この記事では「白ける」について解説する。

端的に言えば白けるの意味は「興がさめる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「白ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「白ける」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説。

「白ける」の意味や語源・使い方まとめ

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「白ける」という言葉を使うことはあるでしょうか?やたらとつまらないギャグを言う人が周りにいると「座が白ける」ことがありますよね。お酒の席で上司のお説教が始まって、せっかくの場が台なしなんてこともよく聞く話です。今回はそんな「白ける」について詳しく解説していきます。

それでは早速「白ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「白ける」の意味は?

「白ける」には、次のような意味があります。

1.白くなる。色があせて白っぽくなる。
2.興がさめて気まずい雰囲気になる。
3.具合が悪くなる。きまりが悪くなる。
4.明らかにする。また包み隠さず話す。打ち明ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「白ける」

「白ける」とは「しらける」と読み、4つの意味を持っています。一つ目は文字通り色あせて白っぽくなるさま。明け方の空を「白んでくる」と表現するのは、暗がりがだんだん薄く明るく変わっていくことを表していますよ。二つ目は一番身近に使われているかと思います。「座が白ける」という意味ですよ。三つ目は具合が悪くなったり、失敗してみるみる血の気が引くさまを「白ける」と表現します。最後は明らかにする・包み隠さず話してしまうことも「白ける」と言いますよ。

「白ける」の語源は?

次に「白ける」の語源を確認しておきましょう。語源と言っても言葉の意味そのままですので、どういった経緯で使われるようになったかを紹介したいと思います。

「白ける」の語源には諸説あるようですが、万葉時代から使われていた言葉で、当時から「白くなる」の「白く(しらく)」の意味で用いられていました。江戸時代になると「明らかになる・興ざめる」の意味でも使われるようになっています。「明るみに出ることで面白くなくなる」から「興ざめる」になったようですね。古来から「白い」は「明るい・明らかになる」と対応していることが分かりますね。

\次のページで「「白ける」の使い方・例文」を解説!/

「白ける」の使い方・例文

「白ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.飲み会で盛り上がっているところに、先輩の説教が始まって座が白けた
2.出張費を不正に計上していたことがバレて、主任の顔がみるみる白んでいった。
3. 私は夜空が白んでくる明け方の時間が一番好きだ。

3つの例文を挙げてみました。例文1は身近な例として分かりやすいかなと思います。お酒の席ではある程度上下関係なく、みんなでワイワイ楽しみたいものですよね。そんな時に始まるお説教は間違いなく場を「白け」させます。残念ながら日本人には多い気がしますよ。例文2は「顔が青ざめる」の意味ですよ。不正が見つかり顔面蒼白になっていく姿が容易に想像できます。例文3は前章の意味の説明にもありましたね。真っ暗だった空が少しずつ白んでいく時間は、空気も澄んでいて清々しい気分になれますね。

「白ける 」の類義語は?違いは?

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「白ける」には異なる意味があるので、類義語もいくつか紹介していきましょう。

その1「興醒める」

「興醒める」とは「きょうざめる」と読み、「あるきかっけでそれまでの楽しい気分や興味が薄れる」の意。「興醒め」という形容動詞に動詞をつけたもので、他にも「興醒めする」や「興醒めな」などと用いられます。あまり聞く機会がないかもしれませんが口語で使われることが多く、「白ける」よりもやや堅い表現になりますよ。

\次のページで「その2「鼻白む」」を解説!/

その2「鼻白む」

「鼻白む」「はなじろむ」と読みます。難しい読み方なので「はなしらむ」や「びはくむ」と読み間違えないように注意しましょう。「鼻白む」という言葉には「ひるむ・気後れする・興醒めする」の意味があります。人は突発的なトラブルが起こると鼻を中心に顔が白くなると言われていて、そこから「雰囲気にのまれて気後れする、またはそれまでの楽しい気分が興醒めする」という由来がありますよ。

「白ける」は「人」に用いますが、「鼻白む」は「場所や雰囲気」に用いられるので、シーンや文脈に合わせて使い分けましょう。

「白ける」の対義語は?

次に「白ける」の対義語を見ていきましょう。

 

「盛り上がる」

「盛り上がる」は普段よく使われている言葉なのでわかりやすいですね。気持ちや勢いがひときわ高まることを表す言葉です。同義語で「盛況」という熟語も身近な言葉ですね。場がしらける「白ける」とは対を成すので、対義語としてふさわしいでしょう。

「白ける」の英訳は?

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「白ける」という言葉の英訳を見ていきましょう。

その1「a wet blanket」

「a wet blanket」は「wet=濡れた」「blanket=毛布」という意味です。盛り上がった雰囲気を白けさせることを、火事の時に火を消すために毛布などを濡らして鎮火させる、という例えで表現していますよ。由来を知ると使い勝手が良いフレーズですね。

その2「gross」

「gross」はネイティブがよく使うスラングで、「キモい」や「引くわー」のように、嫌なものを見た時に「gross」叫びますよ。カジュアルな会話で用いられているので、ドラマなどでよく耳にします。カタカナ語で「グロテスク」と言うとピンとくるかもしれませんね。若者用語の「グロい」もここからきていますよ。

\次のページで「「白ける」を使いこなそう」を解説!/

「白ける」を使いこなそう

この記事では「白ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「白ける」には「色あせて白っぽくなる・興がさめて気まずくなる・きまりが悪くなる・包み隠さず打ち明ける」の4つの意味がありましたね。一番ポピュラーなのは、気まずくなるの意味でしょうか。

「白ける」には「鼻白む」や「興醒め」などの類義語がありますが、「引くわー」や「ドン引き」などの使いやすい若者用語がたくさんあるので、なかなか使う機会もないかもしれませんね。ですが、社会人で先輩や上司に「ドン引き」のような言葉遣いはできないので、この機に正確な表現方法として覚えておきましょう。この記事が参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

「白ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「白ける」について解説する。

端的に言えば白けるの意味は「興がさめる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「白ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「白ける」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説。

「白ける」の意味や語源・使い方まとめ

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「白ける」という言葉を使うことはあるでしょうか?やたらとつまらないギャグを言う人が周りにいると「座が白ける」ことがありますよね。お酒の席で上司のお説教が始まって、せっかくの場が台なしなんてこともよく聞く話です。今回はそんな「白ける」について詳しく解説していきます。

それでは早速「白ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「白ける」の意味は?

「白ける」には、次のような意味があります。

1.白くなる。色があせて白っぽくなる。
2.興がさめて気まずい雰囲気になる。
3.具合が悪くなる。きまりが悪くなる。
4.明らかにする。また包み隠さず話す。打ち明ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「白ける」

「白ける」とは「しらける」と読み、4つの意味を持っています。一つ目は文字通り色あせて白っぽくなるさま。明け方の空を「白んでくる」と表現するのは、暗がりがだんだん薄く明るく変わっていくことを表していますよ。二つ目は一番身近に使われているかと思います。「座が白ける」という意味ですよ。三つ目は具合が悪くなったり、失敗してみるみる血の気が引くさまを「白ける」と表現します。最後は明らかにする・包み隠さず話してしまうことも「白ける」と言いますよ。

「白ける」の語源は?

次に「白ける」の語源を確認しておきましょう。語源と言っても言葉の意味そのままですので、どういった経緯で使われるようになったかを紹介したいと思います。

「白ける」の語源には諸説あるようですが、万葉時代から使われていた言葉で、当時から「白くなる」の「白く(しらく)」の意味で用いられていました。江戸時代になると「明らかになる・興ざめる」の意味でも使われるようになっています。「明るみに出ることで面白くなくなる」から「興ざめる」になったようですね。古来から「白い」は「明るい・明らかになる」と対応していることが分かりますね。

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