今回のテーマは植物の器官のひとつ、「葉」です。

植物には動物の体のように色々なパーツがある。これを器官と言い、花や茎、根、そして葉のことをいう。これらの器官にはそれぞれ役割がある。そして葉は光合成や呼吸と言う役割を担っている。

そこで今回は葉のつくりとその働きについて勉強する。解説は科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

動物好きの科学館職員。中学生の頃から理科が好きで高校・大学と化学漬けの日々を過ごした。そのせいか今でも年に数回、授業や実験をしている夢を見ているらしい。

葉とは

image by PIXTA / 75865193

動物には目、耳、脳、肺、心臓など様々な器官(多細胞生物の体を作る単位、同じ機能を持った細胞が集まってできる)があります。一方、植物の器官は葉・茎・根・花しかありません。植物の器官の役割は

・葉 光合成によって養分を生成、外と水や酸素のやり取りを行う

・茎 地上で植物の体を支える骨のような役割、内部を養分や水が通る

・根 土の中に根付いて植物を支え、水や栄養分を土から吸い上げる

・花 受粉によって子孫を残す

となっています。今回のテーマは「葉」。どんな役割をするのか、まずその構造から確認していきましょう。

葉の構造

image by PIXTA / 41255817

皆さん葉を見たことも触ったこともあるでしょう。葉の表面は表皮という多細胞生物の体内を守るための皮で覆われています。この表皮の役割は「内部の保護」と「外からの物質の出し入れ」です。では目で見ることのできない内部はどうなっているのでしょうか。

葉っぱを切ってその断面を見ると、筋が通っています。これは維管束と呼ばれるもので、根から水と水に溶けた養分を運ぶ道管と、葉でできた養分を運ぶ師管が合わさった束のことです。維管束は茎では内側に道管が来るようになっています。そして葉では表側に道管、裏側に師管がくるようになっているのです。ちなみにこの維管束、植物の種類によって輪のように並んでいるもの(双子葉類)、散らばっているもの(単子葉類)に分けられます。

そして葉の特徴的な作りとして覚えておきたいのが「葉緑体」「葉脈」「気孔」です。

葉に欠かせない葉緑体

葉に欠かせない葉緑体

image by Study-Z編集部

葉緑体クロロプラスト)とは光合成を行う細胞小器官(特定の役割を持った細胞内の構造)のことです。葉緑体は光合成を行う植物のみが持ち、私たち人間を含む動物は持っていません。葉緑体は葉だけでなく茎や枝などにも含まれている場合があるそうです。

葉緑体は二重膜構造をしています。この中に「チラコイド」が重なっててきた「グラナ」があり、その周りを「ストロマ」が満たしているのです。このチコライドに光合成色素である「クロロフィル(葉緑素ともいう)」が含まれています。クロロフィルが緑色の色素のため、葉は緑色をしているのです。葉緑体といえば光合成ですが、他に窒素代謝、アミノ酸合成、脂質合成、色素合成など、植物細胞に必要な様々な役割を担っています。

もっと葉緑体について知りたい人にはこちらの記事がおすすめです。

葉の色素についてはこちらの記事がおすすめです。

葉の種類を見分けるポイント、葉脈

葉にある筋のことを葉脈と言います。葉脈とは葉の中を通っている、茎の維管束からつながった維管束のことです。葉の表面に道管、裏側に師管が来るようになっているのでしたね。葉脈の役割は維管束の役割同様に水や養分の供給、そしてデンプンなどの合成産物を運ぶことです。

葉脈には網目構造と平行の2種類があります。これは植物の種類が出てくる芽が2枚の双子葉類なのか1枚の単子葉類なのかで異なるのです(例外あり)。双子葉類と単子葉類先ほどの維管束の説明にも登場しましたね。

image by PIXTA / 67550945

写真のひまわりのように双子葉類は網状脈

image by PIXTA / 53917528

そして稲やトウキビのような単子葉類は平行脈となります。

葉脈についてはこちらの記事がおすすめです。

\次のページで「吐き出すのが仕事、気孔」を解説!/

吐き出すのが仕事、気孔

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気孔とは呼吸や光合成をする際のガス交換、そして植物から水蒸気を排出する役割を持っています。気孔を作るのは三日月形をした孔辺細胞です。この孔辺細胞にも葉緑体が含まれています。この葉緑体によって光合成が起きると、孔辺細胞は給水を始めるのです。すると2つで口のような形となった孔辺細胞は吸い込んだ水で体積が増え、壁の薄い外側に開いき、気孔が開きます。

この気孔、葉のどの部分に多くあるのでしょうか。多くの植物で気孔は、葉の裏側に多くあります。これに関してはまだはっきりと結論は出ていませんが、「気孔にゴミが入るのを防ぐため」「裏側の方が温度が低く、使う水を減らせるから」などの説があるそうです。しかし、実は裏側にしか気孔がない植物もあります。

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葉の働き

image by PIXTA / 71268584

葉の作りが分かったところで、そのはたらきを確認してみましょう。

植物と言えばこれ!光合成

植物の特徴と言えば「光合成」です。コトバンクで確認すると光合成とは「緑色植物が光のエネルギーを用いて、二酸化炭素と水から有機物を合成する過程」とされています。簡単に言うと光合成とは植物が二酸化炭素から炭水化物・酸素・水を作り出す働きのことです。

化学式で見ると光合成は次のようになります。

6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6O2 + 6H2O

葉は効率よく光合成が行われるよう、薄く広い形をしています。茎にたくさん葉がついている植物もありますね。この場合、葉は茎から右・左と交互に生えたり、対称につくことで葉が重なるのを防ぎ下の葉まで日光が届くようになっています。

植物の呼吸

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生物である植物ももちろん呼吸しています。植物も酸素を取り入れて養分を分解し、そしてそのとき二酸化炭素が排出されるのです。もちろん呼吸は1日中行われます。そのため、日中は光合成によって呼吸に使われる以上に酸素が作られますが、日の当たらない夜には二酸化炭素が排出されるのです。

呼吸は気孔で行われます。そして光合成の際に酸素と二酸化炭素の出入りがあるのも気孔というのは面白いですね。

気孔の働き~蒸散

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先程登場した気孔が行う蒸散。これは植物が水蒸気を放出することです。蒸散には2つ目的があります。1つは温度調整、もうひとつは水を吸い上げるためです。

温度調整は汗をイメージするとわかりやすいですね。水分が蒸発することで熱を奪うのです。そして植物は蒸散によって水を外に放出し、根から水を吸い上げています。例えばストローを使って水を飲む時、上からどんどん吸い上げないといくら下に水があっても上には上がっていきませんね。同じように植物は蒸散させることで水分を追い出し、新たな水を吸い上げているのです。

葉の役割とは

葉の役割は光合成、呼吸、蒸散があげられます。葉緑体、気孔の役割を確認しておきましょう。また葉がどのような模様(網状脈か平行脈か)によってその植物の種類を分けることもできます。双子葉類、単子葉類の違いもチェックしてくださいね。

多くの植物がどのような特性をもっているか、を覚えるのは大切なことです、しかし、気孔の多い場所のように、例外も多くあります。ただ丸暗記するのではなく、その理由にもスポットを当ててみましょう。

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理科生物

3分で簡単葉のつくりとその働き!植物の器官について科学館職員がわかりやすく解説

今回のテーマは植物の器官のひとつ、「葉」です。

植物には動物の体のように色々なパーツがある。これを器官と言い、花や茎、根、そして葉のことをいう。これらの器官にはそれぞれ役割がある。そして葉は光合成や呼吸と言う役割を担っている。

そこで今回は葉のつくりとその働きについて勉強する。解説は科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

動物好きの科学館職員。中学生の頃から理科が好きで高校・大学と化学漬けの日々を過ごした。そのせいか今でも年に数回、授業や実験をしている夢を見ているらしい。

葉とは

image by PIXTA / 75865193

動物には目、耳、脳、肺、心臓など様々な器官(多細胞生物の体を作る単位、同じ機能を持った細胞が集まってできる)があります。一方、植物の器官は葉・茎・根・花しかありません。植物の器官の役割は

・葉 光合成によって養分を生成、外と水や酸素のやり取りを行う

・茎 地上で植物の体を支える骨のような役割、内部を養分や水が通る

・根 土の中に根付いて植物を支え、水や栄養分を土から吸い上げる

・花 受粉によって子孫を残す

となっています。今回のテーマは「葉」。どんな役割をするのか、まずその構造から確認していきましょう。

葉の構造

image by PIXTA / 41255817

皆さん葉を見たことも触ったこともあるでしょう。葉の表面は表皮という多細胞生物の体内を守るための皮で覆われています。この表皮の役割は「内部の保護」と「外からの物質の出し入れ」です。では目で見ることのできない内部はどうなっているのでしょうか。

葉っぱを切ってその断面を見ると、筋が通っています。これは維管束と呼ばれるもので、根から水と水に溶けた養分を運ぶ道管と、葉でできた養分を運ぶ師管が合わさった束のことです。維管束は茎では内側に道管が来るようになっています。そして葉では表側に道管、裏側に師管がくるようになっているのです。ちなみにこの維管束、植物の種類によって輪のように並んでいるもの(双子葉類)、散らばっているもの(単子葉類)に分けられます。

そして葉の特徴的な作りとして覚えておきたいのが「葉緑体」「葉脈」「気孔」です。

葉に欠かせない葉緑体

葉に欠かせない葉緑体

image by Study-Z編集部

葉緑体クロロプラスト)とは光合成を行う細胞小器官(特定の役割を持った細胞内の構造)のことです。葉緑体は光合成を行う植物のみが持ち、私たち人間を含む動物は持っていません。葉緑体は葉だけでなく茎や枝などにも含まれている場合があるそうです。

葉緑体は二重膜構造をしています。この中に「チラコイド」が重なっててきた「グラナ」があり、その周りを「ストロマ」が満たしているのです。このチコライドに光合成色素である「クロロフィル(葉緑素ともいう)」が含まれています。クロロフィルが緑色の色素のため、葉は緑色をしているのです。葉緑体といえば光合成ですが、他に窒素代謝、アミノ酸合成、脂質合成、色素合成など、植物細胞に必要な様々な役割を担っています。

もっと葉緑体について知りたい人にはこちらの記事がおすすめです。

葉の種類を見分けるポイント、葉脈

葉にある筋のことを葉脈と言います。葉脈とは葉の中を通っている、茎の維管束からつながった維管束のことです。葉の表面に道管、裏側に師管が来るようになっているのでしたね。葉脈の役割は維管束の役割同様に水や養分の供給、そしてデンプンなどの合成産物を運ぶことです。

葉脈には網目構造と平行の2種類があります。これは植物の種類が出てくる芽が2枚の双子葉類なのか1枚の単子葉類なのかで異なるのです(例外あり)。双子葉類と単子葉類先ほどの維管束の説明にも登場しましたね。

image by PIXTA / 67550945

写真のひまわりのように双子葉類は網状脈

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そして稲やトウキビのような単子葉類は平行脈となります。

葉脈についてはこちらの記事がおすすめです。

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