
「蝶よ花よ」の使い方・例文
「蝶よ花よ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。このことわざは、たとえば以下のように用いられます。
1.彼は蝶よ花よと娘を育ててきた。その娘が就職することになりとても喜んでいる。
2.祖父母は私を蝶よ花よと育ててくれた。とても感謝している。
3.彼女は物事が思い通りに行かないとすぐに拗ねてしまう。蝶よ花よと育てられたのだろう。
「蝶よ花よ」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「愛情いっぱいに育ててきた娘が無事就職することが決まった場面」を示しています。かわいいわが子が立派な社会人になった喜びが感じられますね。例文2は「育ててくれた祖父母に感謝している場面」を説明しています。祖父母にとって大切な孫娘でしょうね。
例文3は「大切に育て過ぎためわがままな娘になってしまった様子」を表しています。思い通りに物事が進まないとほっぺたをぷーっと膨らませて拗ねてしまうでしょう。「蝶よ花よ」は例文1と2が示すように「ポジティブな意味」で使われることが多いですが、例文3のように「ネガティブな意味」でも使われていますよ。どちらの意味でも使いこなせるようになりたいですね。

「蝶よ花よ」は「ちやほや」の語源と考えられている。「ちやほや」とは「相手の機嫌を取る様子」の意。平安時代では「花や蝶や」、江戸時代では「蝶や花や」そして明治時代に今の「蝶よ花よ」になったとされている。この「蝶よ花よ」が省略されて「ちやほや」になったと考えられている。こちらも覚えておこう。
「箱入り娘」
「蝶よ花よ」の類義語には「箱入り娘」が考えられるでしょう。「箱入り娘」とは「めったに外に出さないようにするほど大切に育てられた娘」の意。江戸時代では大切な物は箱に入れて運び、保管していたとされています。このような習慣から派生して「箱入り娘」=「家からほとんど外に出さないようにするほど娘を宝物のように大切に育てること」を意味するようになったと考えられていますよ。
使い方を例文から学びましょう。例文1は「社長の娘はとても大切に育てられており礼儀正しいさま」を示しています。とても上品な娘であることが伝わってきますね。例文2は「彼女は社会のことを知らない一面がある様子」を表しています。例文1のように「プラスの意味」を示すこともありますが、例文2のように世間知らずという「マイナスな意味」で使われることもありますよ。どちらの意味で使われているのか文脈から判断しましょう。
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