・慣れないお茶会で母のひそみに倣って行動しただけなのだが、「作法がよくわかっている」と褒められた。
・先生のひそみに倣って精進します。
「鸚鵡返し」の対義語は?
「鸚鵡返し」のちょうど反対に当たる言葉はありません。「相手の言ったとおりに繰り返す」の逆は、返事をしないならば「無言」でしょうか。とはいえ復唱せずに肯定、否定の返事をすることもあり、これは鸚鵡返しでもありませんが反対とまでは言えませんね。
また、鸚鵡返しの「よく考えず即座に繰り返す」点に着目するなら、十分考えることをいう「熟考(じゅっこう)」がありますが、ここには「口に出す」の意味は含まれません。
「parrot」
なんと英語でもそのまま、というか日本語以上にダイレクトに、「オウム」という単語1つで「鸚鵡返し」の意味を表すことができます。他動詞として「わけもわからずに真似る、繰り返す」という意味があるほか、名詞としても「言葉を真似る人」を表しますよ。
もしparrotを使わずに「鸚鵡返し」を表現したい場合は、repeat one’s word mechanically(機械的に繰り返す)としたり、blankly(ぼんやりと、何も考えずに)を用いたりしてもいいでしょう。
「鸚鵡返し」を使いこなそう
この記事では「鸚鵡返し」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「鸚鵡返し」のもととなった鳥のオウムは、元をたどればオーストラリアが原産で、日本には大化の改新の直後、647年に新羅(しらぎ)から伝わったのが最初だとか。その後、江戸時代には将軍や大名に飼育される鳥だったそうです。そんなに昔から日本人の生活に身近な鳥だったからこそ、言葉を繰り返すという習性も知られ、「鸚鵡返し」というだけでニュアンスまで伝わるようになったのでしょうね。
桜木先生のおっしゃった「ミラーリング」とは、相手の行動や言葉のパターンを観察して真似ること。家族や親しい友人同士だと、意識しなくてもいつの間に仕草や口癖が似てくることがあります。これをあえて意識的に取り入れると、共感を表すラポールが形成され、親しくなりやすかったり、会話がスムーズに進んだりというメリットがありますよ。
鸚鵡返しは嫌がられない程度に適切な場面で使いたいですね。