国語言葉の意味

「一顧だにしない」の意味や使い方は?例文や類語を元国語科教員がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「一顧だにしない」について解説する。

端的に言えば一顧だにしないの意味は「少しも考えないこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員のminを呼んだ。一緒に「一顧だにしない」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターを目指して勉強中。

「一顧だにしない」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 70868405

それでは早速「一顧だにしない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「一顧だにしない」の意味は?

「一顧だにしない」には、次のような意味があります。

一顧だにしない
読み方:いっこだにしない

わずかに振り返ってみることもしない。まったく顧みない。顧慮しない。歯牙にも掛けない。一顧の価値もないことを「一顧だに値しない」とも言う。

出典:実用日本語表現辞典

いっこだにしない」と読み、「ちょっと振り返ってみることもしない」など、簡単に言えば「無視をする」という意味であるとも言えます。

一顧」は「ちょっと振り返ってみること・考えてみること・注意を払うこと」という意味です。そこに「〜さえしない」という意味の「だにしない」という言葉がセットになって、こうした表現となっています。それぞれの言葉の詳しい意味については、次の語源のコーナーで説明していきますね。

「一顧だにしない」の語源は?

次に「一顧だにしない」の語源を確認しておきましょう。

一顧」の意味は先ほども説明しましたが、さらに詳しく見ていきます。「」という漢字は「後方や過去を振り返る」という意味を持った漢字で、「顧みる(かえりみる)」とも読む言葉です。「もう一度来て見る」「背後を振り向く」の意味の他に、「回想する」「反省する」「気に掛ける」「心配する」などの意味で使われます。

次に「だに」ですが、「〜さえ」「〜すら」という意味の副助詞です。基本的には下に打ち消しの言葉を伴って「〜さえ(すら)しない」という形で用いられます。古文を勉強している方は「打ち消しを伴う呼応表現」として学習しているかもしれませんね。

つまり、これらの語がセットになることで「一顧だにしない」は「ちょっと振り返ってみることもしない」「わずかですら考えたり注意を払ったりしない」という意味になっているのです。

\次のページで「「一顧だにしない」の使い方・例文」を解説!/

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