この記事では「どこ吹く風」について解説する。

端的に言えば、どこ吹く風の意味は「知らん顔をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「どこ吹く風」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「どこ吹く風」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「どこ吹く風」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「どこ吹く風」の意味は?

「どこ吹く風」には、次のような意味があります。

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「何処(どこ)吹く風」

「どこ吹く風」のどこは漢字で「何処」「何所」です。「いずこ」と読むこともあります。意味は、どの場所、どの部分、どんなところのほか、どのような程度、どのような段階、どれ程など。

つまり、「どこ吹く風」は、自分とはまったく関係も関心もないように、知らん顔をする、人の言動や忠告をまったく無視する様子、といった意味を持つ慣用句・ことわざです。

「どこ吹く風」の語源は?

次に、「どこ吹く風」の語源を確認しておきましょう。

この言葉の由来は、どこを風が吹いているのか自分の知るところでないという意味から来ています。

「風」は、人に影響を与えるもののたとえであり、使い方としては「風の吹き回し」「風当たりが強い」「世間の冷たい風」などです。

\次のページで「「どこ吹く風」の使い方・例文」を解説!/

「どこ吹く風」の使い方・例文

「どこ吹く風」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.両親や先生の心配をよそに、その受験生はどこ吹く風だった。
2.何度注意されても、前後に座る多くの日本からの出席者は皆、どこ吹く風という表情だった。
3.上司から忠告を受けても、どこ吹く風といつも聞き流している。
4.卒業試験を前にして、就職が決まった一部の若者はすでにどこ吹く風で、のうのうと毎日を過ごしている。

それでは、それぞれの例文について、解説します。

例文1は、聞く耳を持たない、という意味。そして、例文2は、自分とは関係がない、無関心といった意味合いです。

例文3も、関心がないからスルーするという意味として表現されています。例文4も、目の前のことを無視しているという使い方です。

「どこ吹く風」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

次に、「どこ吹く風」について、類義語(類語)やそれぞれの用語の違いなどを見ていきます。

類義語として主に挙げられるのは、受け流す、聞き流す、無視する、知らん顔する、気に留めない、右から左に聞き流す、スルーする、知らん振りする、我関せずの、我関せず焉、眼中にない、距離を置くなど。

その1「受け流す」

「受け流す」は、ほどよくあしらって相手の攻撃をかわす、さりげなくあしらう、真剣に取り合わずに話を逸らす、という意味です。また、切り込んできた刀を軽く受けて他にそらすという意味も。

「どこ吹く風」との違いは、「受け流す」の場合は知らん顔まではしていない、といった状況です。

\次のページで「その2「右から左に聞き流す」」を解説!/

その2「右から左に聞き流す」

「右から左に聞き流す」の意味、簡単に言うと、相手にしないことです。

まず、「右から左」という言葉そのものが、手元にとどまらない状況や話を聞き入れない様子という意味。人の話に聞く耳を持たない場合に使われます。

「どこ吹く風」との違いは、これも知らん顔、完全にスルーするまでではない、ただ結局、話を聞いていない点では同じです。

その3「我関せず焉」

「我関せず焉」の意味は、我関せずと同じ。自分には関係がない、その物事にはまったく関心がなくて超然としている様子など。

この「焉」(えん)は、漢文において、断定の意味を表す助辞です。この言葉に関しては、「どこ吹く風」との違いは、ほぼないと言えます。

「どこ吹く風」の対義語は?

続いて、「どこ吹く風」の対義語について。

この「どこ吹く風」の対義語は、特にないようです。辞書や辞典で調べても、インターネットで検索しても出てきません。

ただ、類義語の「我関せず」の対義語として、「面倒を見る」が考えられます。これが対義語と言えるかもしれません。また、「無視する」の対義語は、「尊重する」です。

「どこ吹く風」の英訳は?

image by iStockphoto

さらに、「どこ吹く風」の英訳も、確認しておきましょう。

「どこ吹く風」を英語に訳すと、主に、showing no concern at allbeing not at all bothereddevil-may-care attitude などです。

その1「showing no concern at all」

「どこ吹く風」の英訳、その1つである「showing no concern at all」について解説します。

no one at all で、なんびとたりとも、という意味。concern は「関心」ですから、直訳すると、関心がないように見える、です。

似たような表現に、of no concern at all があります。この意味は、痛くも痒くもない、です。

 

その2「devil-may-care attitude」

続いて、「devil-may-care attitude」についても、確認しておきます。

devil may care は、無頓着である、という意味。attitude は、態度です。つまり、向こう見ずの態度、という意味になり、「どこ吹く風」と通じます。「devil」はずばり、悪魔です。厄介者という意味でも用いられます。

それでは、例文を見ていきましょう。

\次のページで「「どこ吹く風」を使いこなそう」を解説!/

・My advice feel on deaf ears as far as she is concerned.

私の忠告にどこ吹く風という顔をしている。

・The man appears to be taking no notice to be compeletly ignoring my advices.

私の忠告にその男性はどこ吹く風といった表情だ。

・look quite unconcerned / pretend to be quite unconcerned

どこ吹く風

「どこ吹く風」を使いこなそう

この記事では、「どこ吹く風」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「どこ吹く風」は、類義語である「我関せず」とほぼ同様で、「関心がない」「忠告を聞かない」「スルーする」といった意味です。

「風」は自然に吹く風でなく、人間に対して影響を与えるものという意味のたとえであることも、覚えておきましょう。

" /> 【慣用句】「どこ吹く風」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「どこ吹く風」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「どこ吹く風」について解説する。

端的に言えば、どこ吹く風の意味は「知らん顔をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「どこ吹く風」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「どこ吹く風」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「どこ吹く風」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「どこ吹く風」の意味は?

「どこ吹く風」には、次のような意味があります。

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「何処(どこ)吹く風」

「どこ吹く風」のどこは漢字で「何処」「何所」です。「いずこ」と読むこともあります。意味は、どの場所、どの部分、どんなところのほか、どのような程度、どのような段階、どれ程など。

つまり、「どこ吹く風」は、自分とはまったく関係も関心もないように、知らん顔をする、人の言動や忠告をまったく無視する様子、といった意味を持つ慣用句・ことわざです。

「どこ吹く風」の語源は?

次に、「どこ吹く風」の語源を確認しておきましょう。

この言葉の由来は、どこを風が吹いているのか自分の知るところでないという意味から来ています。

「風」は、人に影響を与えるもののたとえであり、使い方としては「風の吹き回し」「風当たりが強い」「世間の冷たい風」などです。

\次のページで「「どこ吹く風」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: