

端的に言えば、両手に花の意味は「二つのよいものを同時に手に入れることのたとえ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んだ。一緒に「両手に花」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/トラコ
全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。
「両手に花」の意味は?
「両手に花」には、次のような意味があります。
二つのよいものを同時に手に入れることのたとえ。また、一人の男性が同時に二人の女性を連れていることのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「両手(りょうて)に花(はな)」
「両手に花」は、二つのよいものを、同時に手に入れることに対する例えで使われます。ものは、人の場合や物の場合、さまざまです。
現在よく使われるシーンが、1人の男性が同時に2人の女性を連れている時。逆に、1人の女性が2人の男性を連れている時などは、あまり使われません。「花」という表現が、どちらかというと女性をイメージするからです。
「両手に花」の語源は?
次に、「両手に花」の語源を確認しておきましょう。
まず、「両手」は「二つのもの」と「二人」の2つの意味があるとされます。そして、「花」は「きれいなもの」「素晴らしいもの」「よいもの」「女性」といった意味。そのため「両手に花」をことわざで使う場合、大きく2つの意味合いがあります。
特に昔、「花」というと「梅」と「桜」をさすのが一般的で、見た目の美しさと素晴らしい香りから、美しいもののたとえでした。そのため、和歌や俳句などに多く取り入れられてきました。
「両手に花」の由来、その1つが、平安時代の末に編集された『後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)』の「梅が香を 桜の花に にほわせて 柳が枝に さかせてしがな」という説があります。
\次のページで「「両手に花」の使い方・例文」を解説!/