この記事では「いびる」について解説する。

端的に言えばいびるの意味は「いじめて苦しめる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「いびる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。いびられても動じないおばさんライターが「いびる」について解説する。

「いびる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「いびる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「いびる」の意味は?

「いびる」には、次のような意味があります。

1.弱い立場の人をいじめて苦しめる。しいたげて苦しめる。

2.無理を言って困らせる。せがむ。ねだる。

3.あぶる。焼く。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いびる」

我が家は水槽で4匹の金魚を育てています。私たちはこの金魚を「山田さん一家」と名付けました。山田さん一家が我が家へやってきてもう5年になるのですが、そろそろお部屋(水槽)が狭くなってきたのです。山田さん一家は夜店の金魚すくいの金魚。我が家へやってきた時、正直なところ「長生きはしないだろう」と思い、そう大きくない水槽を用意しました。

ところが5年経っても山田さん達はすくすく成長。その話をご近所の奥さんにしたところ「私の家の水槽はまだまだ余裕があるから…」といってくれたので、山田さん一家の一匹がその奥さんのお家へ養子にいくことになりました。

「可愛がってもらうんだよ」と送り出して一週間…その一匹が戻ってきたのです。奥さんの話によると、養子先の金魚たちからいびり出されたとのこと。奥さんの家の水槽へ我が家の金魚が放たれると、奥さんの家の金魚たちが「よそ者が来たぞ」と追いかけ回し、そのいびりがおさまらなかったそうです。「あまりに可哀想だから」と我が家へ戻された金魚。今、もう少し大きな水槽の購入を考えています。

「いびる」の語源は?

次に「いびる」の語源を確認しておきましょう。

「いびる」とはちょっと変わった単語のような気がしませんか。手元の三省堂国語辞典には「いび」から始まる言葉は他に「いびき(鼾)」「いびつ(歪)」「いびょう(胃病)」の三語しか掲載されていません。

そもそも「いびる」はある単語の音が変化して生まれた言葉。いびるという言葉の由来となった単語は「相手を苦しめて追い出す」という意味の「いびり出す」という言葉から連想することができます。

巣穴に煙を流し込むと、動物は苦しくなって穴から出てきますよね。このように穴から追い出すことを「いぶり出す」といいます。「いびる」は「いぶる」が変化した言葉。「いびる」の語源は「いぶる」なのです。

\次のページで「「いびる」の使い方・例文」を解説!/

「いびる」の使い方・例文

「いびる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

先程引用したデジタル大辞泉によると、「いびる」には「しいたげて苦しめる」「せがむ。ねだる」「あぶる。焼く」という意味がありましたが、現在では「しいたげて苦しめる」以外の意味で用いることはありませんので「しいたげて苦しめる」の例文だけを挙げることにしします。

1.上司の部下Aに対する言動は嫌がらせというレベルを超えている。部下Aをいびり出すつもりか。

2.先輩ネコが後からやってきた後輩ネコに威嚇をしたり、ネコパンチを浴びせたりしている話題の動画を観たが、「これって、その辺の職場でよくある後輩いびりと一緒だ」と思った。

3.「姑が嫁をいびるなんて…もう、昔話だねぇ。近頃ではこっちがいびられないように気を遣わないといけないよ。偉そうな態度なんてとれないね」と近所の姑さんたちが立ち話をしながら愚痴を言っていた。

「いびる」は「弱い立場の人をいじめて苦しめる。しいたげて苦しめる」という意味でしたね。「いびる」という行為は「いびる方(強い立場)」と「いびられる方(弱い立場)」に分かれます

「いびる」の意味から考えると、例文では「強い立場:上司・先輩ネコ・近頃の嫁」「弱い立場:部下・後輩ネコ・今の姑」となりますね。いびるという行為の根底にあるのがストレスです。上司には仕事や人間関係のストレス、先輩ネコには後輩ネコの出現という環境変化のストレス。近頃の嫁にも人間関係のストレスがあるでしょう。

現在社会において、ストレスの種は無数にあります。そしてストレス発散の対象となってしまうのが立場的に弱いものなのです。日常においてストレスの無い社会が実現すれば良いのですが、「それはなかなか難しい」というのが現状でしょう。

「いびる」の類義語は?違いは?

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それでは「いびる」の類義語をみていきましょう。

「虐げる」(しいたげる)

「虐げる」は「虐待する」「いじめる」という意味です。

虐げられるのは立場的に弱いもの。我が家の三兄弟で一番虐げられたのは三男でしょう。

上の二人にゲームの順番は抜かされ、おもちゃは取り上げられ…彼の手元に残ったものは紙と鉛筆だけ。彼はその紙と鉛筆でよくお絵描きをしていました。後に彼は美術系の大学へ進学したのですが「絵が上手くなったのは何でもかんでも取り上げた兄ちゃん達のお陰」と笑っていました。

\次のページで「「いびる」の対義語は?」を解説!/

「いびる」の対義語は?

続いて対義語です。

「擁護する」

「擁護する」とは危険なものから守ること

我が家の三兄弟の中で一番虐げられた三男ですが、上の二人に一番擁護されたのも三男です。小学校へ入学した頃、「何かあったら、兄ちゃん達に言えよ」と言ってもらった三男はとても嬉しそうでした。

「いびる」の英訳は?

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「いびる」は英語でどのように表現されのでしょう。

英文1.  As the answer of the boss for my question was a thing filled with contradiction, I pointed out the contradiction. Then the boss has begun to torment me.

私の質問に対する上司の回答が矛盾に満ちたものだったので、私はその矛盾を指摘した。するとその上司は私をいびり始めた。

英文2.  “The training you give to the players is so rigorous that it seems to others that they are tormented with it," I was told by  my older sister.

「あなたの選手に対するトレーニングは厳しすぎて、他人には彼等をいびっているようにみえる」と姉に言われた。

「torment」は「悩ます」「いじめる」という意味。

英文1の「Then the boss has begun to torment me」は直訳すると「それから上司は私を悩まし始めました」。この文章は「するとその上司は私をいびり始めた」と訳すことができます。「上司に対して矛盾を指摘したら、いびられ始めた」ということですね。

英文2は直訳すると「『あなたの選手に対するトレーニングは厳しすぎて、他人には彼等はそれによって苦しめられるように思われる』と私は姉に言われた」となります。「torment」は受身でwithやbyを伴い「~によって苦しめられる」と訳すのですが、これを和訳すると「彼等をいびっているようにみえる」と表現することができますね。

\次のページで「「いびる」を使いこなそう」を解説!/

「いびる」を使いこなそう

この記事では「いびる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「いびる」は現在では「弱い立場の人をいじめて苦しめる。しいたげて苦しめる」という意味で用いられ、類義語には「虐げる」、対義語には「擁護する」という言葉があり、英語では「torment」という単語で表されること等がわかりましたね。

立場的に弱いと、いびられていても声をあげにくいものです。しかし黙っていては状況が悪化することはあっても、改善することはありません。先ず、声をあげましょう。声高に叫ばなくてもいいのです。「誰かに話すこと」…先ずはそこから始めましょう。

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国語言葉の意味

「いびる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「いびる」について解説する。

端的に言えばいびるの意味は「いじめて苦しめる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「いびる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。いびられても動じないおばさんライターが「いびる」について解説する。

「いびる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「いびる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「いびる」の意味は?

「いびる」には、次のような意味があります。

1.弱い立場の人をいじめて苦しめる。しいたげて苦しめる。

2.無理を言って困らせる。せがむ。ねだる。

3.あぶる。焼く。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いびる」

我が家は水槽で4匹の金魚を育てています。私たちはこの金魚を「山田さん一家」と名付けました。山田さん一家が我が家へやってきてもう5年になるのですが、そろそろお部屋(水槽)が狭くなってきたのです。山田さん一家は夜店の金魚すくいの金魚。我が家へやってきた時、正直なところ「長生きはしないだろう」と思い、そう大きくない水槽を用意しました。

ところが5年経っても山田さん達はすくすく成長。その話をご近所の奥さんにしたところ「私の家の水槽はまだまだ余裕があるから…」といってくれたので、山田さん一家の一匹がその奥さんのお家へ養子にいくことになりました。

「可愛がってもらうんだよ」と送り出して一週間…その一匹が戻ってきたのです。奥さんの話によると、養子先の金魚たちからいびり出されたとのこと。奥さんの家の水槽へ我が家の金魚が放たれると、奥さんの家の金魚たちが「よそ者が来たぞ」と追いかけ回し、そのいびりがおさまらなかったそうです。「あまりに可哀想だから」と我が家へ戻された金魚。今、もう少し大きな水槽の購入を考えています。

「いびる」の語源は?

次に「いびる」の語源を確認しておきましょう。

「いびる」とはちょっと変わった単語のような気がしませんか。手元の三省堂国語辞典には「いび」から始まる言葉は他に「いびき(鼾)」「いびつ(歪)」「いびょう(胃病)」の三語しか掲載されていません。

そもそも「いびる」はある単語の音が変化して生まれた言葉。いびるという言葉の由来となった単語は「相手を苦しめて追い出す」という意味の「いびり出す」という言葉から連想することができます。

巣穴に煙を流し込むと、動物は苦しくなって穴から出てきますよね。このように穴から追い出すことを「いぶり出す」といいます。「いびる」は「いぶる」が変化した言葉。「いびる」の語源は「いぶる」なのです。

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