
「虎の威を借る狐」の使い方・例文
「虎の威を借る狐」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
その美人な新入社員は社長のごり押しで採用された。まさに彼女は虎の威を借る狐だ。
「虎の威を借る狐」は、周囲の人間がみな、トラが誰を指しているのかが分かっていることが前提です。そうでなければ、キツネは横暴にふるまったり、権勢に頼ることができません。この場合、社長というトラがいて、新入社員として入ってきた人物がキツネです。虎の威光がどこまで働いて、自分という狐を守ってくれるのか。その範囲をわきまえている狐ほど、厄介なものはありません。時代が変わっても、こういう人に振り回されるというのが、人間の歴史の一コマなのかもしれませんね。

ここまで「虎の威を借る狐」の意味や語源、使い方についてまとめてきたぞ。ちなみに、語源に関連している古代中国の国、楚については「四面楚歌」ということわざもある。これは漢と楚が戦争をしていて、楚が勝利を決定的にした際、漢の将軍の項羽が城の周りの四つの方角それぞれから楚の国の歌が聞こえてきたという話からできているぞ。
「虎の威を借る狐」の類義語は?違いは?

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「虎の威を借る狐」は「他の権勢に頼って威張る小人のたとえ」という意味です。類義語として挙げられるのは「笠に着る」「親の光は七光り」「勝ち馬に乗る」といった言葉があります。「笠に着る」は、権力者から受けた恩恵などを利用して、威張ったり勝手なことをするさまです。また、「親の光は七光り」は親の威光を子供が利用すること。また「勝ち馬に乗る」は力のある人の側につくことで恩恵を受けるさまを言います。
その1「笠に着る」
「笠に着る」は「権勢のある後援者などを頼り、保障されている地位を利用して威張る。また、自分の施した恩徳をいいことにして勝手なことをする。」という意味の言葉です。「虎の威を借る狐」と同様に、権勢のある人間を頼って威張る」わけですが、「笠に着る」では、その権勢のあるものから施されたものを上手く利用するという意味合いも込められます。
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