「世も末」の使い方・例文
次に、「世も末」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.子どもたちは、日本語の簡単な内容とヒントが書かれた文章の質問にも答えられなかった。世も末だ。
2.現在進行中の汚職が悪いと判断できず、解決もできない政治家の責任は重い。まじめだと馬鹿を見る、世も末だ。
3.世も末である。教員による教育が、子供への虐待だといくら言っても、信ぴょう性に欠けると取り合ってくれない。
4.メディアによる人気料理番組の紹介方法が間違っていた。世も末だ。
それでは、それぞれの例文について、使い方を見ていきましょう。
例文1は、子どもたちに対する嘆きとして、「世も末」という表現が用いられています。そして、例文2は、どうしようもない世という意味。
例文3は、救いがたい世という意味での使われ方。例文4もほぼ同様の意味で、なにかの末期症状というニュアンスも感じられます。
「世も末」の類義語は?違いは?
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続いて、「世も末」の類義語(類語)について、見ていきましょう。
類義語として、無茶、滅茶苦茶、救いようがない、この世の終わり、どうしようもない、駄目、世の中腐ってる、お先真っ暗、暗澹たる、絶望的などがあります。
その1「無茶」「滅茶苦茶」
まずは「無茶」という言葉について。意味は3つあります。軌道が立たず、道理が合わない/程度がはなはだしい、度を越している/知識がない、です。
「世も末」は、救いようがない世、という意味であり、無茶とは意味が通じるものはあるものの、世の中を表現しているわけではないのが、意味の違いと言えます。
さらに、「滅茶苦茶」というと、無茶よりさらに度が過ぎたような意味です。「世も末」「無茶」がややネガティブな意味である一方、近年は「滅茶苦茶楽しい」など、副詞的にポジティブな表現で用いられることもあります。
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