

端的に言えば、目が合うの意味は「視線が合う」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んだ。一緒に「目が合う」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/トラコ
全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。
「目が合う」の意味は?
まず、「目が合う」には、次のような意味があります。
1.視線が合う。目と目が合う。「相手と―・わないようにする」
2.上下のまぶたが合う。眠る。多く打消しの語を伴って、よく眠れない意を表す。「目も合はず思ひ臥したるに」〈枕・一二五〉
出典:デジタル大辞泉(小学館)「目が合う(めがあう)」
「目が合う」には、大きく分けて、2つの意味があります。
まず、言葉そのままの意味で、目と目が合う、視線が合うこと。そして、もう1つが、上まぶたと下まぶたが合うという意味で「眠る」という意味です。また、打ち消しを伴うことで、よく眠れない、という意味で用いられます。
平安時代の「蜻蛉日記」(974年ごろ頃)に、「よる、めもあはぬままに、歎きあかしつつ、山づらをみれば、霧はげに麓こめたり」(上)との記述が出てくるのが有名です。
「目が合う」の語源は?
次に、「目が合う」の語源を確認しておきましょう。
目が合うの「目」には、人間を含む動物の目以外にも、とても多くの意味があります。今回は、人間の目です。先に説明した通り、目の上下の瞼(まぶた)が合うことで、眠いという意味になります。目と目が合うというよりは、眠いほうが言葉の由来に近いです。
ちなみに、「痛い目に合う」という、よく知られた言葉があります。痛みや苦しみを味わう、ひどい経験をするといった意味です。目が合うという表現と似てはいるものの、違う意味なので使う時は注意しましょう。
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