この記事では「気が滅入る」について解説する。

端的に言えば「気が滅入る」の意味は「元気がなくなる」です。「気が滅入る」ことは誰もが経験があるでしょうが、どんな場面で使えるかよく考えてみたい。

小学校教諭として言葉の授業を何度もしてきた「こと」と一緒に、「気が滅入る」の意味や使い方・類語・対義語などを見ていこう。

ライター/こと

元小学校教諭のwebライター。先生や子どもたちから「授業が分かりやすい!」との定評があった教育のプロだ。豊富な経験を活かし、どんな言葉も分かりやすく解説していく。

「気が滅入る」の意味と使い方

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では早速「気が滅入る」の意味と使い方を見ていきましょう。

「気が滅入る」の意味は「元気がなくなる」

「気が滅入る」の意味を辞書で確認します。

陰気で憂鬱 (ゆううつ) な気分になる。元気がなくなる。「病気がちで―・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気が滅入る」

「陰気」とは「天気・雰囲気・気分・気性などの、暗く、晴れ晴れしないさま」、「憂うつ」は「うっとうしくて気持が晴々しないこと。気がふさぐこと。」という意味。そのため「気が滅入る」は、何か嫌なことがあったり失敗して気分が落ち込んだりした時などによく使われる言葉です。

「気が滅入る」の使い方を例文で紹介

「気が滅入る」の使い方を例文で紹介します。

1.家にいる時間があまりに長いと、さすがに気が滅入る
2.そんなに悩んでいると気が滅入るから、今日はもう仕事を切り上げよう。
3.雨が続く梅雨の時期は気が滅入って仕方がない。

このように、いずれの例文も「気が滅入る」で憂うつな気分になっている様子をよく表しています。気持ちがふさいでしまういろいろな場面で、「気が滅入る」は使うことができるのです。

ちなみに似た言葉で「気が参る」があります。しかし「気が参る」という表現は一般的でなく、辞書にも載っていません。「参る」を使いたいのであれば「精神的に参る」などと言い変えるべきでしょう。

「気が滅入る」の語源は?

「気が滅入る」の語源を探っていきましょう。

「滅」と「入る」の意味からできた説

「滅」は「ほろびる、きえる」という意味です。それに「入る」が合わさって「消えていく、消えゆく」となります。そこに「気」が付いて「気持ちが消えていく、元気がなくなる」という意味の「気が滅入る」という慣用句になりました。

「める」が長音化した説

その他の説もあります。まずは元々「滅(め)る」という言葉だったのが「めいる」に長音化したという説です。また、「めり込む」の「める」が伸びて「めいる」になったとする説もあります。

「気が滅入る」時の対処法

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ここで「気が滅入る」時の対処法を少し考えてみました。

気分転換をする

1つ目は、気分転換をすることです。気分転換と言っても、その方法は人によってさまざま。外の空気を吸う・体を動かす・趣味に没頭する・ぐっすり眠るなど…。日常生活の中でできる簡単なことで、自分に合った方法を普段から知っておくのが大切です。そうすることでいざ気が滅入ってしまった時に、つらい気持ちをうまく発散させられると思います。

\次のページで「誰かに相談する」を解説!/

誰かに相談する

2つ目は、誰かに相談することです。自分一人で抱え込むばかりでは、気が滅入ったまま。悩みを共有すれば気持ちが楽になりますし、やる気も回復するものです。相談相手はあなたが信頼できる人を選んでください。友達や家族など心配してくれる仲間がいると知るだけで、嫌な気分だけではなく体調も改善します。どうしても気持ちが晴れない時は、専門家に相談する方法もありますよ。

「気が滅入る」の類語

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「気が滅入る」の類語を見てみましょう。

「肩を落とす」:気力を失ったり落胆したりするさま

まずは「肩を落とす」です。「力が抜け肩が垂れ下がったようになる。 気力を失ったり落胆したりするさま。」という意味があります。実際に肩を落としている場合もありますが、がっかりして気力を失っている様子を表した慣用句です。

「意気消沈する」:元気をなくす

次は「意気消沈する」です。「元気をなくすこと。しょげかえること。」という意味があります。「意気」は「気持ち・気概」、「消沈」は「気力などがなえるさま。」です。二つの熟語が合わさってできた言葉ですね。

「気が滅入る」の対義語

「気が滅入る」の対義語を見てみましょう。

「心が躍る」:心がわくわくする

まずは「心が躍る」です。「喜びや楽しい期待のために、心がわくわくする。」という意味があります。実際に心が躍ることはありませんので、例えからできた慣用句です。まさに「気が滅入る」と対照的な言葉ですね。

\次のページで「「胸が高鳴る」:心が浮き立つこと」を解説!/

「胸が高鳴る」:心が浮き立つこと

次は「胸が高鳴る」です。「願い、望みなどが叶うことを想像したり、期待したりして心が浮き立つこと、興奮すること」を描写する言い回しですね。「胸」が表しているのは、体の部位ではなく「心や気持ち」のこと。「高鳴る」という言葉で「嬉しさや楽しさで胸の鼓動が激しくなり、全身に響くような感じがすること」を表現しています。

ちなみに「気持ちが高まる」という表現はありますが、「胸が高まる」は誤用です。気を付けましょう。

「気が滅入る」の英語表現

「気が滅入る」の英語表現は、「depress」という動詞を使って表すことができます。「depress」は「意気消沈させる、憂鬱にする、不景気にさせる」などの意味がある単語。

まずは「feel depressed」です。これに「feel」を組み合わせ、「feel depressed」で「意気消沈する、気が滅入る」となります。たとえば「昨日は気が滅入った。」は「I felt depressed yesterday.」です。

また、be動詞と「ing」を使って「be depressing」としても良いでしょう。「気が滅入るような天気」は「the weather (that)is depressing」となります。

「気が滅入る」世の中で幸せを届けるということ

この記事では「気が滅入る」の意味や使い方・語源・類語・対義語などを説明しました。「気が滅入る」には「元気がなくなる」という意味がありましたね。語源から「滅」や「入」などそれぞれの漢字の持つ意味が、「気が滅入る」の言葉の意味に生きていることも分かりました。

ストレスが多い現在の社会では、多かれ少なかれ誰もが「気が滅入る」日々を過ごすことがあるでしょう。物質的には豊かなはずでも、見えない責任に緊張状態が続くこともあります。たくさんの情報が溢れて返り、逆に煩雑さが増している場合も。しかし私は、そんな中でも書くことを通して、皆様の充実した日々に貢献できるコンテンツの作り手でありたいと思ってます。「気が滅入る」世の中かもしれませんが、幸せをお届けできるメディアとしての可能性を諦めることはないでしょう。

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国語言葉の意味

「気が滅入る」の意味は?憂うつな状態を表す言葉の使い方や語源・類語・対義語などを元小学校教諭がわかりやすく解説

この記事では「気が滅入る」について解説する。

端的に言えば「気が滅入る」の意味は「元気がなくなる」です。「気が滅入る」ことは誰もが経験があるでしょうが、どんな場面で使えるかよく考えてみたい。

小学校教諭として言葉の授業を何度もしてきた「こと」と一緒に、「気が滅入る」の意味や使い方・類語・対義語などを見ていこう。

ライター/こと

元小学校教諭のwebライター。先生や子どもたちから「授業が分かりやすい!」との定評があった教育のプロだ。豊富な経験を活かし、どんな言葉も分かりやすく解説していく。

「気が滅入る」の意味と使い方

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では早速「気が滅入る」の意味と使い方を見ていきましょう。

「気が滅入る」の意味は「元気がなくなる」

「気が滅入る」の意味を辞書で確認します。

陰気で憂鬱 (ゆううつ) な気分になる。元気がなくなる。「病気がちで―・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気が滅入る」

「陰気」とは「天気・雰囲気・気分・気性などの、暗く、晴れ晴れしないさま」、「憂うつ」は「うっとうしくて気持が晴々しないこと。気がふさぐこと。」という意味。そのため「気が滅入る」は、何か嫌なことがあったり失敗して気分が落ち込んだりした時などによく使われる言葉です。

「気が滅入る」の使い方を例文で紹介

「気が滅入る」の使い方を例文で紹介します。

1.家にいる時間があまりに長いと、さすがに気が滅入る
2.そんなに悩んでいると気が滅入るから、今日はもう仕事を切り上げよう。
3.雨が続く梅雨の時期は気が滅入って仕方がない。

このように、いずれの例文も「気が滅入る」で憂うつな気分になっている様子をよく表しています。気持ちがふさいでしまういろいろな場面で、「気が滅入る」は使うことができるのです。

ちなみに似た言葉で「気が参る」があります。しかし「気が参る」という表現は一般的でなく、辞書にも載っていません。「参る」を使いたいのであれば「精神的に参る」などと言い変えるべきでしょう。

「気が滅入る」の語源は?

「気が滅入る」の語源を探っていきましょう。

「滅」と「入る」の意味からできた説

「滅」は「ほろびる、きえる」という意味です。それに「入る」が合わさって「消えていく、消えゆく」となります。そこに「気」が付いて「気持ちが消えていく、元気がなくなる」という意味の「気が滅入る」という慣用句になりました。

「める」が長音化した説

その他の説もあります。まずは元々「滅(め)る」という言葉だったのが「めいる」に長音化したという説です。また、「めり込む」の「める」が伸びて「めいる」になったとする説もあります。

「気が滅入る」時の対処法

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ここで「気が滅入る」時の対処法を少し考えてみました。

気分転換をする

1つ目は、気分転換をすることです。気分転換と言っても、その方法は人によってさまざま。外の空気を吸う・体を動かす・趣味に没頭する・ぐっすり眠るなど…。日常生活の中でできる簡単なことで、自分に合った方法を普段から知っておくのが大切です。そうすることでいざ気が滅入ってしまった時に、つらい気持ちをうまく発散させられると思います。

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