「箸にも棒にもかからない」の使い方・例文
「箸にも棒にもかからない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.「これと言って何もない、箸にも棒にもかからないあんたが、就職ランキング上位の大手人気企業に転職できるなんて本気で思っているのかい。相手にしてもらえるはずがないだろう」と母に言われて落ち込んだ。
2.「こんな箸にも棒にもかからない企画で我が社のイメージを世間に伝えることができると思ったのか。もっと顧客の気持ちを考えた企画書を作って、提出し直せ」と上司にやり直しを命じられた。
3.最近我が家で飼い始めたアカハライモリを主人公にアニメを制作し、ネットサービスを利用して配信してみた。自分では良い作品に仕上がったと思たが、箸にも棒にもかからない作品だったようだ。
例文1 「箸にも棒にもかからない」は「能力も取り柄(とりえ)も何も無い」…要するに「セールスポイントが何も無い」という意味です。若いと何となく「上手くいくさ」と思ってしまいがち。そうして失敗してしまうこともしばしば。でも失敗は成長過程で必要なものです。
例文2 イメージは会社にとって非常に大切なもの。会社のイメージの良し悪しはその会社の利益に直結します。そんなに大切な会社のイメージに関わる企画に関して「箸にも棒にもかからないひどいものもの」と厳しくなるのは当然のことでしょう。ものが溢れている現代、価格だけで勝負はできません。
例文3 写真、色鉛筆画、アニメーション…世界に自分の作品を発信することはもう難しいことではありませんね。しかしそんな中で自分の作品が世界の人々の目に留まることは簡単ではありません。自分では傑作だと思っても、「しょうもない作品」と思われてしまうことなど珍しいことではないのです。
「蓼酢でもいけぬ」
「この味付け…どう?」「うん!これはいける!」
最近ではあまり聞かれなくなりましたが、この「いける」は「美味しい」という意味です。お酒が強い人に「きみ、いける口だね」と言ったりもしますね。この「いける」は「どんどん行ける(進む)」という意味。「(美味しいから)お箸が進む」「(お酒が強いから)どんどん呑み進むことができる」という意味の「いける」です。
「蓼酢」は「蓼」という植物の葉をすりつぶしたものとお酢を合わせた調味料。さわやかな辛味が特徴です。真夏、食欲がない時でも辛味が効いた冷麺やワサビを効かせたざるそばは食べることができますよね。そんな辛味をもった蓼酢を添えても「いけぬ(食が進まない)」ものは余程クセがあり、扱いにくい食材ということになります。
ここから「蓼酢でもいけぬ」は「扱いにくい」「一筋縄ではいかない」という意味で用いられるようになりました。「箸にも棒にもかからない」は「能力がない」という意味合いが強いのに対し、「蓼酢でもいけぬ」は「扱いにくい」という意味合いが強いことわざです。
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