「八方塞がり」:手の打ちようがない
「八方(はっぽう)」とは、東・西・南・北の「四方(しほう)」と北東・北西・南東・南西の「四隅(しぐう)」の八つの方角のことで、あらゆる方角という意味もあります。「八方塞がり(はっぽうふさがり)」は、「陰陽道で、どの方角に向かっても不吉な結果になる」ことで、そこから転じて「どの方法も差しさわりがあって、手の打ちようがない」という意味になりました。
「五里霧中」:迷ってわからなくなる
「五里霧中(ごりむちゅう)」は、深い霧の中で、方角がわからなくなること。そこから「物事の事情がつかめず、どうしたらよいかわからなくなる」という意味ができました。
『後漢書(ごかんじょ)』の「張楷伝(ちょうかいでん)」によると、後漢の張楷という人は道教の秘術の使い手で、5里(約20キロ)にわたる霧を起こして姿をくらましたとか。霧ではなく夢と書いた「五里夢中」は誤りです。語源となる故事成語を覚えていれば、間違えませんね。
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「万事休す」「万策尽きる」:すべて終わり
「万事」は「すべてのこと」、この場合の「休す」は「休む」ではなく「後が続かなくなる」「終わる」という意味。「万事休す(ばんじきゅうす)」で「もう何も手段がなく、すべて終わり」という意味です。「窮する」は「行き詰まる」で意味が似ており、音も同じですが、「万事窮す」は間違い。混同しやすいので注意しましょう。
「万策」は「ありとあらゆる手立て」という意味です。「尽きる」は「限度にまで達し、残らない」という意味があるので、「万策尽きる(ばんさくつきる)」は「ありとあらゆる手立てがすべてなくなった」という意味ですね。
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「途方に暮れる」の反対語
次は「途方に暮れる」の反対語を見ていきましょう。
「融通無碍」:何物にもとらわれず自由
「融通無碍(ゆうづうむげ)」は、聞きなれない難しい言葉ですね。「融通」は「滞らずに通ること」。ほかには「お金や物を都合する」という意味や「臨機応変に物事を処理する」という意味があり、「お金を融通する」「融通がきく」というふうに使っています。
「無碍」は「無礙」とも書き、「滞らせる障害がない」という意味です。「融通無碍」は「滞りなく妨げになるものがない」ことから転じて「考えや行動が何物にもとらわれず自由である」という意味になりました。
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