

ドラゴン桜2では、そんな悩みを根本的に解決する提言を紹介している。「歯を磨くように勉強しろ!」という、かつて水野が生徒だった時代にも使った言葉だ。
今回はドラゴン桜2の9巻より、なんと13ページを無料で公開。勉強と習慣を組み合わせた言葉の真意を、自称資格マニアのNagiの考察付きで解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。総合旅行業取扱管理者、鎌倉検定1級、TOEIC910点など、多くの資格試験・検定試験に合格している資格マニアでもある。
まずはドラゴン桜式「歯を磨くように勉強しろ」をチェック
まずは漫画を読んでいきましょう。勉強漬けのスパルタ合宿が終わったにも関わらず、「休んで寝るようなヤツは東大に落ちる!」と鬼のようなセリフを吐く桜木。疲れを取るための休息さえ許さないのでしょうか。
さらに桜木は、勉強の習慣を「歯を磨くように勉強しろ」という言葉で表現します。いったい、どういうことなのでしょう。
それでは、さっそく漫画をご覧ください。













進学校の生徒にとって勉強は「歯を磨くこと」と同じ
進学校には、そもそも優秀な生徒が集まっています。中学の時の成績や試験の結果で選ばれていますから、勉強ができて当然。有名大学に合格する生徒が多いのも必然です。
ところが、ここで忘れてはいけない重要な点があります。それは、進学校のエリートたちは、入学後もしっかりと勉強を続けるということ。
では、なぜ進学校の生徒たちは勉強を続けられるのでしょうか?「親が厳しいから」「先生の指導が適切」「部活をしない人が多い」といったような答えが返ってくるのが一般的かと思います。
正解は、歯を磨くように勉強しているから。
進学校の生徒は勉強するのが当然といった環境の中にいるので「勉強を習慣にする能力」が自然に身につきます。歯磨きと同じように、勉強をやらないで寝たら気持ち悪いという境地にまで達するほど、勉強を習慣化することができているのです。
勉強が習慣化されていない進学校の場合
ここで、ドラゴン2の漫画から脱線して、自称資格オタクの高校について少しお話しさせてください。
筆者は、進学校としてそれなりに名が通っている公立高校の出身です。ところが、入ってみると校風は大学並みに自由。勉強するかしないかも個人の自由なので、勉強する人はするけれど、しない人はしないといった二極化が見事なほどに顕著な学校でした。
普段からコンスタントに勉強することで成績をキープした生徒の多くは、推薦を取って難解大に進学。その一方で、一般入試で難関大の現役合格を勝ち取れる生徒は少数。結果として、浪人率が非常に高いという異色の進学校だったのです。
このような開放的な環境でも現役合格を勝ち取った生徒というのは、自分自身の力で勉強を習慣化できる高い能力を備えていたと言えるでしょう。
私は高校時代の3年間、ほとんど勉強しませんでした。身についたのは、勉強習慣ではなく部活習慣。かつての優等生は高校ではビリから数えた方が早いほどの劣等生となり、当然のごとく現役受験は失敗。1年浪人しました。進学校にいても、勉強を習慣にできない生徒は失敗します。逆に言えば、勉強習慣さえ身につければ、どんな環境に身を置いていても必ず勝てるのです。
勉強を習慣にするために意識すべきポイントはこれだ!
では、実際に勉強を習慣にするには、どうすればいいのでしょうか?
ここからは、勉強を習慣にするために意識すべき具体的なポイントを解説していきます。
その1 習慣にONとOFFは存在しない
冒頭での桜木のセリフを覚えていますか?「休んで寝るようなヤツは東大に落ちる!」でしたね。そもそも、勉強を習慣にしてしまえば、疲れたから休む、たくさんやったから今日はやらないといった考えすら浮かばないはず。つまり、桜木は「休んで寝るような(勉強を習慣化できていない)ヤツは、東大に落ちる!」と言っているのです。
歯を磨くように勉強が習慣になっていれば、どんなに眠くても勉強しないと気持ち悪くて眠れないはずなのです。
試験が終わった日は爆睡する。これが、学生時代の私の日常でした。いかに勉強習慣がない生徒であったかが分かりますよね。
その2 一夜漬けは勉強ではない
勉強を習慣化していない人というのは「勉強をする日」と「勉強をしない日」がハッキリしています。学生時代の筆者は、まさにこのタイプ。優等生だった中学時代も普段から勉強しているといったタイプではありませんでした。
追い詰められないと集中力が出ないこともあって、テスト勉強は基本的に一夜漬け。中学時代はそれで乗り切れていたものの、高校の勉強内容では当然通用しません。成績が伸びるはずもありませんよね。
一夜漬けというのは試験のために記憶しているだけなので、知識として定着しません。一気に頭に詰め込んでいる分、忘れるのもあっという間。本当の勉強とは言えないのです。
その3 極端な勉強は事故のもと
前述の一夜漬けの勉強にも共通しますが、勉強を「やる日」はアクセル全開、「やらない日」は思い切りブレーキを踏んでいるようなもの。そんな運転を続ければ、必ず車に負担が生じて事故が起きます。安全運転でなければ、長い距離を走れるはずもありません。
無謀な勉強を繰り返した筆者の車も、とうとう高校時代にエンストしてしまったというわけです。
少しずつでも長く走った者が合格というゴールを切れる!
勉強を車の運転に例えましたが、マラソン走行においても同じことが言えます。どんなに疲れていても、寝る前に1問でも問題を解く。この習慣が身についている者こそが、受験という過酷なフルマラソンを走り切れるのです。
受験を制する者は、いわばマラソンランナー。ゆっくりでも長く走ればフルマラソンは完走できます。大学時代、ホノルルマラソンを完走した経験のある筆者は、毎日10キロ走って本番に備えました。長距離が大の苦手だった私でも完走できたのは、毎日走ることを習慣にしたからと言えるでしょう。
自称資格オタクの感想
高校時代に勉強しなかったことの反動なのか、筆者は社会人になってから勉強を積極的にするようになりました。資格類の勉強は、その時に携わっている仕事に関わるものがほとんど。いわば仕事という習慣に絡めた勉強だったからこそ、忙しい中でも両立することができ、合格を勝ち取ってきたと言えます。
もしも、高校時代に「ドラゴン桜」に出会っていたなら、ハードな部活生活を送りながらも勉強を習慣にできていたかも。そんな想いを持たずにはいられません。
受験生の皆さんは大人になって後悔しないように、今できることをやってください。もちろん、大人になっても勉強は続きます。資格うんぬんに関わらず、いかなる職業においても勉強は必要不可欠。それでも、学生の頃でしかできない勉強というのがあり、学生だからこそ吸収できるものがあるのです。
習慣は人を裏切らない
勉強習慣が身につけば、勉強は生活の一部になります。無意識とも言えるレベルで自発的に行えるようになれば、その効果は無限大。自らを無理に鼓舞したり、徹底的に自制しながら行うといった勉強しかしてこなかった人は、今こそ勉強に対するマインドや向き合い方を変える時です。
気づけば合格というゴールを切っていた。そんなランナーを目指して、一日一日を有意義に使っていきましょう!