この記事では「何はともあれ」について解説する。「何はともあれ」は、意味も分かりやすいし理解の簡単な言葉です。ただ、どうしても必要といえるほどの場面は少なく、削られがちでもある。いまいち知名度が高くないのはそういう理由も大きいな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「何はともあれ」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「何はともあれ」の意味とは?

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「何はともあれ」の意味は以下の通りです。

ほかの事はどうであろうとも。ともかく。

出典:goo辞書「何はともあれ」

「何はともあれ」とは、「他のことはどうであろうとも」という意味です。意味を見ればわかりますが、主に状況が混乱していたりする際に使われやすい言葉になります。

「他のことはどうであろうとも」ということは、つまり今から述べようとしていること以外にも、何か重要なことがあるのです。それはわかっていますが、それでも一旦その件については忘れてしまう。そして、今から述べようとすることに集中する、という意味になります。

自分と他人で印象の変わる「何はともあれ」

「何はともあれ」は、自分に対して使用する際と、他人に対して使用する際で印象が変わる言葉です。他人に対して「何はともあれ」を使用すると、意味としては「もろもろの事情はさておき、今はとにかく自分が述べることを聞いてくれ」ということになります。

対して、自分に対して「何はともあれ」を使用する際は、意識がなかなか切り替えられていない場合が多いです。つい他のことに気を取られてしまいがちだが、このままでは重要なことを見失いそう。そういうときに「何はともあれ」と自分に言い聞かせ、思考をはっきりさせるという文脈がよく見受けられます。

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「何はともあれ」ってどう使う?

「何はともあれ」は以下のように使用します。

1.「何はともあれ」この方法は駄目だとわかった。別の手段を考えよう。
2.落ち着いて。「何はともあれ」、答えとまではいかなくてもヒントは手に入ったのだから。
3.その他のことは、「何はともあれ」片付いたんだ。あとは、本題のこの問題だけだ。

1、2を見るとわかりますが、「何はともあれ」は文章の頭に来るパターンが非常に多い言葉です。「他のことはさておき、今から述べることに集中して」という意味であるため、言うなれば本題に対する前置きの役割を持つ言葉と言えます。

逆に、文末に「何はともあれ」が出てくることはほとんどありません。文末の場合は大抵意味の付け加えのような、補助の役割です。極端なことを言ってしまうと、「何はともあれ」とは仮になくなったとしても成立する言葉と言えます。本題に対する前置きであり、本題ではないためです。

こういう場面で「何はともあれ」は使える?

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「何はともあれ」は、改まった場面で使用するにあたって戸惑う人の多い言葉です。言い回しとして非常に口語に近いため、「日常でくだけた言葉で話しているのと同じようなものでは?」という印象を自ら覚えてしまい、使用をためらってしまうのでしょう。

確かに「何はともあれ」は話し言葉に近い言い回しです。しかし結論から言うと、取り立てて場面を選ぶ言葉ではありません。

目上の人への「何はともあれ」

目上の人に対しての「何はともあれ」の使用は、結論から言うと言葉遣いとして特に問題が生まれるわけではありません。ただし、問題が無いのはあくまで言葉遣いの話であり、意味上は問題になってしまうケースもあります。

前述しましたが「何はともあれ」とは、「他のことはともかく」という意味です。そのため他人に向かって言う際は、多かれ少なかれ「私の事情に着目してください」というニュアンスが入ります。つまり転じて「あなたが今考えていることは一度無視してください」と述べているようなものなので、使わない方が無難であるという考え方はある程度正しいと言えるでしょう。

ビジネスにおける「何はともあれ」

ビジネス全般においても、「何はともあれ」とはそれほど無礼な言い回しというわけではありません。しかし、無礼かそうでないかという問題以前に、ビジネスシーンにおいては「無駄が多い」という点であまり好ましくない言葉ではあります。

前述したように、「何はともあれ」とは本題に入る前の前置き的役割が強い言い回しであるため、なくても良いという考え方ができるのです。もちろんあったからといって本題の内容が大きく変わるわけではないため、あっても構いません。しかしビジネスのシーンにおける文章とは、「削除して良い部分は省く」という行為によってシンプルにかつ分かりやすくなっていきます。そのため、「そもそも使わない方が無駄が少ない」という考え方も間違いとは言い切れないのです。

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「何はともあれ」の類義語には何がある?

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上記のトピックですでにしばしば出ていますが、「何はともあれ」の類義語は「ともかく/とりあえず/さておき/いずれにしろ/ひとまず」などが該当します。いずれもいろいろな要素が同時に発生している中で、今から述べることに着目が必要と判断した際に使用される言葉です。

上記の言葉はどれも、意味合いとしてはほぼ同様であり簡単に置き換えできます。ただし言葉遣いとしては差が大きく、「いずれにしろ」などの言葉はビジネスシーンでも十分使用できますが、改まった場で「とりあえず」などと言ってしまうと不適切な印象です。

「ともあれ」って「何はともあれ」と同じ?

「ともあれ」という言い回しがありますが、これは「何はともあれ」とまったく同様です。「何はともあれ」の「何は」とは、具体的な何かを指すわけではなく、無数にあるいろいろなことを指しています。「ともあれ」はこの部分が無くなっていますが、消えたというよりは省略されただけであり、ニュアンスが変化したわけではありません。

なお、「何はともあれ」と検索すると、「ともあれ」の検索結果が表示されます。しかし意味は共通であるため、「ともあれ」という言葉を調べても同じ結果に繋がるのです。

忙しい日々に「何はともあれ」

「何はともあれ」とは前置き的な役割を背負っていると前述しました。そのためビジネスシーンでは、余分な言葉として削除の対象となります。しかし、プライベートでは「何はともあれ」とは重要な効果を発揮する言葉なのです。

情報化社会になるにつれ、私達は少し前と比べ物にならないような量の情報にさらされながら生きることになりました。情報が増えたというのはもちろん悪いことではないですが、ときおり人の心にストレスを与え、急かしてしまします。そのような状況の中での「何はともあれ」は、本題を見失わないこと。目の前のことからひとつひとつ考えていくこと、という方向に思考を誘導してくれるでしょう。

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大切なものを浮き彫りにする?「何はともあれ」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「何はともあれ」について解説する。「何はともあれ」は、意味も分かりやすいし理解の簡単な言葉です。ただ、どうしても必要といえるほどの場面は少なく、削られがちでもある。いまいち知名度が高くないのはそういう理由も大きいな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「何はともあれ」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

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元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「何はともあれ」の意味とは?

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「何はともあれ」の意味は以下の通りです。

ほかの事はどうであろうとも。ともかく。

出典:goo辞書「何はともあれ」

「何はともあれ」とは、「他のことはどうであろうとも」という意味です。意味を見ればわかりますが、主に状況が混乱していたりする際に使われやすい言葉になります。

「他のことはどうであろうとも」ということは、つまり今から述べようとしていること以外にも、何か重要なことがあるのです。それはわかっていますが、それでも一旦その件については忘れてしまう。そして、今から述べようとすることに集中する、という意味になります。

自分と他人で印象の変わる「何はともあれ」

「何はともあれ」は、自分に対して使用する際と、他人に対して使用する際で印象が変わる言葉です。他人に対して「何はともあれ」を使用すると、意味としては「もろもろの事情はさておき、今はとにかく自分が述べることを聞いてくれ」ということになります。

対して、自分に対して「何はともあれ」を使用する際は、意識がなかなか切り替えられていない場合が多いです。つい他のことに気を取られてしまいがちだが、このままでは重要なことを見失いそう。そういうときに「何はともあれ」と自分に言い聞かせ、思考をはっきりさせるという文脈がよく見受けられます。

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