この記事では「血迷う」について解説する。

端的に言えば血迷うの意味は「逆上する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「血迷う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「血迷う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「血迷う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血迷う」の意味は?

「血迷う」には、国語辞典をひくと次のような意味があります。

のぼせ上がって正常な判断力を失う。逆上して理性を失う。

出典:デジタル大辞泉 コトバンク(小学館)「血迷う」

「血迷う」(ちまよう)とは、よく小説などに出てくる言葉ですね。「のぼせ上がって正しい判断力がなくなる」という意味です。激しい怒りや悲しみといった感情に襲われると、頭に血がのぼってきて正しい判断力をなくします。その結果、通常の状態では考えられないようなリアクションをしたり、言葉を発したりするのです。これが「血迷った」状態ということになります。

「血迷う」の語源は?

血は通常は、心臓から出て体を回ってまた心臓に戻ってきますが、逆上すると、その血が道に迷ったかのようにあちこちに行ったまま心臓に帰って来ないような錯覚があります。このような状態のことを「血迷う」というようになりました。

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「血迷う」の使い方・例文

「血迷う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あんなに人気のある人物を相手に戦うなんて、あなたは血迷ったとしか思えない。
2.あの老人は何を血迷ったのか、一方通行の道路を逆走しはじめた。
3.試験勉強中に、隣の部屋から騒音が流れてきたので、血迷った弟は壁をたたきはじめた。
4.彼女は物置の掃除中に血迷って掃除機を壊してしまった。
5.受付嬢に一目ぼれの彼は血迷って奇妙な言動を働いた。

例文1と2は「血迷う」が単独で使われているもので、例文3は形容詞として使われています。例文3と4は「血迷って~する」というフレーズで使われており、迷ったことによって冷静な判断ができなくて、何らかのマイナスな結果をひき起こすという流れになりますね。「血迷う」は、このようなフレーズで使われることが多いのです。

「血迷う」の類義語は?違いは?

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では、「血迷う」に類義語はあるのでしょうか?早速みていきましょう。

その1「錯乱する」

「錯乱する」(さくらんする)とは、「気持ちや考えがいろいろ入り混じって取り乱れてごちゃごちゃになる」ことです。もともとは順序正しく整理されているものごとが、あることを境に位置的に混乱してしまい、手のほどこしようがない状態であることを表します。「錯」は「まちがい」「入り乱れる」の意味があり、「乱」は「秩序がくずれること」の意味です。「錯乱」は人間の精神状態に対して使われるもので、「大きな地震があったので自分はその場で錯乱状態になった」などと言います。

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その2「逆上する」

「逆上する」(ぎゃくじょうする)は、「興奮して、頭や顔などに血が登って普通の精神状態ではなくなること」の意味です。「逆上した彼はあたりにあった机をひっくりかえして暴れはじめた」などと使われます。なお、「逆ギレ」という言葉がありますが、この場合は、「本来怒られるべき人が居直ってしまい、反対に怒っている人に対して怒りを覚えること」です。

その3「我を忘れる」

「我を忘れる」とは、「何にかに夢中になりすぎて心を奪われること」の意味です。あるいは「理性を失うほど興奮する」という意味もあります。何かに夢中になると、自分で自分のことを意識や理性から忘れ去ってしまい、いつもの自分らしくない言動や反応をしたりしてまわりの状況をうまく判断できなくなるということです。「その絵の描写されたあまりに素敵な情景に我を忘れてしまった」などと使われます。大変よく似た言葉に「無我夢中」がありますが、同じような精神状態のときに使われるのです。「その絵に描写されたあまりに素敵な情景に我を忘れて見とれてしまった」などと言います。

「血迷う」の対義語は?

「血迷う」の対義語は何でしょうか。

その1「冷静になる」

「冷静になる」の「冷静」とは、「落ち着いていて動揺がない状態」という意味です。「冷静な判断」という場合は、「その時々の感情に左右されることなく、落ち着いて熟考してから決める」という意味になります。「危険な状況にある時ほど冷静さが必要だ」などと使われるのです。

その2「落ち着く」

「落ち着く」とは「高まっていた気持ちが静かな、穏やかな状態になること」です。ほかにも「住むところや仕事などが決まる」とか「懸案となっていたことの結論がでる」という意味もあります。「あの選手はいつもの練習どおりに落ち着いて演技できれば高得点がでるだろう」などと使われるのです。

「血迷う」の英訳は?

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「血迷う」の英訳は何でしょうか。

\次のページで「「lose one's mind」」を解説!/

「lose one's mind」

日本語の「血迷う」は、英語では熟語で「lose one's mind」です。その他、「lose one's head」「lose one's way」「run mad」「go wild」「lose control of oneself」などの熟語があります。一つの単語だけで「血迷う」に該当するものはほとんどありません。

He semms to be lost his minds after losing the game.(彼は試合に負けたて血迷っているように思われる) 
He lost his mind,and flashed out at her for no reason.(彼は血迷って彼女に食ってかかった) 

「血迷う」を使いこなそう

この記事では「血迷う」の意味・使い方・類語などを説明しました。

長い人生、いろんなことがあり、たびたび「血迷う」瞬間が訪れてくることがあります。文字通り「血迷う」状態の時は、本人も気が付かないほど取り乱している状態になり、正しい判断ができない結果になるのです。しかし、このような正しい判断ができない時は、後々取り返しがつかないことになる危険性が大いに潜んでいます。どんなに怒り心頭となることがあっても、いったん深呼吸などして心を落ち着かせて、「血迷う」ことなく冷静な態度でしっかりと対処するようにしましょう。

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国語言葉の意味

「血迷う」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

「血迷う」の使い方・例文

「血迷う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あんなに人気のある人物を相手に戦うなんて、あなたは血迷ったとしか思えない。
2.あの老人は何を血迷ったのか、一方通行の道路を逆走しはじめた。
3.試験勉強中に、隣の部屋から騒音が流れてきたので、血迷った弟は壁をたたきはじめた。
4.彼女は物置の掃除中に血迷って掃除機を壊してしまった。
5.受付嬢に一目ぼれの彼は血迷って奇妙な言動を働いた。

例文1と2は「血迷う」が単独で使われているもので、例文3は形容詞として使われています。例文3と4は「血迷って~する」というフレーズで使われており、迷ったことによって冷静な判断ができなくて、何らかのマイナスな結果をひき起こすという流れになりますね。「血迷う」は、このようなフレーズで使われることが多いのです。

「血迷う」の類義語は?違いは?

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では、「血迷う」に類義語はあるのでしょうか?早速みていきましょう。

その1「錯乱する」

「錯乱する」(さくらんする)とは、「気持ちや考えがいろいろ入り混じって取り乱れてごちゃごちゃになる」ことです。もともとは順序正しく整理されているものごとが、あることを境に位置的に混乱してしまい、手のほどこしようがない状態であることを表します。「錯」は「まちがい」「入り乱れる」の意味があり、「乱」は「秩序がくずれること」の意味です。「錯乱」は人間の精神状態に対して使われるもので、「大きな地震があったので自分はその場で錯乱状態になった」などと言います。

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