この記事では「蝶よ花よ」について解説する。

端的に言えば「蝶よ花よ」の意味は「子供を非常にかわいがり大切にすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「蝶よ花よ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「蝶よ花よ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「蝶よ花よ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蝶よ花よ」の意味は?

「蝶よ花よ」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.子供を非常にかわいがり大切にするたとえ。多く女児にいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「蝶よ花よ」

ひらひらと舞う蝶や色鮮やかに咲き誇る花をイメージしてみましょう。「蝶よ花よ」とは「子どもをとてもかわいがり大切に育てること」の意。読み方は「ちょうよはなよ」です。特に、女の子に対して使われている表現ですね。「親が我が子を蝶や花のように美しく可憐なものとして大切に育てる」という意味を持っていますよ。「子どもを心から愛し大事に育てる」という「ポジティブな意味」で使用されることが多いですが、「過保護な様子」や「甘やかしている」という「ネガティブな意味」で用いられることもあります。両方の意味で使えるようになりたいですね。

「蝶よ花よ」の語源は?

次に「蝶よ花よ」の語源を確認しておきましょう。「蝶よ花よ」の由来はいくつかあります。今回は2つ解説しますね。1つ目は10世紀末に中宮となった関白藤原道隆の娘である定子が清少納言に詠んだ歌とされている説です。「みな人の花や蝶やといそぐ日もわが心をば君ぞ知りける」=「世間の人がみんな、花や蝶やといそいそと美しいものに浮かれる日もあなただけは私の本当の気持ちを知ってくれているのですね」という歌から生まれた表現だと考えられていますよ。

2つ目は浄瑠璃の「夏祭浪花鑑」のセリフだという説です。「乳母は〈略〉こなたの背長の延るのを蝶よ花よと楽しみて」というセリフの中から生まれたとも考えられていますよ。日本の伝統文化と深く関係していることわざであることが感じられますね。

\次のページで「「蝶よ花よ」の使い方・例文」を解説!/

「蝶よ花よ」の使い方・例文

「蝶よ花よ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。このことわざは、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は蝶よ花よと娘を育ててきた。その娘が就職することになりとても喜んでいる。

2.祖父母は私を蝶よ花よと育ててくれた。とても感謝している。

3.彼女は物事が思い通りに行かないとすぐに拗ねてしまう。蝶よ花よと育てられたのだろう。

「蝶よ花よ」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「愛情いっぱいに育ててきた娘が無事就職することが決まった場面」を示しています。かわいいわが子が立派な社会人になった喜びが感じられますね。例文2は「育ててくれた祖父母に感謝している場面」を説明しています。祖父母にとって大切な孫娘でしょうね。

例文3は「大切に育て過ぎためわがままな娘になってしまった様子」を表しています。思い通りに物事が進まないとほっぺたをぷーっと膨らませて拗ねてしまうでしょう。「蝶よ花よ」は例文1と2が示すように「ポジティブな意味」で使われることが多いですが、例文3のように「ネガティブな意味」でも使われていますよ。どちらの意味でも使いこなせるようになりたいですね。

「蝶よ花よ」の類義語は?違いは?

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「蝶よ花よ」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「箱入り娘」

「蝶よ花よ」の類義語には「箱入り娘」が考えられるでしょう。「箱入り娘」とは「めったに外に出さないようにするほど大切に育てられた娘」の意。江戸時代では大切な物は箱に入れて運び、保管していたとされています。このような習慣から派生して「箱入り娘」=「家からほとんど外に出さないようにするほど娘を宝物のように大切に育てること」を意味するようになったと考えられていますよ。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「社長の娘はとても大切に育てられており礼儀正しいさま」を示しています。とても上品な娘であることが伝わってきますね。例文2は「彼女は社会のことを知らない一面がある様子」を表しています。例文1のように「プラスの意味」を示すこともありますが、例文2のように世間知らずという「マイナスな意味」で使われることもありますよ。どちらの意味で使われているのか文脈から判断しましょう。

\次のページで「「蝶よ花よ」の対義語は?」を解説!/

1.社長の娘は箱入り娘で言葉遣いや身のこなしが上品だ。

2.彼女は箱入り娘で世間知らずの一面がある。

「蝶よ花よ」の対義語は?

「蝶よ花よ」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「可愛い子には旅をさせよ」

「蝶よ花よ」の対義語には「可愛い子には旅をさせよ」が考えられるでしょう。「可愛い子には旅をさせよ」とは「子どもがかわいければ、甘やかさず世の中の辛さを経験させたほうがよいこと」の意。子どもは親元を離れて一人で生活し、たくさんのことを経験をすることで成長できるものであるという意味を表していますよ。親元という安全な暮らしから離れて、知らない土地や馴染みのない場所で暮らすことが人間として大きく成長させるのでしょうね。

「蝶よ花よ」の英訳は?

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「蝶よ花よ」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる英単語をチェックしましょう。

「bring up ~like a princess」

「蝶よ花よ」の英語訳は「bring up ~like a princess」が考えられるでしょう。「bring up」は「育てる」の意。「like a princess」で「王女のように」という意味を示しています。直訳すると「王女のように大切に育てる」となり、「蝶よ花よ」の英語訳となるでしょう。使い方を例文から学びましょう。例文1は「彼女は娘をとても大切に育てた様子」を表しています。「bring up」はとても大切なイディオムです。これを機会に覚えておきましょう。

1.She has brought up her daughter like a princess.
(彼女は娘を蝶よ花よと育てた。)

\次のページで「「蝶よ花よ」を使いこなそう」を解説!/

「蝶よ花よ」を使いこなそう

この記事では「蝶よ花よ」の意味・使い方・類語などを説明しました。蝶が舞うように元気に走り回っている子どもたちの姿や花のようにかわいらしい笑顔の子どもたちに癒されることもあるでしょう。大切な子どもたちにはたくさんの経験を積んで素敵な大人に成長してほしいですね。

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【ことわざ】「蝶よ花よ」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「蝶よ花よ」について解説する。

端的に言えば「蝶よ花よ」の意味は「子供を非常にかわいがり大切にすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「蝶よ花よ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「蝶よ花よ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「蝶よ花よ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蝶よ花よ」の意味は?

「蝶よ花よ」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.子供を非常にかわいがり大切にするたとえ。多く女児にいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「蝶よ花よ」

ひらひらと舞う蝶や色鮮やかに咲き誇る花をイメージしてみましょう。「蝶よ花よ」とは「子どもをとてもかわいがり大切に育てること」の意。読み方は「ちょうよはなよ」です。特に、女の子に対して使われている表現ですね。「親が我が子を蝶や花のように美しく可憐なものとして大切に育てる」という意味を持っていますよ。「子どもを心から愛し大事に育てる」という「ポジティブな意味」で使用されることが多いですが、「過保護な様子」や「甘やかしている」という「ネガティブな意味」で用いられることもあります。両方の意味で使えるようになりたいですね。

「蝶よ花よ」の語源は?

次に「蝶よ花よ」の語源を確認しておきましょう。「蝶よ花よ」の由来はいくつかあります。今回は2つ解説しますね。1つ目は10世紀末に中宮となった関白藤原道隆の娘である定子が清少納言に詠んだ歌とされている説です。「みな人の花や蝶やといそぐ日もわが心をば君ぞ知りける」=「世間の人がみんな、花や蝶やといそいそと美しいものに浮かれる日もあなただけは私の本当の気持ちを知ってくれているのですね」という歌から生まれた表現だと考えられていますよ。

2つ目は浄瑠璃の「夏祭浪花鑑」のセリフだという説です。「乳母は〈略〉こなたの背長の延るのを蝶よ花よと楽しみて」というセリフの中から生まれたとも考えられていますよ。日本の伝統文化と深く関係していることわざであることが感じられますね。

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