国語言葉の意味

【故事成語】「頭角を現す」の意味や使い方は?例文や類語を日本語研究家がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「頭角を現す」について解説する。

端的に言えば「頭角を現す」の意味は中国の故事がもとになった言葉で「才能が抜きんでて目立つ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

博士(文学)の学位を持ち、日本語を研究している船虫堂を呼んだ。一緒に「頭角を現す」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/船虫堂

博士(文学)。日頃から日本語と日本語教育に対して幅広く興味と探究心を持って生活している。生活の中で新しい言葉や発音を収集するのが趣味。モットーは「楽しみながら詳しく、わかりやすく言葉をご紹介」。中国の故事や古典は大人になってから面白いと思うようになった。

「頭角を現す」の意味や語源・使い方まとめ

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抜きんでた才能を持った人が周囲からひときわ目立っている状態のことを「頭角を現す」と言いますが、そもそも「頭角」とは何のことなのでしょうか。また、どのようにしてこの言葉が生まれたのでしょうか。「頭角を現す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「頭角を現す」の意味は?

「頭角を現す」の意味を明らかにするために、辞書から順に「頭角」、「頭角を現す」の項目を確認してみましょう。引用する辞書は小学館のニッコクこと『精選版日本国語大辞典』です。

とう‐かく【頭角】

〘名〙
1. 獣などの頭部にあるつの。また、広く、頭のさき。頭部。
※宝覚真空禅師録(1346)乾・山城州東山建仁禅寺語録「拈出東山暗号子、昂蔵頭角黄龍」 〔呉志‐張温伝〕
2. すぐれた才能・技能。→頭角を現わす。
※蕉堅藁(1403)悼端侍者「嶄々頭角少年見、殊域相逢情益饒」

出典:精選版日本国語大辞典(小学館)「頭角」より

とうかく【頭角】 を 現(あら)わす



すぐれた才能・技芸などをもち、人に抜きんでる。才覚が群を抜いてめだつ。

※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉六「嶄然として頭角を露(アラハ)し、老師皆その大成を期す」 〔韓愈‐柳子厚墓誌銘〕

 

出典:精選版日本国語大辞典(小学館)「頭角を現わす」より

辞書の記述により、まず「頭角」の意味が明らかになりました。「頭角」とはもともと動物などの頭にある角(つの)のことを表します。また、そこから転じて広義の解釈として頭の先、つまり頭頂部、さらには頭部そのものも表すことができるようです。

そして、「頭角を現す」の項目から、この言葉には「優れた才能を持った人が他から抜きんでて目立つ」という意味があることがわかりました。

ただ、まだもともと動物の角である「頭角」が用いられるようになったいきさつについては「精選版日本国語大辞典」には書かれていません。実はヒントは中国の故事にあるのです。続いては、この言葉が生まれた故事について迫っていきます。

\次のページで「「頭角を現す」の語源は?」を解説!/

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