
「危ない橋を渡る」の使い方・例文
「危ない橋を渡る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
健太は芸能界での成功をつかむために悪の組織とも付き合っていたが、それは危ない橋を渡るようなものだった。
「危ない橋を渡る」は「危険な手段をとる」ことを指して使われる言葉です。例文では「芸能界での成功」という、実力以上の要素も必要な目標に対して、悪の組織と付き合ってでも成し遂げようと試みる行為をさして「危ない橋を渡る」と表現しています。つまり、「危ない橋」とは「悪の組織と付き合うこと」であり、橋を渡ってたどり着く「向こう岸」とは「芸能界での成功」ということです。
成功をつかむためには、一定のリスクを背負わなくてはならない場面もあります。そうした時に、それを「背負ってでも成功を目指して突き進む」のか「リスクを敬遠して撤退する」のかを決めなくてはなりません。「危ない橋を渡る」はそのリスクが非常に高いと知っていながら、あるいは、それが法律に違反するような行為であると承知していながらも「進む」と決めて取り組むことをさしています。

ここまで「危ない橋を渡る」の意味や語源、使い方について解説をしてきたぞ。単なるリスクというよりも、それが危険な行為であると知っていて、さらに言えば法律に違反するような行為だと承知しているのが「危ない橋を渡る」だということが分かったな。大きな成功や、成果が必要だと判断した時に「あえて」こうした行為をできるかどうか。そして成功できるかどうかは、人生を大きく左右するな。
「危ない橋を渡る」の類義語は?違いは?

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「危険な手段をとる。特に、承知で法律に違反するような行為を行う。」という意味の「危ない橋を渡る」という言葉。類義語として挙げられるのは「綱渡り」「火中の栗を拾う」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」などがあります。
「綱渡り」については「橋」ではなく「綱の上」を渡っていくということでリスクを冒していることを表した言葉。「火中の栗を拾う」は燃え盛る火の中にある栗に手を伸ばすというリスクを表していますが、これは自分ではなく、他人のためにリスクを冒している時に使う言葉です。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は「虎穴」という危険な場所に入っていかなくては、虎の子を獲ることはできないという意味で、「大成功するためには、リスクを冒さなくてはならない」ということのたとえとなっています。
その1「綱渡り」
「綱渡り」とは「空中に張った綱の上を芸などをしながらわたること」ですが、そこから転じて「危険をおかして物事を行うこと」という意味を持っています。一歩間違えてしまえば、綱の上から落ちてしまうということに加えて、そもそも不安定な綱の上にいる状況ということで、厳しい状況下であることも表現されているのが、「綱渡り」という言葉です。
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