地学岩石・鉱物理科

「安山岩」ってどんなもの?火成岩の種類の一つである安山岩について科学館職員がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は意外と身近にある火成岩について、安山岩をメインに解説する。

周りを見渡すと色々なところに石が落ちているな。それをよく観察してみてくれ。よく見ると、その模様でグループ分けすることができる。一言で石といってもいろんな種類があるんだ。安山岩はマグマが固まってできた火成岩の一種で、日本ではおなじみのものだ。ではその特徴をみんな知っているか。火成岩はそのでき方や含まれる成分で種類が異なる。

それでは岩石について化学系科学館職員のたかはしふみかが解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/たかはし ふみか

まだまだ勉強中の国立大学工学部化学系出身の科学館職員。環境に役立つ研究がしたいと卒論テーマに再生可能エネルギーを選ぶ。わからない用語は調べないと気が済まず、今でも高校時代の化学辞書を愛用している。

安山岩ってどんな石?岩石を解説

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まずは安山岩とはどんなものかを確認していきましょう。コトバンクで調べると安山岩とは次のように説明されています。

「火山岩の一つ。斜長石・輝石の斑晶(はんしょう)を含み、また、角閃石(かくせんせき)や黒雲母(くろうんも)を含むこともある暗灰色の岩石。板状・柱状の割れ目がある。日本で最も普通の火山岩で、土木・建築材や墓石などに使用。」

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安山岩は日本で一般的な火山岩の一種です。火山岩については後で解説しますね。この安山岩は石材として使われているので、皆さんも目にしたことがあるでしょう。角閃石や黒雲母などの鉱物を含み、模様のようになっています。墓石を想像するとわかりやすいですね。

ところでそもそも石とはどんなものなのでしょうか。石とは鉱物質(自然にできた無機質結晶質物質のこと、一定の化学組成となっている)のかけら、かたまりのことです。そして大きな石のことを岩石と呼びます。 この岩石は火成岩堆積岩変成岩の3つに分類することができますが、その境界は少々あいまいで2つ以上に分類されることもあるそうです。安山岩は火成岩の一種となっています。

岩石についてもっと知りたい、堆積岩・変成岩ってどんなもの?と言う人はこちらの記事も読んでみてくださいね。

火成岩とは

火成岩とはコトバンクによると「ケイ酸塩を主成分とする高温の溶融体であるマグマが冷却、固結してできた岩石」と書かれています。今度は火成岩いついて確認していきましょう。

火成岩の成分

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火成岩は、マグマ(溶岩)が冷えて固まった岩石です。 マグマとは地下で岩石が溶融してできたもので、岩漿(がんしょう)ともいいます。マグマは酸素(O)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)などを含んでいて、このケイ素の量によってその流動性や噴火の様子が異なるのです。

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