
端的に言えば「差し当たり」の意味は「この場合、今のところ、当面、突然」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「差し当たり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「差し当たり」の意味は?
「差し当たり」には、次のような意味があります。
(多く副詞的に用いて)先のことはともかく、今のところ。今しばらくの間。
出典:コトバンク
「差し当たり」は将来のことは考慮に入れずに現在の状況に対応する様子を表します。話者が現在の状況はどうかと内省している様子を表し、とても冷静で客観的な表現になっていますよ。ただし「差し当たり」が示す現在とは現時点から未来に向かってやや幅がある時間を表し、現時点そのものを指すのでない点で「目下」「当面」と異なります。したがって「彼はさしあたり試験勉強で必至だ」「さしあたっての問題をまず解決する」は誤用で、正しくは「彼は目下試験勉強で必至だ」「当面の問題をまず解決する」とそれぞれ表現しますよ。
「差し当たり」の語源は?
次に「差し当たり」の語源を確認しておきましょう。「差し当たり」は「差し当る」から派生した言葉。それでは「当」の漢字の成り立ちについて説明しますね。「当」は田んぼをあらわす「田」と、見合う意味の音を示す「尚」とを合わせた字。田んぼの広さに見合った金額のことから、「つりあう」「あたる」の意味を表します。
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