
「満更でもない」の使い方・例文
「満更でもない」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.道子さんはまんざら吉田君が嫌いではないらしいわ。ことわざにもあるように恋愛感情と羞恥心は比例するの。相手にされなくてもくじけちゃだめよ。
2.人に先生と呼ばれるのはまんざら悪い気はしないな。小説家デビューして自分の本が刊行され書店に並ぶ日をこれまでどれほど夢に見たことか。
3.夫の手料理はまんざら捨てたものでもない。しかし得意満面な語り口が気に食わない。
4.最初部長は謙遜して断っていたが、仲人を頼まれてまんざらでもなさそうだ。
例文1~3は述語にかかる修飾語の用法、例文4は「まんざでもない」の形で形容詞を作る用法です。また、例文1~3は好ましくないものを打ち消すことによって、結果的にとても好ましいという判断を話者が下しているというニュアンスで、話者の納得の暗示を伴いますよ。

程度がやや高い様子を表す語に「わりと」がある。かなりくだけた表現で主に若い人が日常会話中心に用いるぞ。ふつう好ましい状態の程度がやや高いという意味で用いられ、好ましくない状態の程度についてはあまり用いない。また、特に比較の対象を明示しないことが多く、話者の主観として対象の程度がやや高いと評価している冷静さが暗示されるぞ。標準的には「わりあい」「わりに」を用いる。覚えておこう。
その1「かならずしも」
「かならずしも」は後ろに打消しの表現を伴って例外を認める様子を表します。「優秀な学者がかならずしも優秀な教師ではない」や「ぼくは彼の意見にかならずしも賛成というわけではない」などのように打消しの表現を伴う述語にかかる修飾語になりますよ。前者が基本的な用法で、「優秀な学者はすべて優秀な教師だ」という法則はいつも成り立つわけではないという意味です。後者はこれから一歩進んで部分否定を表し、全面的に賛成とは言えない反対の部分もあるという意味。とても客観的な表現で例外を認める根拠を明示しなくてもよいです。「かならずしも」は「あながち」や「満更でもない」に似ていますが、「あながち」は話者がいろいろの条件を考慮した上で、断定するのがはばかられる譲歩の気持ちを明示しますし、「満更でもない」は話者の納得を暗示するでしょう。
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