
端的に言えばそぞろの意味は「気の落ち着かないさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「そぞろ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「そぞろ」の意味や語源・使い方まとめ

「そぞろ」という言葉をご存知ですか。「気もそぞろ」などと言うのを聞いたことがあるのではないでしょうか。どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「そぞろ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「そぞろ」の意味は?
まず初めに、国語辞典で「そぞろ」の意味を確認してみましょう。「そぞろ」には、次のような意味があります。
【1】[形動]
1.これといった理由もなしにそうなったり、そうしたりするさま。なんとなく。
2.心が落ち着かないさま。そわそわするさま。
3.不本意なさま。意に満たないさま。
4.かかわりのないさま。
5.むやみなさま。やたら。
【2】[副]
わけもなく。なんとなく。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「そぞろ」
「そぞろ」を漢字で書くと「漫ろ」と書きます。「漫画」の「漫」ですね。「そぞろ」は「心が落ち着かないさま」を表す言葉です。また「明確な理由がない」、つまり「わけもなく」「なんとなく」「むやみやたらに」「これというあてもなく」といった意味も持っています。「そぞろ」はもともとは「すずろ」と言われていました。「すずろ」は平安時代にはすでに使われていた大和言葉です。その後「そぞろ」は中世の古典文学の中に多く登場するようになりました。「不本意なさま、思いがけないさま」「関係がないさま、何のゆかりもないさま」を意味する表現は、『平家物語』や『徒然草』などの古典の中に見ることができます。
「そぞろ」の語源は?
次に「そぞろ」の語源を確認しておきましょう。
「漫」という漢字は訓読みで「みだ(りに)」「そぞ(ろ)」と読みます。「一面に満ちて覆うさま」(瀰漫(びまん)、爛漫(らんまん))「むやみに広がって締まりがない」(漫然、散漫)「何とはなしに、気のむくまま」(漫画、漫遊)「外国語の音訳字」(浪漫)といった意味を持つ漢字です。そこから、「心が落ち着かないさま」「明確な理由もないのにそうなってしまう」ことを表す言葉となりました。
「そぞろ」の使い方・例文
「そぞろ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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