この記事では「雨後の筍」について解説する。

端的に言えば「雨後の筍」の意味は「物事が相次いで起こること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「雨後の筍」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「雨後の筍」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雨後の筍」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雨後の筍」の意味は?

「雨後の筍」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.物事が相次いで現れることのたとえ

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雨後の筍」

竹林の中でぐんぐんと勢いよく伸びているたくさんの「筍」。今回は「筍」の特徴をうまく活用した「雨後の筍」ということわざをご紹介しましょう。「雨後の筍」とは「同じようなものごとが次々と現れていくことのたとえ」の意。読み方は「うごのたけのこ」です。「似たようなものごとが次から次へと起こる場面」を説明することわざですよ。「筍が成長していく過程の早さ」を「子どもの成長が早いこと」という間違った意味で使われていることが多い言葉です。正しい意味を理解し誤用に注意しましょう。

「雨後の筍」の語源は?

次に「雨後の筍」の語源を確認しておきましょう。「雨後の筍」の由来には「筍」の特性が深く関係しています。「筍」という漢字は「竹冠(たけけんむり)」に「旬(しゅん)」と書きますね。「旬」とは「10日間」の意。「筍」はたった10日ほどで「竹」へと成長してしまい、食べることができなくなってしまう成長の早い植物であることを漢字で示していますよ。

また、「雨が降った後はたくさんの筍がぐんぐんと成長していく様子」から派生して「雨後の筍」=「同じような物事が次から次へと出現するさま」を示すようになったと考えられていますよ。「雨後の筍」の語源と「筍」の特徴を学ぶことが出来ましたね。

\次のページで「「雨後の筍」の使い方・例文」を解説!/

「雨後の筍」の使い方・例文

「雨後の筍」の使い方を例文を使って見ていきましょう。このことわざは、たとえば以下のように用いられます。

1.テレビで紹介され人気を集めているスイーツ店が、雨後の筍のように全国各地に出店している。

2.隣町の駅前には雨後の筍のように次から次へと大きなマンションが建設されている。

3.まるで雨後の筍のように政治家の不祥事が続いており、毎日ニュース番組で取り上げられている。

「雨後の筍」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「メディアに取り上げられたスイーツ店がブームとなりあらゆる街でオープンしている場面」を示しています。似たようなスイーツ店が全国各地に広がっていることがイメージできますね。例文2は「隣町の駅前では大きなマンションの建設が次々と行われている光景」を説明しています。建設ラッシュであることが伝わってきますね。

例文3は「連日同じような政治家の不祥事が続いているさま」を表しています。例文1と2では「ポジティブな意味」で使われていますが、例文3のように「ネガティブな場面」を示すこともありますよ。使い方をマスターして下さいね。

「雨後の筍」の類義語は?違いは?

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「雨後の筍」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「矢継ぎ早」

「雨後の筍」の類義語には「矢継ぎ早」が考えられるでしょう。「矢継ぎ早」とは「立て続けに早く物事を行うこと」の意。読み方は「やつぎばや」です。「雨後の筍」と近い意味で「次から次へと物事を行うこと」を意味していますが、「矢継ぎ早」は「短時間で次々に早く物事が起こるというニュアンスが強い言葉」でしょう。

では、使い方を例文で確認しますね。例文1は「数学の授業で生徒が先生に立て続けに質問している場面」示しています。わからないことを分からないままにせず質問することは良いことですね。例文2は「サッカーの試合で息子のサッカーチームがロスタイムに次から次へとシュートを放った状況」を表しています。圧勝した場面が伝わってきますね。「雨後の筍」と「矢継ぎ早」のニュアンスの違いを味わってくださいね。

\次のページで「「雨後の筍」の対義語は?」を解説!/

1.彼は数学の授業で先生に矢継ぎ早に質問した。

2.昨日は息子が所属するサッカーチームの試合が行われた。息子のチームはロスタイムの5分間で矢継ぎ早に10本のシュートを放ち、結果5-0で勝利した。

「雨後の筍」の対義語は?

「雨後の筍」の対義語はありません。

「雨後の筍」の英訳は?

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「雨後の筍」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる英単語を一緒にチェックしましょう。

「Like mushrooms after a rain」

「雨後の筍」は英語で「Like mushrooms after a rain」と翻訳できるでしょう。「like」とは「たとえば~のような・~に似た」の意。「mushroom」は「きのこ」のことですね。「after a rain」で「雨の後に」を示しています。直訳すると「雨後のキノコのように」となり「雨後の筍」の英語訳と考えられていますよ。

英語圏では「次から次へと現れるさま」を「キノコ」を使って表現していますね。「グングンと生えてくる様子」は「タケノコ」も「キノコ」も共通しています。文化の違いが感じられてとても興味深いですね。では、使い方を例文から学びましょう。例文1は「ある地域ではコンビニが次から次へとオープンしている場面」を示しています。例文2は「立て続けに台風が発生しているさま」を表していますよ。とてもユニークな英語訳です。知識として身につけておきたいですね。

1. In this area, convenience stores increase like mushrooms after a rain.
(この地域ではコンビニが雨後の筍のように増えている。)

2. Like mushrooms after a rain, the typhoon is coming.
(雨後の筍のように 台風が次々と来ている。)

\次のページで「「雨後の筍」を使いこなそう」を解説!/

「雨後の筍」を使いこなそう

この記事では「雨後の筍」の意味・使い方・類語などを説明しました。あなたの好きな野菜は何でしょうか。「雨後の筍」のように日本のことわざや慣用句には「野菜」が使われている表現がまだまだたくさんあります。これを機会に、あなたが好きな野菜が含まれていることわざや慣用句を辞書や辞典で調べてみましょう。

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【ことわざ】「雨後の筍」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「雨後の筍」について解説する。

端的に言えば「雨後の筍」の意味は「物事が相次いで起こること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「雨後の筍」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「雨後の筍」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雨後の筍」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雨後の筍」の意味は?

「雨後の筍」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.物事が相次いで現れることのたとえ

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雨後の筍」

竹林の中でぐんぐんと勢いよく伸びているたくさんの「筍」。今回は「筍」の特徴をうまく活用した「雨後の筍」ということわざをご紹介しましょう。「雨後の筍」とは「同じようなものごとが次々と現れていくことのたとえ」の意。読み方は「うごのたけのこ」です。「似たようなものごとが次から次へと起こる場面」を説明することわざですよ。「筍が成長していく過程の早さ」を「子どもの成長が早いこと」という間違った意味で使われていることが多い言葉です。正しい意味を理解し誤用に注意しましょう。

「雨後の筍」の語源は?

次に「雨後の筍」の語源を確認しておきましょう。「雨後の筍」の由来には「筍」の特性が深く関係しています。「筍」という漢字は「竹冠(たけけんむり)」に「旬(しゅん)」と書きますね。「旬」とは「10日間」の意。「筍」はたった10日ほどで「竹」へと成長してしまい、食べることができなくなってしまう成長の早い植物であることを漢字で示していますよ。

また、「雨が降った後はたくさんの筍がぐんぐんと成長していく様子」から派生して「雨後の筍」=「同じような物事が次から次へと出現するさま」を示すようになったと考えられていますよ。「雨後の筍」の語源と「筍」の特徴を学ぶことが出来ましたね。

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