国語言葉の意味

「悖る」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

「悖る」の使い方・例文

「悖る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.道徳に悖るような子に育てた覚えはない。
2.政治家としての倫理に悖ることをしてしまったからには、道義的責任を取る必要があるのではないか。
3.いくら無名の作家の手によるものとはいえ、酷似した作品を発表するのは信義に悖る行為であるため、今後この作品を絶版とすることにした。

「悖る」が動詞ということもあり、文章の中では「〜に悖る」という形で見ることになります。また、「悖る」と「行為」がセットであるかのように目にすることとなるでしょう。たとえば「人道に悖る行為」などは頻出と言っていい表現です。

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旧大日本帝国海軍の士海軍兵学校には、五省(ごせい)と呼ばれる5つの訓戒があった。アニメで取り上げられたこともあり、知っている人は意外に多いようだな。その五省の1番目が「至誠に悖る勿かりしか」(しせいにもとるなかりしか)だ。意味は「誠実さにそむくことはなかったか」となる。2番目以降は以下の通りだぞ。

・言行に恥づる勿かりしか(げんこうにはづるなかりしか):言動に恥ずかしいことはなかったか

・気力に欠くる勿かりしか(きりょくにかくるなかりしか):気力に欠けることはなかったか 

・努力に憾み勿かりしか(どりょくにうらみなかりしか):努力不足ではなかったか

・不精に亘る勿りかしか(ぶしょうにわたるなかりしか):怠けたりしなかったか

現代でも、海上自衛隊が日々を自省するための標語として用いているようだな。軍国主義かはさておき、案外我々の日常にも生かせるのではないだろうか。

「悖る」の類義語は?違いは?

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ところで、「悖る」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「背く」「裏切る」

「悖る」の類義語に「背く」(そむく)があります。「叛く」「乖く」「伐く」「舛く」「北く」も「そむく」ですが、大半が「背く」と表記され、ごくたまに「叛く」を見掛ける程度でしょう。その「背く」ですが、「さからう、はむかう」などの意味があります。しかし、「そむく」の語源は「背を向ける」です。よって、「悖る」が「反対へと進む」とすれば、「背く」は「離れて行く」と解釈できるのが2つの言葉の違いでしょう。

もう1つ、「裏切る」(うらぎる)も「悖る」の類義語です。「裏切る」には「さからう、反する」という意味があります。こちらも語源から「悖る」との違いをたどりたいところですが、諸説あるので定かではありません。よく見られるのは、「裏は心の中のことで、内心で関係を断つ」と「裏は背後のことで、後ろから斬りつける」の2つです。いずれにせよ、「反対へと進む」のが「悖る」で、「断ち切る」のが「裏切る」と解釈できるでしょう。

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