻っ柱」を使いこなそう

この記事では「鼻っ柱」の意味・使い方・類語などを説明しました。「人と張り合って負けまいとする意気」を表しているこの言葉。スポーツに限らず、どんな場面においても必要な要素ではあります。しかし、誰彼かまわず張り合ってくるような人は敬遠されますので、そのあたりのさじ加減は重要です。出世するほど、自分自身の鼻っ柱とうまく付き合いながら、したたかに勝ち抜くことが必要となります。人当たりの良さと鼻っ柱の強さ。双方を兼ね備えた人は成功に近づけるかもしれませんね。

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国語言葉の意味

「鼻っ柱」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「鼻っ柱」について解説する。

端的に言えば鼻っ柱の意味は「人と張り合って負けまいとする意気」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「鼻っ柱」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「鼻っ柱」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻っ柱」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、この言葉の読みは「はなっぱしら」です。

「鼻っ柱」の意味は?

「鼻っ柱」には、次のような意味があります。

人と張り合って負けまいとする意気。向こう意気。負けん気。鼻っぱし。鼻っぱり。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻っ柱」

「鼻っ柱」は「人と張り合って負けまいとする意気」のことを言います。こうした気持ちが強い人を評して「鼻っ柱の強い」などど表現することもありますね。しかし、一方で相手と張り合おうとする気持ちがあるわけですから、当然負けてしまうこともあります。そうした際には「鼻っ柱を折られる」などが使われるのです。実際に鼻が折れにくかったり、強かったりすることを指して使われることはなく、あくまで「その人の気持ちが強いのかどうか」を表現するために使われる言葉となります。鼻の高さや大きさなどもこの表現を使ううえでは関係ありません。

「鼻っ柱」の語源は?

次に「鼻っ柱」の語源を確認しておきましょう。もともと「鼻っ柱」は「鼻柱」が変化したものです。「鼻柱」とは鼻の穴の左右を分け隔てている、鼻中隔や鼻を隆起させている軟骨のことを指しています。鼻は、人の心や感覚を表す慣用句が多い部位です。例えば、「鼻が高い」というと、自慢げであったり、誇らしげであることを指します。また、「鼻が利く」の場合は、儲け話などに敏感であるということを表す言葉です。サッカーだと、ゴールを決められる場所によく顔を出す選手を指して「ゴールへの嗅覚が鋭い」などと表現しますね。このようなことから、「鼻っ柱」は「気持ちの強さの象徴」とされたと考えられます。

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