この記事では「目には目を、歯には歯を」について解説する。

端的に言えば目には目を、歯には歯をの意味は「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「目には目を、歯には歯を」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「目には目を、歯には歯を」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「目には目を、歯には歯を」の意味や使い方を見ていきましょう。

「目には目を、歯には歯を」の意味は?

「目には目を、歯には歯を」には、次のような意味があります。

受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること。ハムラビ法典の言葉。旧約聖書の出エジプト記などにも見え、これを戒めたイエスの「山上の垂訓」で有名。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目には目を、歯には歯を」

「目には目を、歯には歯を」には「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」という意味があります。加害者に対して、被害者が同じような仕打ちをして報復するという意味です。この言葉は「ハムラビ法典」という世界最古の法典に書かれています。現在のイラクの首都バグダッドの南にあったバビロンを首都とした大帝国を紀元前1700年代に築いたバビロン第一王朝の第6代国王であるハムラビが制定、発布したものです。

「目には目を、歯には歯を」の記述は、このハムラビ法典の196、197条の中にあるとされています。「タリオの法」と呼ばれ、罪を犯した者に対して、同等の復讐をすることを定めているものです。ハムラビ法典は、罪を犯したものとその被害者による報復合戦を防ぐために、犯した者にはその罪と同等の刑罰を与え、一方で罪以上の罰を与えないという観点から作られました。決して「罪を犯した者に、復讐をする」ことを定めた法律ではありません

「目には目を、歯には歯を」の使い方・例文

「目には目を、歯には歯を」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「目には目を、歯には歯を」の類義語は?違いは?」を解説!/

パワハラを繰り返す上司に対し、部下は隠しカメラを設置してそのすべてを記録し会社に提出した。まさに、目には目を、歯には歯をである。

「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」を意味する、「目には目を、歯には歯を」という言葉。例文では「パワハラ被害」という「受けた害」に対して「隠しカメラで記録して会社に提出」という行為で「報いた」ということです。「ハムラビ法典」は紀元前1700年代に使われていた「法律」ですが、その条文であった「目には目を、歯には歯を」は現在はこういった形で使われています。

言葉だけが独り歩きした結果、「やられたらやり返す」という意味合いだけが強まり「復讐する」ことにフォーカスが行きがちですが、本来の意味は「やられたら、やられた分だけ、やり返す」という意味であることを忘れないようにしましょう

「目には目を、歯には歯を」の類義語は?違いは?

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「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」を意味する「目には目を、歯には歯を」という言葉。類義語として挙げられるのは「やり返す」や「お礼参り」があります。「やり返す」に関して言えば、相手からやられたことの仕返しにこちらも同じようなことをすることを指して使われる言葉ですが、「お礼参り」は「やくざなどが出所した後に、自分のことを密告した人などに仕返しをすること」という意味です。

その1「やり返す」

「やり返す」には「相手からされたことの仕返しとして、自分も同じようなことをする」という意味があります。「目には目を、歯には歯を」と同じように使われますが、同等の仕打ちをもって報いるという「ハムラビ法典」の考え方は存在しません。そして、「やり返す」は罪などだけではなく、例えばスポーツで得点を奪うことや、パンチを繰り出すなどのシーンでも使えます。つまり、相手と同様のことをし合っていることを指して使われる言葉です。ただし、良い事をし合うときには使わないので、注意しましょう。

その出版社は私が撮影した富士山の写真を無断で掲載したため損害賠償を請求することにした。やられたらやり返すのだ。

\次のページで「その2「お礼参り」」を解説!/

その2「お礼参り」

「お礼参り」には「神仏に願をかけて成就した際にお礼に参拝すること」という意味があります。しかし、その一方で「刑期を終えて出所したやくざなどが、自分を密告したり、自分に不利な証人となったりした人に、仕返しをすること」という全く感じの異なる意味を持ち合わせている単語です。「刑期を終えた」時点で罪を犯したとされており、仕返しをするような立場ではないと思いますが、自分が罪人になったのは、密告者や不利な証言をした者たちのせいなので、同等の仕打ちをして報いるということなのでしょう。その理不尽さはともかくとして、限定的な範囲ではありますが類似する表現となります。

最近出所した男は、サングラスをして周辺を気にしながら、事件の証言をした男性の勤めるビルに入っていった。お礼参りだ。

「目には目を、歯には歯を」の対義語は?

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「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」を意味する「目には目を、歯には歯を」という言葉の対義語となる言葉は「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いることはしない」という意味の言葉となります。そこで挙げられるのが「恨みに報ゆるに徳を以てす」「仇を恩で報いる」「誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」です。それぞれの言葉は、受けた害や恨みつらみに対して、やり返すのではなく、かえって情けをかけたり、あるいはやり返すどころか復讐をしてはならないと戒めています。

その1「恨みに報ゆるに徳を以てす」

「恨みに報ゆるに徳を以てす」は「恨みのある相手に対しても恩徳をもって報いる」という意味の言葉。「目には目を、歯には歯を」と違い、受けた害に対して、それをやり返したりはしないという意味。

自分をだまして出世した同僚に仕返しをしたいという思いは分かるが「恨みに報ゆるに徳を以てす」の精神でいれば、誰かは見ているから、我慢すべきだ。

その2「仇を恩で報いる」

「恨むべき相手に対して、かえって情をかける」という意味を持つ「仇を恩で報いる」という言葉。逆に、「情をかけてもらった相手に対して害をもたらすような行いをすること」を「恩を仇で返す」と言います。こちらも、目には目を、歯には歯をの精神とは反対に、害を被らされた相手に対し、報復をするどころか情をかけるということです。

\次のページで「その3「誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」」を解説!/

仕事の邪魔ばかりしてくる同僚にも、彼は仇を恩で報いるように、いつも対等に、そして笑顔で接している。

その3「誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」

「誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」は聖書に書かれている言葉の中でも有名なフレーズです。「目には目を、歯には歯を」という言葉を戒めるように、「相手に報復をしてはいけない。悪意を持って害を被らせてきた相手に向かっていってはいけない」ということを表しています。

例え害を被ったとしても、報復や復讐をしてはならないと「誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と、キリストは説いた。

「目には目を、歯には歯を」を使いこなそう

この記事では「目には目を、歯には歯を」の意味・使い方・類語などを説明しました。「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」を意味するこの言葉。「復讐ありき」ととらえられがちですが、「必要以上の復讐をしない」ことで報復合戦を収め、予め罪人には刑罰があるとすることで犯罪の抑止力にもなったハムラビ法典の制定は先人の偉大な功績の一つと言えます。もっとも、現代社会ではその報復すらもせず、「悪意と向き合わない覚悟」が必要なのかもしれません。多様化する世界では、何が正義かさえ、多様になっているのですから。

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国語言葉の意味

「目には目を、歯には歯を」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「目には目を、歯には歯を」について解説する。

端的に言えば目には目を、歯には歯をの意味は「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「目には目を、歯には歯を」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「目には目を、歯には歯を」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「目には目を、歯には歯を」の意味や使い方を見ていきましょう。

「目には目を、歯には歯を」の意味は?

「目には目を、歯には歯を」には、次のような意味があります。

受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること。ハムラビ法典の言葉。旧約聖書の出エジプト記などにも見え、これを戒めたイエスの「山上の垂訓」で有名。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目には目を、歯には歯を」

「目には目を、歯には歯を」には「受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること」という意味があります。加害者に対して、被害者が同じような仕打ちをして報復するという意味です。この言葉は「ハムラビ法典」という世界最古の法典に書かれています。現在のイラクの首都バグダッドの南にあったバビロンを首都とした大帝国を紀元前1700年代に築いたバビロン第一王朝の第6代国王であるハムラビが制定、発布したものです。

「目には目を、歯には歯を」の記述は、このハムラビ法典の196、197条の中にあるとされています。「タリオの法」と呼ばれ、罪を犯した者に対して、同等の復讐をすることを定めているものです。ハムラビ法典は、罪を犯したものとその被害者による報復合戦を防ぐために、犯した者にはその罪と同等の刑罰を与え、一方で罪以上の罰を与えないという観点から作られました。決して「罪を犯した者に、復讐をする」ことを定めた法律ではありません

「目には目を、歯には歯を」の使い方・例文

「目には目を、歯には歯を」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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