

管外液や管内液という用語は、医療・看護の分野で使われるようだな。
細胞外液であるこの3種類の体液には、切っても切れない関係があります。なぜならば、それぞれがもとは”同じもの”だからなんです。
組織液がどこからきて、どこへ行くのか、その流れを追ってみましょう。
組織液と血しょう、リンパ液の関係
私たちのからだ中をめぐる体液といえば、血液でしょう。血液は、赤血球・白血球・血小板という有形成分と、無形成分(液体成分)である血しょうからなります。
血しょうの主成分は水ですが、そこに糖類や脂質、無機塩類、タンパク質などが溶け込んだ、複雑な液体です。
細胞の栄養源となるブドウ糖や、細胞の機能を制御するホルモン、病原体に抵抗するための抗体も、この血しょうによって運ばれます。また、酸素を運搬する赤血球も、血しょうの流れに乗って全身へ輸送されるわけです。

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細胞にとって重要な物質を輸送する血しょうですが、それがずっと血管の中にしか存在しないのでは、からだのより内部の細胞にそれを受け渡すことができませんよね。
なんと、血しょうは血管の壁からしみ出し、血管の外側にある細胞へ成分を届けるのです。こうして細胞間に存在するようになった液体が「組織液」と呼ばれることになります。

「血しょう=組織液」なのか?
正確にいえば、少し違います。存在する場所が違うのはもちろんですが、もともとの血しょうに含まれている成分全てがしみ出して組織液になるわけではないのです。たとえば、血しょう中のタンパク質の多くは血管内に残り、組織液側には含まれません。
それでも、含まれている無機塩類(イオン)の組成や割合はよく似ています。完全に同じもの(成分)とは言えないですが、高校レベルの生物学であれば「ほぼ同じ」と考えておいても良いかもしれませんね。
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