端的に言えば従容の意味は「落ち着き」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「従容」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻。初対面の人に言わせると、私(ライター)の見た目からは従容たる雰囲気を醸し出しているらしい。しかし、実際はかなりの小心者だ。
「従容」の意味は?
「従容」には、次のような意味があります。
ゆったりと落ち着いているさま。危急の場合にも、慌てて騒いだり焦ったりしないさま。「—として死に就く」「—たる立ち居振る舞い」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「従容/縦容」
まずはじめに、「従容」を「じゅうよう」と読むのだと思ってはいないでしょうか。確かに、普通に読めばそうはなります。しかし、「従容」は「じゅうよう」ではありません。「しょうよう」と読みましょう。
「従容」の意味は「落ち着いているさま」です。パニックになりそうなときでも、慌てず騒がずにいることを言います。なお、「しょうよう」には「縦容」や「松容」という書き方もありますが、どちらもあまり使われていません。「従容」だけ覚えておけば十分です。
「従容」の語源は?
次に「従容」の語源を確認しておきましょう。
「従」という漢字には、「したがう」「しもべ」「事にあたる」以外にも「ゆったりとする」という意味があります。また、「容」も意味がいくつもある漢字です。「いれる」「中身」「姿」などありますが、「おちついている」という意味もあります。つまり、「従」と「容」という2つの漢字にはどちらも「ゆとりがある」という意味があり、それらが重なって「騒いだり焦ったりしないさま」を表す「従容」という熟語が生まれました。
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