
日本独自の大衆文化の発達

日本の大衆文化は、西欧の影響を受けて変容している点も多数。しかし、独自のものもあります。のちに大衆文化の日本らしさが海外で人気となり、日本に興味を持つ外国人が急増するという現象も。日本を世界にアピールすることにも貢献しています。
演歌は古き日本人の心を歌う大衆文化
演歌の起源は19世紀末の自由民権運動の時代。藩閥政府に反発する人々が政治を風刺する演説歌を歌い始めました。自由民権運動が沈静化すると商業化していきます。初期の演歌歌手は、コンサートをするような立場ではなく、盛り場で「流し」をしながら生計を立てるなど、不安定な身分でした。
演歌が大衆文化として根付くきっかけとなったのがレコードの普及。お座敷の要素を取り入れた日本調のものと、西洋のブルースやジャズの要素を取り入れた洋楽調のものが、レコードを通じて大衆に広まります。1950年代ごろから、田舎を懐かしむもの、男女の恋愛を艶っぽく歌うもの、男や女の性を歌うものなど、テーマも広がりを見せていきました。
マンガやアニメは世界に影響を与える
現代の世界で日本の大衆文化と認識されているのがマンガやアニメ。ドラえもんやドラゴンボールは世界各国で翻訳出版されました。最近のものでは、ワンピースやセーラームーンも広く知られています。
さらには、テレビ放送に加えて動画配信を通じて、日本のマンガやアニメの情報が発信されるように。日本では一部の人しか知らないようなマニアックな作品の認知度もあがっています。その延長上で、アニメのコスプレを楽しむ外国人も増加。日本のオタク文化は今もなお世界に影響を与え続けています。

マンガやアニメは今やグローバルな大衆文化。国境を超えて楽しめれる存在となっている。音楽については韓国のほうが世界的に勢いがある。日本も世界的大ヒット曲を生み出して欲しいと思うな。
インターネット時代の大衆文化の行方は?
ここでポイントとなるのがインターネット時代の到来。あらゆるところで情報にアクセスできるため、大衆文化のキーワードとなる「同時に多数の人が享受する」状況が生まれにくくなっています。世代間のギャップもさらに拡大。現代社会を学ぶときは、過去だけではなく未来のことも視野に入れて考えてみるとさらに興味深いと思います。