この記事では「泥のように眠る」について解説する。

端的に言えば「泥のように眠る」の意味は「ぐっすりと深く眠る」です。それにしても、なぜ「泥」なのか不思議だと思わないか?

小学校教諭として言葉の授業を何度もしてきた「こと」と一緒に、「泥のように眠る」の意味や使い方・語源・類語などを見ていこう。

ライター/こと

元小学校教諭のwebライター。先生や子どもたちから「授業が分かりやすい!」との定評があった教育のプロだ。豊富な経験を活かし、どんな言葉も分かりやすく解説していく。

「泥のように眠る」の意味と使い方

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では早速、ことわざ「泥のように眠る(どろのようにねむる)」の意味と使い方を見ていきましょう。

「泥のように眠る」の意味は「ぐっすりと深く眠る」

まずは「泥のように眠る」の意味を辞書で確認します。

正体もなく眠り込んでいるさまにいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「泥のように眠る」

「正体もなく」眠り込んでいるというくらい、ぐっすりと深い眠りに入っているということです。「正体がない」とは相当な眠り様ですよね。

「泥のように眠る」の使い方を例文で紹介

「泥のように眠る」の使い方を例文で紹介します。

・深夜に帰宅し、そのまま布団に倒れて泥のように眠っていた。
・いつの間にか泥のように眠っていたようで、気づけば夕方になっていた。
・週末は決まって泥のように眠ってしまうが、何とかならないだろうか。

このように、どの例文も深く眠り込んでいる様子を表しています。

「泥のように眠る」の語源は?

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「泥のように眠る」の語源を探っていきましょう。正体がないかのごとく深く眠っている様子を表すことわざですが、「泥」に「正体がない」というイメージはあまりありません。なぜ「泥」なのか気になるところです。

中国の言い伝えから来た言葉

「泥のように眠る」の語源は諸説あります。その一説が、中国の古書『異物志(いぶつし)』にでてくる「泥(でい)」という虫が関係しているとされているのです。「泥のように眠る」は中国の言い伝えから来た言葉ということですね。

中国では「泥(でい)」という想像上の生物が海の中に住んでいると言われていました。その生物は海の中では元気なのですが、海から外に出ると途端に動かなくなってしまいます。そこから、疲れ果てて眠り込んでしまう様子を「泥のように眠る」と表現するようになったということです。

意味は「でい」ですが、読み方は「どろ」が正解。間違えないように注意しましょう。

「泥酔」も同じ語源の言葉

同じ語源の言葉に「泥酔(でいすい)」があります。「泥酔」は「正体をなくすほど、ひどく酔うこと」です。「泥(でい)」という想像上の生物は骨がないことから、陸に上がると動かないだけではなく、泥(どろ)のように形を保てなくなります。「泥(でい)」のぐったりとして力が入っていない様子が、グテングテンに酔ってしまった様子を表す「泥酔」という言葉と同じですよね。

こちらは、語源の生物の名前のまま「泥(でい)」と読んでいますね。

似た言葉「泥のように寝る」「綿のように疲れる」

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似た言葉に「泥のように寝る」「綿のように疲れる」があります。それぞれ詳しく見てみましょう。

ちなみに「泥のように疲れる」は厳密には間違った使い方なので、注意が必要です。

「泥(どろ)のように寝る」:正体をなくした様子で眠るさま

「泥のように寝る」も正しい言葉です。「泥のように眠る」と同じように「正体をなくした様子で眠るさま」を例えた表現。 ただ「泥のように眠る」のほうがより一般的に用いられます。

\次のページで「「綿(わた)のように疲れる」:ひどく疲れてくたくたになる様子」を解説!/

「綿(わた)のように疲れる」:ひどく疲れてくたくたになる様子

「綿のように疲れる」という慣用句もあります。ひどく疲れてくたくたになる様子を表した言葉です。 自立できない柔らかい綿のように、疲れて立っていられない様子が言葉の由来になっています。「綿(めん)」ではなく「綿(わた)」と読むので、要注意です。

「泥のように眠る」の類語

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次は「泥のように眠る」の類語です。いろいろな用語があるので、覚えておくとぐっと表現力が上がりますよ。

「爆睡(ばくすい)する」「熟睡(じゅくすい)する」

「爆睡する」「熟睡する」はよく聞きますよね。日常会話の中でも頻繁に使われるのではないでしょうか。「爆」や「熟」の字で、眠る意味の「睡」を強める方法でできた言葉です。

「昏々(こんこん)と眠る」

「昏々と眠る」は「よく眠るさま。深く眠っているさま。」という意味です。「昏々」は「意識のはっきりしないさま。ぼんやりしているさま。」を表現しています。言葉の構成も似ていて、まさに「泥のように眠る」の類語として覚えやすいですね。

「夢路(ゆめじ)をたどる」

「夢路をたどる」は「夢を見る。心地よく眠る。」という意味の言葉です。ただ眠っているだけのような意味ですが、「泥のように眠る」と同じように深く眠るというニュアンスが込められています。

「白河夜船(しらかわよふね)」

「白河夜船」という四字熟語もあります。これは「知ったかぶりをすること。または、ぐっすり眠り込んで何が起こったか知らないこと」のたとえとして使われます。

京都の白河のことを聞かれた人が、白河を地名とは知らずに川の名と勘違いし「夜船で通ったから知らない」と答えたために、京都見物に出かけたという嘘がばれてしまった話に基づく言葉です。

どこか字面もきれいで、語源もおもしろいですよね。そのためか、小説や映画のタイトルにも使われています。ぜひ語源とともに、意味を覚えておくいいですよ。

\次のページで「「泥のように眠る」の英語表現」を解説!/

「泥のように眠る」の英語表現

「泥のように眠る」の英語表現を見てみましょう。

「sleep like mud」

まずは「sleep like mud」です。「mud」はそのまま「泥」という意味。最も端的で覚えやすい英語表現ですね。

「sleep like a log」

次は「sleep like a log」です。「 log」は「丸太・丸木」という意味。ログハウスなどのログですね。動かない様子を表しているのが良く分かります。

「sleep like a baby」

その他「sleep like a baby」もあります。 「baby」は「赤ちゃん」という意味。赤ちゃんのようにぐっすりと眠っていることを表しています。なんだか可愛らしい表現です。

「泥のように眠る」生活は考え物!良い睡眠で学習効率を上げよう。

この記事では「泥のように眠る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「泥のように眠る」の「泥」は泥遊びや泥だんごの「泥(どろ)」ではなく、「泥(でい)」という中国の空想の生物だったとは驚きでしたね。知っているつもりの言葉でも、語源をたどっていくと勘違いに気づくことも多いのが、言葉のおもしろいところです。

ところで、みなさんは「泥のように眠る」ことは普段ありますか?たまにそんな日があっても、日常的に「泥のように眠る」生活は考え物ですよ。体も頭も良い状態とは言えないでしょう。質の良い睡眠を取ることは、学習意欲や効率を上げることにダイレクトにつながります。この際、自らの睡眠や学習の状態を一度振り返ってみてもいいかもしれませんね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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国語言葉の意味

ことわざ「泥のように眠る」の意味は?語源は中国?意味や使い方・類語・英語表現を元小学校教諭がわかりやすく解説

この記事では「泥のように眠る」について解説する。

端的に言えば「泥のように眠る」の意味は「ぐっすりと深く眠る」です。それにしても、なぜ「泥」なのか不思議だと思わないか?

小学校教諭として言葉の授業を何度もしてきた「こと」と一緒に、「泥のように眠る」の意味や使い方・語源・類語などを見ていこう。

ライター/こと

元小学校教諭のwebライター。先生や子どもたちから「授業が分かりやすい!」との定評があった教育のプロだ。豊富な経験を活かし、どんな言葉も分かりやすく解説していく。

「泥のように眠る」の意味と使い方

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では早速、ことわざ「泥のように眠る(どろのようにねむる)」の意味と使い方を見ていきましょう。

「泥のように眠る」の意味は「ぐっすりと深く眠る」

まずは「泥のように眠る」の意味を辞書で確認します。

正体もなく眠り込んでいるさまにいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「泥のように眠る」

「正体もなく」眠り込んでいるというくらい、ぐっすりと深い眠りに入っているということです。「正体がない」とは相当な眠り様ですよね。

「泥のように眠る」の使い方を例文で紹介

「泥のように眠る」の使い方を例文で紹介します。

・深夜に帰宅し、そのまま布団に倒れて泥のように眠っていた。
・いつの間にか泥のように眠っていたようで、気づけば夕方になっていた。
・週末は決まって泥のように眠ってしまうが、何とかならないだろうか。

このように、どの例文も深く眠り込んでいる様子を表しています。

「泥のように眠る」の語源は?

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「泥のように眠る」の語源を探っていきましょう。正体がないかのごとく深く眠っている様子を表すことわざですが、「泥」に「正体がない」というイメージはあまりありません。なぜ「泥」なのか気になるところです。

中国の言い伝えから来た言葉

「泥のように眠る」の語源は諸説あります。その一説が、中国の古書『異物志(いぶつし)』にでてくる「泥(でい)」という虫が関係しているとされているのです。「泥のように眠る」は中国の言い伝えから来た言葉ということですね。

中国では「泥(でい)」という想像上の生物が海の中に住んでいると言われていました。その生物は海の中では元気なのですが、海から外に出ると途端に動かなくなってしまいます。そこから、疲れ果てて眠り込んでしまう様子を「泥のように眠る」と表現するようになったということです。

意味は「でい」ですが、読み方は「どろ」が正解。間違えないように注意しましょう。

「泥酔」も同じ語源の言葉

同じ語源の言葉に「泥酔(でいすい)」があります。「泥酔」は「正体をなくすほど、ひどく酔うこと」です。「泥(でい)」という想像上の生物は骨がないことから、陸に上がると動かないだけではなく、泥(どろ)のように形を保てなくなります。「泥(でい)」のぐったりとして力が入っていない様子が、グテングテンに酔ってしまった様子を表す「泥酔」という言葉と同じですよね。

こちらは、語源の生物の名前のまま「泥(でい)」と読んでいますね。

似た言葉「泥のように寝る」「綿のように疲れる」

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似た言葉に「泥のように寝る」「綿のように疲れる」があります。それぞれ詳しく見てみましょう。

ちなみに「泥のように疲れる」は厳密には間違った使い方なので、注意が必要です。

「泥(どろ)のように寝る」:正体をなくした様子で眠るさま

「泥のように寝る」も正しい言葉です。「泥のように眠る」と同じように「正体をなくした様子で眠るさま」を例えた表現。 ただ「泥のように眠る」のほうがより一般的に用いられます。

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