「至る所」の使い方・例文
「至る所」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.一人暮らしをしている部屋の窓からは土手のいたるところにタンポポが咲いているのが見えた。いつの間にか空一面が夕焼け色に染まり、僕は故郷のみんなの顔を思い浮かべた。
2.その有名な芸能人はいたるところでファンから熱烈な歓迎を受けてビジネススマイルをふりまいていた。
3.五月の連休はいたるところ観光客でいっぱいだろうから、久しぶりにふるさとに帰って親を安心させてやろう。
4.先生は人間いたるところ青山ありだから、大志を抱き決して振り返らず、あなた自身の人生を生きなさいと説いた。
例文1からは引っ越してきたばかりの学生が春の風景を目の当たりにして、ふるさとを懐かしんでいる様子が伝わってきますし、例文2は誰もが知っている国民的俳優の人気ぶりが伺えます。また、例文3からはわざわざ混雑している場所は避けて、実家でゆっくりしようという考えが伝わってきますね。さらに例文4は名句で、人間はどんなところででも人生の終焉を迎えられるものだという意味です。このように「至る所」は述語にかかる修飾語として用いられますよ。
その1「どこも」
「どこも」は後ろに打消しや否定の表現を伴って、任意の場所を否定する様子を表します。「検査の結果は別にどこも悪くありませんよ」や「大学は四つ受けたが、どこも合格しなかった」などのように打消しや否定の表現を伴う述語にかかる修飾語になりますよ。たった一カ所さえ存在しないというニュアンスで、すべての場所をまとめて否定するのではなく、一つ一つの場所について確認した上で否定するニュアンスで用いられます。客観的な表現で特定の感情を暗示しません。行為の場所を否定する場合には「どこでも」に、存在の場所を否定する場合には「どこにも」に、方向を否定する場合には「どこへも」に似ていますが、「どこも」はこれらよりくだけた場面で用いられるでしょう。なお「至る所」との違いは「至る所」は該当するすべての場所を表すという点です。
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