この記事では「貴賎」について解説する。

端的に言えば、貴賎の意味は「身分の高い人と低い人」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「貴賎」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「貴賎」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「貴賎」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「貴賎」の意味は?

まず、「貴賎」には、次のような意味があります。

貴いことと、卑しいこと。また、身分の高い人と低い人。「職業に貴賤なし」「貴賤貧富」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「き-せん【貴賤】」

まず、確認しておきたいこと。今回学ぶ「貴賎」と「貴賤」は同じ意味で、どちらも「きせん」という読み方も同じです。

貴賎の意味は、貴(とうと)いことと、卑(いや)しいこと。また、身分の高い人と低い人という意味になります。「職業に貴賤なし」は、職業には身分の高いも低いもないということで、よく使われる表現です。

例文については、後ほど詳しく紹介します。

「貴賎」の語源は?

次に、「貴賎」の語源や由来を、確認しておきましょう。

貴賎は、「貴」と「賎」、それぞれ意味が対となる言葉が組み合わさっています。「貴」は、音読みで「き」、訓読みで「とうと-い」と読み、身分が高い、価値が高いといった意味。よく使われる表現は、「貴族」「貴公子」「貴婦人」など。

一方、「賎」(賎)は、音読みで「せん」、訓読みは「いやし-い」と読みます。意味は、身分が低い、いやしい、さげすむ、いやしむなど。使い方は、貴賎のほか、下賤(下賎)、卑賤(卑賎)、貧賤(貧賎)などです。

\次のページで「「貴賎」の使い方・例文」を解説!/

「貴賎」の使い方・例文

続いて、「貴賎」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.どんな仕事や労働であっても、貴賎や生まれつきの身分による優劣をつけるべきではない。
2.江戸時代にあった士農工商の身分制度には、武士が上で農民・工人・商人が下という、貴賎や階級の序列が存在した。
3.給料の差や賃金格差は、どの組織でもありがちなので、注意が必要だ。
4.「職業に貴賎なし」は、江戸時代に生きた町人出身の思想家、石田梅岩による有名な教え。

例文やそれぞれの使い方などを、詳しく解説します。

例文1は、仕事や労働といったビジネスにおいて、実力とは違うところで身分の高低差をつけてはならないという意味合い。例文2は、江戸時代に存在した身分制度「士農工商」について、この4つの身分について実際にはそれぞれの身分差ががはっきりあったということを「貴賎」で表現しています。

例文3もほぼ同じ意味で、現在も貴賎の差が給料や賃金の差となっていることに言及。例文4は、先に紹介した江戸時代の有名な言葉「職業に貴賎なし」について解説しています。

「貴賎」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

次に、「貴賎」の類義語(類語)やその違いについて見ていきましょう。

貴賎の類義語には、優劣主従上下関係序列天地尊卑などのほか、老幼を問わず、士農工商、親分子分、先輩後輩、月とスッポン、高低差、雲泥の差などがあります。

その1「尊卑」

貴賎の類義語が多くある中で、まずは「尊卑」の意味やその違いについて。尊卑は「そんぴ」と読みます。

尊卑の意味は、身分の高いものと低いもので、貴賎と同じ意味です。「尊卑貴賤の別なく」といった使い方もあるのも、覚えておきましょう。

ただ、貴賎が身分だけでなく「価値の高い低い」も意味する一方、尊卑は身分の違いに用いられるのが通例です。

\次のページで「その2「老幼を問わず」」を解説!/

その2「老幼を問わず」

次に、「老幼を問わず」という言葉を紹介します。

老幼は「ろうよう」と読み、年寄りと若い人という意味です。この類義語に「長幼」という言葉もあります。老幼を問わずというと、年寄りも若い人も関係ないという意味。「老幼をいたわる」「老幼を問わない」という表現もあります。

貴賎との違いは、老幼が主に「年齢」の差を示していることです。

その3「士農工商」

江戸時代の「士農工商」は、貴賎を最も象徴した身分制度と言えます。

武士、農民、職人(工人)、商人の職分による4つの身分階級で、それぞれの職業別に、社会的身分・社会的秩序を定めたものです。

武士が最上位、商人が最下位と儒教に基づく位置づけだったものの、実際には武士が支配し、農工商をまとめて区別し、農工商の上下関係はないとされていました。

「貴賎」の対義語は?

「貴賎」の対義語は、はっきりした言葉は存在しません。

なぜかというと、貴賎という言葉自体が、「貴」と「賎」、身分や価値が高いと低い、それぞれ対となる言葉の組み合わせだからです。

「貴賎」の英訳は?

image by iStockphoto

さらに、「貴賎」の英訳についても、知っておきましょう。

貴賎を英語に訳すと、high and low などとなりますが、他にも貴賎を意味する英語の文章がいくつかあります。

「high and low」

貴賎をそのまま英語に訳すと、high and low です。これを直訳すると、高いと低いとなります。

また、rank だけで貴賎と表現したり、great and small, gentle and simple など対となる言葉の組み合わせ、all classes of people のほか、social standing (社会的立場)が用いられる場合も。

例文を見ていきましょう。

・All occupations [All honest trades] are equally honorable.

職業に貴賎なし

・irrespective of rank [social standing]

貴賎を論せず(問わず)

・morganatic marriage

貴賎相婚(身分違いの結婚)

・ the rich and the poor or high and low social standing

貧富貴賎

\次のページで「「貴賎」を使いこなそう」を解説!/

「貴賎」を使いこなそう

この記事では「貴賎」の意味・使い方・類語などを説明しました。

貴賎の主な意味は、身分の高い人と低い人です。一方、価値の高さや低さという意味で使われることもあります。

また、貴賎の言葉自体が、「貴い」「賎しい」という対となる言葉が組み合わさった表現です。数多くある類義語、英訳も合わせてしっかり覚えましょう。

" /> 「貴賎」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「貴賎」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「貴賎」について解説する。

端的に言えば、貴賎の意味は「身分の高い人と低い人」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「貴賎」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「貴賎」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「貴賎」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「貴賎」の意味は?

まず、「貴賎」には、次のような意味があります。

貴いことと、卑しいこと。また、身分の高い人と低い人。「職業に貴賤なし」「貴賤貧富」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「き-せん【貴賤】」

まず、確認しておきたいこと。今回学ぶ「貴賎」と「貴賤」は同じ意味で、どちらも「きせん」という読み方も同じです。

貴賎の意味は、貴(とうと)いことと、卑(いや)しいこと。また、身分の高い人と低い人という意味になります。「職業に貴賤なし」は、職業には身分の高いも低いもないということで、よく使われる表現です。

例文については、後ほど詳しく紹介します。

「貴賎」の語源は?

次に、「貴賎」の語源や由来を、確認しておきましょう。

貴賎は、「貴」と「賎」、それぞれ意味が対となる言葉が組み合わさっています。「貴」は、音読みで「き」、訓読みで「とうと-い」と読み、身分が高い、価値が高いといった意味。よく使われる表現は、「貴族」「貴公子」「貴婦人」など。

一方、「賎」(賎)は、音読みで「せん」、訓読みは「いやし-い」と読みます。意味は、身分が低い、いやしい、さげすむ、いやしむなど。使い方は、貴賎のほか、下賤(下賎)、卑賤(卑賎)、貧賤(貧賎)などです。

\次のページで「「貴賎」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: