この記事では「茨の道」について解説する。

端的に言えば、茨の道の意味は「困難な状況や苦難の多い人生」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「茨の道」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「茨の道」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「茨の道」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「茨の道」の意味は?

「茨の道」は、よく使われる慣用句の1つです。次のような意味があります。

茨の生えている道。困難な状況や苦難の多い人生にたとえる。いばらみち。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いばら-の-みち【茨の道】」

「茨の道」(いばらのみち)は、物事や過程が困難だったり、厳しかったりする様子などを表現する言葉です。「いばらの道」と表現する場合もあります。

「茨」は、植物の一種であり、棘(とげ、トゲ)が生えているのが特徴。棘は刺さるととても痛いため、茨が生える道を歩くことは容易ではない(厳しい、困難)という意味になります。

「茨の道」の語源は?

次に、「茨の道」の語源を確認しておきましょう。

茨の道の「茨」は、棘(とげ、トゲ)がある植物の一種、低木類の総称を指します。その棘が生えている道という意味が、言葉の由来です。

特に、苦難の多い人生や、仕事での事業などを例える場合に、よく使われます。

\次のページで「「茨の道」の使い方・例文」を解説!/

「茨の道」の使い方・例文

「茨の道」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば、以下のように用いられます。

1.祝福されなかった男女の結婚生活は困難が待ち受ける、茨の道を歩みそうだ。
2.今回は、茨の道をあえて選んで歩く可能性がある。
3.まるで獣道のような、茨の道から引き返すのが最も適切だ。
4.あえて過酷な茨の道を行く機会で、たくさん成長できる。

「茨の道」を使った例文について、それぞれ解説していきます。

例文1は、困難な人生を表現した文章。例文2も、難しい選択をしたという意味になります。

例文3は、獣道(けものみち)のような困難な道、選択肢といった意味。そして、例文4も、困難な人生やものについての表現として使われています。

「茨の道」の類義語は?違いは?

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次に、「茨の道」の類義語(類語)について、見ていきましょう。

類義語として、例えば、獣道苦難の多い道困難過酷暗雲が立ち込める前途多難困難の多い道を行く、などがあります。

その1「獣道」

「獣道」(けものみち)は、野生の動物が通ることによって自然にできる山中の道、という意味があります(小学館 デジタル大辞泉より)

そして、この獣道が、一般人としての平穏な生活とは異なる人生や生き方の比喩として用いられる場合があり、「茨の道」の意味に通じるものがあります。

作家・松本清張氏の著書『けものみち』が有名です。

\次のページで「その2「暗雲が立ち込める」」を解説!/

その2「暗雲が立ち込める」

「暗雲が立ち込める」は、慣用句であり、まるで事件が起こりそうな不穏な気配を表現しています。暗雲は、日光を遮る黒雲という意味に加え、何か事件が起こりそうな不穏な気配という意味です。

似たような表現に「暗雲が垂れ込める」があります。これは、雲が黒く見えるほど厚く空を覆っており、日光を遮っている様子です。

「茨の道」とはまた違う意味ではあるものの、先行きが困難という意味では通じるものがあります。

その3「前途多難」

「前途多難」は、これから先に多くの困難や災難が待ち受けている、将来にいろいろな苦労があると推測される、といった意味です。

「前途」は将来だったり、目標までの今後の道のりだったり。この「途」は、道のりです。「多難」は、困難や災難が多いという意味。つまり、目的達成まで障害が多いことです。

「茨の道」の意味が、困難な状況や苦難の多い人生のたとえに対し、「前途多難」は人生に限らず、事業なども含まれます。

「茨の道」の対義語は?

続いて、「茨の道」の対義語・反対語について、見ていきましょう。

対義語として、はっきりとした言葉はありません。ただ、平穏な道、日向の道、歩みやすい道、簡単、容易などが考えられます。

「茨の道」の英訳は?

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さらに、「茨の道」について、英訳も確認しておきましょう。

「茨の道」を英語に訳すと、thorny pathrocky roadthe going gets rough などがあります。

その1「thorny path」

「茨の道」、その英訳の1つが、thorny path です。

「thorny」は、イバラの、とげの多い(ある)という意味に加え、(解決すべき問題、課題などが)厄介な、論点が多いといった意味もあります。

「path」の意味は、小道、細道、歩道、通り道、通路、進路、軌道、コース、(人の歩くべき)道や方向など。

その2「rocky road」

「rocky road」も、「茨の道」を英語に訳した言葉です。

「rocky」の意味は、岩が多いという意味に加え、がんこな、不安定な、当てにならないなどの意味もあります。「road」はずばり、道です。

それでは、その他の表現も含め、例文を見ていきましょう。

\次のページで「「茨の道」を使いこなそう」を解説!/

・He faced a rough passage.

彼は茨の道をたどって行った。

・I tread a thorny path.

私は茨の道を歩む。

・It's the thorny path of life.

まさに、人生の茨の道(多難な道)だ。

・Her life thereafter was full of trails and tribulations.

彼女の一生はその後、茨の道だった。

・My path bristles with difficulties.

自分の道は茨(多難な)の道だ。

「茨の道」を使いこなそう

この記事では、「茨の道」の意味・使い方・類語などを説明しました。

茨の道、この言葉の主な意味は「困難な状況や苦難の多い人生」のたとえです。人生がポイントの1つで、人の人生を語る際によく使われます。また、ビジネスシーンなどで困難な事業を遂行しようとする際なども使われる場合も。

もともと、茨という棘(とげ、トゲ)がある低い植物の木が、この言葉の由来でした。そんな語源も合わせて覚えておきましょう。

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【慣用句】「茨の道」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「茨の道」について解説する。

端的に言えば、茨の道の意味は「困難な状況や苦難の多い人生」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「茨の道」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「茨の道」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「茨の道」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「茨の道」の意味は?

「茨の道」は、よく使われる慣用句の1つです。次のような意味があります。

茨の生えている道。困難な状況や苦難の多い人生にたとえる。いばらみち。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いばら-の-みち【茨の道】」

「茨の道」(いばらのみち)は、物事や過程が困難だったり、厳しかったりする様子などを表現する言葉です。「いばらの道」と表現する場合もあります。

「茨」は、植物の一種であり、棘(とげ、トゲ)が生えているのが特徴。棘は刺さるととても痛いため、茨が生える道を歩くことは容易ではない(厳しい、困難)という意味になります。

「茨の道」の語源は?

次に、「茨の道」の語源を確認しておきましょう。

茨の道の「茨」は、棘(とげ、トゲ)がある植物の一種、低木類の総称を指します。その棘が生えている道という意味が、言葉の由来です。

特に、苦難の多い人生や、仕事での事業などを例える場合に、よく使われます。

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