端的に言えば、途方に暮れるの意味は「どうしたらよいかわからなくなる」ことです。説明されなくてもわかるって?では「途方(とほう)」の意味はわかるか?「途方もない」との違いを説明できるか?
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「途方に暮れる」の意味や例文、類義語などを見ていきます。
ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「途方に暮れる」の意味は?
はじめに「途方に暮れる」の意味を辞書で確認してみましょう。
方法や手段が尽きて、どうしてよいかわからなくなる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「途方に暮れる」
「途方に暮れる」は「手段や方法がなくなり、どうしたらよいかわからなくなる」という意味です。辞書を引くまでもなくそんなことは知っている、という方もいらっしゃるかもしれませんね。では「途方」はどんな意味かご存じですか。また「暮れる」はふつう「日が暮れて夜になる」という意味で使いますね。ここでどうして「暮れる」という言葉を使うのでしょうか。まず「途方」を辞書で調べてみましょう。
1.多くの方向。向かう方向。
2.てだて。方法。手段。
3.すじみち。道理。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「途方」
「途方」には、「てだて」「方法」という意味があることがわかりますね。では「暮れる」も調べてみましょう。
1.(暮れる)太陽が沈んであたりが暗くなる。夜になる。
2.(暮れる)季節や年月が終わりに近づく。
3.(暮れる)同じことを繰り返しして、時が過ぎる。あけくれする。
4.悲しみなどで暗い気持ちのまま時を過ごす。
5.どうしたらよいか見通しが立たず困ってしまう。思い惑う。
6.(「目がくれる」の形で)欲望に心を奪われて正常な判断ができなくなる。
7.激しい感情のため、目先が暗くなる。目がくらむ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「暮れる」
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