「悖る」の使い方・例文
「悖る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.道徳に悖るような子に育てた覚えはない。
2.政治家としての倫理に悖ることをしてしまったからには、道義的責任を取る必要があるのではないか。
3.いくら無名の作家の手によるものとはいえ、酷似した作品を発表するのは信義に悖る行為であるため、今後この作品を絶版とすることにした。
「悖る」が動詞ということもあり、文章の中では「〜に悖る」という形で見ることになります。また、「悖る」と「行為」がセットであるかのように目にすることとなるでしょう。たとえば「人道に悖る行為」などは頻出と言っていい表現です。
「背く」「裏切る」
「悖る」の類義語に「背く」(そむく)があります。「叛く」「乖く」「伐く」「舛く」「北く」も「そむく」ですが、大半が「背く」と表記され、ごくたまに「叛く」を見掛ける程度でしょう。その「背く」ですが、「さからう、はむかう」などの意味があります。しかし、「そむく」の語源は「背を向ける」です。よって、「悖る」が「反対へと進む」とすれば、「背く」は「離れて行く」と解釈できるのが2つの言葉の違いでしょう。
もう1つ、「裏切る」(うらぎる)も「悖る」の類義語です。「裏切る」には「さからう、反する」という意味があります。こちらも語源から「悖る」との違いをたどりたいところですが、諸説あるので定かではありません。よく見られるのは、「裏は心の中のことで、内心で関係を断つ」と「裏は背後のことで、後ろから斬りつける」の2つです。いずれにせよ、「反対へと進む」のが「悖る」で、「断ち切る」のが「裏切る」と解釈できるでしょう。
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