

端的に言えば安物買いの銭失いの意味は「値段の安いものは質も悪いからかえって高くつく」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んだ。一緒に「安物買いの銭失い」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/hiyori
大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を活かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい言葉で解説していく。
「安物買いの銭失い」の意味や語源・使い方まとめ

みなさんは「安物買いの銭失い」という言葉をご存じですか。日常生活でも買い物で失敗したときなどに使われることが多く、聞いたことや使ったことのある人も多いのではないでしょうか。今回はそんな「安物買いの銭失い」について解説していきたいと思います。
早速「安物買いの銭失い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「安物買いの銭失い」の意味は?
「安物買いの銭失い」には、次のような意味があります。
値段の安い物はそれだけ質も悪く長持ちしないから、かえって高いものにつく。
出典:大辞林 第3版(三省堂)
「安物買いの銭失い」は「やすものがいのぜにうしない」と読みます。値段が安いものは価格に見合った品質をしているため、壊れて無駄になったり修理するために余計にお金がかかったりするなどして、結局は高くついてしまうという意味のことわざです。通常よりも安いものを見つけると、「掘り出し物を見つけた!」とついつい買ってしまうもの。しかし、値段の安い物はそれ相応の品質だったり、コストカットするために手間を省いていることが多く、すぐに壊れてしまいかえって高くつくこともあります。このことわざはそうした状況を表す際に用いられるのです。
また、「安物買いの銭失い」はお金を使って何かを買う際に用いられる戒めとして使用されるので覚えておきましょう。
「安物買いの銭失い」の語源は?
次に「安物買いの銭失い」の語源を確認しておきましょう。
「安物買いの銭失い」は、江戸時代後期に生まれて人々に親しまれてきた江戸いろはに登場することわざのひとつです。安物のたんすを買ったところ、肝心の引き出しが抜けず、結局別のものを買ってかえって高い買い物になることがしばしば起こったことから、値段の安いものを買うとかえって高くつくという意味を持つ「安物買いの銭失い」が生まれたと考えられています。