今回のテーマは太陽系小天体です。

途方もない数のことをよく「星の数ほど」と表現するな。地球から肉眼で夜空を見上げた時に見られるのは8600個ほどです。ただし実際は地平線より上しか見えないことから実際に肉眼で見られるのは4000個ほどと言われている。銀河系全体に目を向けると恒星は約100000000000(1000億)個ある。そして銀河は宇宙に約100000000000(1000億)個であることから星の総数は10000000000000000000000(10の22乗、100垓)個となる。そしてこれは太陽のような恒星の数です。そこに地球のような惑星や衛星を考えると途方もない数となる。太陽系では太陽の周りを公転する天体のうち惑星・準惑星・衛星をのぞいたものをまとめて太陽系小天体と呼んでいる。

今回はそんな太陽系小天体について、天体について勉強中の科学館職員のたかはしふみかが解説します。

ライター/たかはし ふみか

国立大学工学部化学系出身の科学館職員。科学館に勤めたことでプラネタリウムを身近に感じるようになった。最近は天文台に行ったり研究者に会う機会も増えて楽しい毎日。

太陽系小天体とは?星の分類をおさらい

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まずは太陽系小天体の定義を、他の天体と合わせて確認しましょう。 天体とは「宇宙にある太陽、恒星、惑星、小惑星、衛星、彗星、星雲、星団、銀河、銀河団など、観測できる物体の総称」のことです。(コトバンク引用)

恒星とは太陽のように自ら光を発している天体、惑星は地球のように恒星の周りを公転する天体、衛星は惑星の周りに軌道を持ち公転している天体の事をいいます。太陽系にある天体のうち恒星は太陽のみです。そして惑星は8個、準惑星は5個、そして衛星は214個(2021年5月31日現在)ほどあります。そして残りの天体が太陽系小天体と分類されるのですす。太陽系小天体には太陽系外縁天体、小惑星、彗星、惑星間塵などが該当します。惑星や準惑星など天体について詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。

太陽系小天体とは太陽系の天体のうち太陽と惑星、準惑星、衛星を除いた天体のことをさします。これが定義されたのは2006年の事です。

2006年に国際天文学連合(IAU)によって太陽系の惑星、準惑星と共に太陽系小天体が定義されました。準惑星が定義された経緯についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。

太陽系小天体の仲間たち

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太陽系小天体がどんなものかわかったところで、今度は太陽系外縁天体、小惑星、彗星、惑星間塵について説明していきます。

\次のページで「1.太陽系外縁天体」を解説!/

1.太陽系外縁天体

1.太陽系外縁天体

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コトバンクによると太陽系外縁天体とは「太陽系の惑星中もっとも外側にあると考えられる海王星(かいおうせい)の、さらに外側に広く分布する小天体群」のことです。

先ほど説明した2006年に行われた国際天文学連合の会議で冥王星が準惑星となり、最も外側の惑星は海王星となりました。太陽系外縁天体のキーワードがこの海王星にです。太陽系外縁天体とは海王星よりも外側の天体のことで、「太陽からの平均距離が海王星よりも遠い天体」と考えるとわかりやすいですね。冥王星も太陽系外縁天体である一方、準惑星の冥王星型天体に分類されています。

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2015年10月に新たな準惑星が太陽系外縁で発見されました。ハロウィンの時期に見つかったことでこの小惑星はゴブリンと名付けられ、2018年に発表されました。ゴブリンの発見は太陽系の新たな惑星を発見する手がかりになるのでは、と期待されています。

2.小惑星

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コトバンクで小惑星の意味を調べると「数百フィート(1フィート=30.5㎝)から数百キロメートルの大きさの岩石の天体」で「太陽を公転する惑星・準惑星より小さい天体(太陽系小天体)のうち、ガスなどの放出が観測されないもの」とされています。小惑星のポイントはこの「ガスなどの放出」にあり、ガスなどの拡散成分があるかないかで小惑星か次に説明する彗星かが決まるのです。

2012年5月までに軌道が確定して小惑星番号が付けられた天体は約33万個あります。さらにまだ未発見の小惑星があると考えられているのです。この小惑星のほとんどは火星と木星の間の領域に存在し、この領域を小惑星帯といいます。

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3.彗星

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ほうき星ともいわれる彗星は、その名の通りしっぽがあるかどうかで小惑星と区別されています。そのため、遠くにあるときは小惑星と判断がつきづらい天体です。彗星には太陽に近づく周期、公転周期があります。主な周期はこちらです。

\次のページで「4.惑星間塵」を解説!/

パンスターズ彗星 3.24年 最短

ハレー彗星    75.4年 最初に周期が確認された彗星

池谷・張彗星   374年 最長

公転周期には約3年から数百万年以上までのものがあります。中にはそのまま近づくことのない彗星もあるのです。

彗星は巨大な氷の塊でその本体は「」と呼ばれています。「核」の成分は約80%水、残りは二酸化炭素や一酸化炭素、そして砂塵が混ざっているのです。彗星の大きさは小さなもので数百m、大きなものだと数十kmにもなります。

ところで彗星には一風変わった呼び名があるのをご存じでしょうか。彗星はその成分(ほとんどが水、そこに砂塵が混ざっている)から表面に砂がついた「汚れた雪だるま」と例えられているのです。汚れた、とは美しい表現の多いの天体の中でちょっと意外な気もしますね。

4.惑星間塵

太陽系小天体で最も小さい惑星間塵は惑星間ダストとも呼ばれる、太陽系の塵です。惑星間塵は過去1億年におきた小惑星同士の衝突、彗星からの放出、外縁天体や星間塵同士の衝突にが起源と考えられています。

太陽系小天体とは

 天体とは太陽、恒星、惑星、小惑星、衛星、彗星、星雲、星団、銀河、銀河団など宇宙にあり観測できる物体の総称です。そして太陽系にある天体のほとんどが太陽系小天体になります。この太陽系小天体に該当するのは太陽系外縁天体、小惑星、彗星、惑星間塵です。太陽系外縁天体は海王星よりも遠い天体のこと、小惑星と彗星は似ていて尾があるかどうかで判断されます。最も小さいのは惑星間塵で細かい個体物質です。

研究者たちによって日々新たな発見がある天文学。最新の天体情報も要チェックです。

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地学宇宙理科

「太陽系小天体」ってどんな天体?その仲間と特徴を科学館職員がわかりやすく解説

今回のテーマは太陽系小天体です。

途方もない数のことをよく「星の数ほど」と表現するな。地球から肉眼で夜空を見上げた時に見られるのは8600個ほどです。ただし実際は地平線より上しか見えないことから実際に肉眼で見られるのは4000個ほどと言われている。銀河系全体に目を向けると恒星は約100000000000(1000億)個ある。そして銀河は宇宙に約100000000000(1000億)個であることから星の総数は10000000000000000000000(10の22乗、100垓)個となる。そしてこれは太陽のような恒星の数です。そこに地球のような惑星や衛星を考えると途方もない数となる。太陽系では太陽の周りを公転する天体のうち惑星・準惑星・衛星をのぞいたものをまとめて太陽系小天体と呼んでいる。

今回はそんな太陽系小天体について、天体について勉強中の科学館職員のたかはしふみかが解説します。

ライター/たかはし ふみか

国立大学工学部化学系出身の科学館職員。科学館に勤めたことでプラネタリウムを身近に感じるようになった。最近は天文台に行ったり研究者に会う機会も増えて楽しい毎日。

太陽系小天体とは?星の分類をおさらい

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まずは太陽系小天体の定義を、他の天体と合わせて確認しましょう。 天体とは「宇宙にある太陽、恒星、惑星、小惑星、衛星、彗星、星雲、星団、銀河、銀河団など、観測できる物体の総称」のことです。(コトバンク引用)

恒星とは太陽のように自ら光を発している天体、惑星は地球のように恒星の周りを公転する天体、衛星は惑星の周りに軌道を持ち公転している天体の事をいいます。太陽系にある天体のうち恒星は太陽のみです。そして惑星は8個、準惑星は5個、そして衛星は214個(2021年5月31日現在)ほどあります。そして残りの天体が太陽系小天体と分類されるのですす。太陽系小天体には太陽系外縁天体、小惑星、彗星、惑星間塵などが該当します。惑星や準惑星など天体について詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。

太陽系小天体とは太陽系の天体のうち太陽と惑星、準惑星、衛星を除いた天体のことをさします。これが定義されたのは2006年の事です。

2006年に国際天文学連合(IAU)によって太陽系の惑星、準惑星と共に太陽系小天体が定義されました。準惑星が定義された経緯についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。

太陽系小天体の仲間たち

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太陽系小天体がどんなものかわかったところで、今度は太陽系外縁天体、小惑星、彗星、惑星間塵について説明していきます。

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