この記事では「秋の日は釣瓶落とし」について解説する。

端的に言えば「秋の日は釣瓶落とし」の意味は「秋は日が暮れるのが早い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「秋の日は釣瓶落とし」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「秋の日は釣瓶落とし」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「秋の日は釣瓶落とし」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「秋の日は釣瓶落とし」の意味は?

「秋の日は釣瓶落とし」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.秋の日が急に沈むことを、井戸に落とす釣瓶にたとえていう言葉。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「秋の日は釣瓶落とし」

真っ赤なもみじや黄色いイチョウ。ピンク色のコスモス。秋は風景が色鮮やかな季節ですね。「秋の日は釣瓶落とし」とは「秋の日は沈み始めるととても早く、たちまち日が落ちていくこと」の意。読み方は「あきのひはつるべおとし」です。「秋の日暮れの早さ」を表していることわざ。夏の午後5時はまだ明るく日の長さを感じられますね。

一方、秋の午後5時は暗くなるのが早くあっという間に真っ暗になってしまうという光景を描いています。季節感が感じられる日本特有のことわざですね。秋から冬へというように「季節の移り変わりに対して使うことわざではないこと」に注意が必要です。頭に入れておきましょう。

「秋の日は釣瓶落とし」の語源は?

次に「秋の日は釣瓶落とし」の語源を確認しておきましょう。「秋の日は釣瓶落とし」の「釣瓶」という言葉を知っているでしょうか。「釣瓶」とは「井戸の水を汲むために縄や竿などの先につけておろすおけ」のこと。井戸で水を汲む際に釣瓶のついた縄を放すと、釣瓶が勢いよく井戸の中に落ちていきます。「釣瓶が暗い井戸に勢いよく落ちていく様子」から派生して「秋の日は釣瓶落とし」=「秋は日が暮れていくことが早いさま」という意味になったと考えられていますよ。ことわざの由来には昔の生活習慣が深く関係していることも多いでしょう。注目してみて下さいね。

\次のページで「「秋の日は釣瓶落とし」の使い方・例文」を解説!/

「秋の日は釣瓶落とし」の使い方・例文

「秋の日は釣瓶落とし」の使い方を例文を使って見ていきましょう。このことわざは、たとえば以下のように用いられます。

1.秋の日は釣瓶落としと言うので下校時は気を付けよう。
2.秋の日は釣瓶落としゆえに早めに下山しよう。
3.友人の健太と公園で話していたらすっかり暗くなってしまった。秋の日は釣瓶落としとはこのことだ。

「秋の日は釣瓶落とし」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「同じ下校時間でも秋は暗くなることが早いので気を付けなければいけない場面」を示しています。早めに家路につくことがおすすめですね。例文2は「秋は日没時間が早いため、登山をする時は早めに下山した方がいいこと」を表しています。秋の山々の景色は美しいですが、早い時間の下山が安全ですね。

例文3は「秋に友人と公園で長話をしていたらすっかりあたりが暗くなってしまった様子」を言い表しています。早めの帰宅を心掛けたいですね。例文1~3のように「秋は早く日が沈む場面」を表現することわざです。使い方をマスターして下さいね。

「秋の日は釣瓶落とし」の類義語は?違いは?

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「秋の日は釣瓶落とし」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「急転直下」

「秋の日は釣瓶落とし」には「秋はあっという間に日が暮れてしまう」という意味がありましたね。今回は「急に物事が進んでいく」という意味の類義語として「急転直下」を紹介します。「急転直下」とは「状況の変化の仕方が急激であるさま・急に事態が変わり決着すること」の意。読み方は「きゅうてんちょっか」です。「物事が急に決着に向かう場面」で使われている四字熟語。物事が良い決着になるプラスの意味でも使われますが、悪い決着というマイナスの意味でも使われていることがポイントです。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「プラスの意味」です。「新しい証拠が見つかり事件が解決の方向に向かっている場面」を示しています。例文2は「マイナスの意味」です。「取引先を怒らせてしまい急に取引がなくなった状況」を表しています。「急転直下」は2つの意味で使えるようになりましょう。

\次のページで「「秋の日は釣瓶落とし」の対義語は?」を解説!/

1.捜査が難航していた事件は新しい証拠が見つかり急転直下の展開を迎えた。

2.大きな会社との取引が急転直下で中止になった。取引先の社長を怒らせてしまったようだ。

「秋の日は釣瓶落とし」の対義語は?

「秋の日は釣瓶落とし」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ」

「秋の日は釣瓶落とし」の対義語には「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ」が考えられるでしょう。「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ」とは「春は日照時間が長くなかなか日が暮れないことや一人娘の場合、親は娘を惜しんでなかなか嫁に出そうとしないことのたとえ」の意。「春は秋に比べると日が長く、なかなか日が暮れない様子」を示しています。また、 「一人娘は親がなかなか嫁に出さないことのたとえ」としても使われていますよ。春の日が「暮れる」嫁に「くれる」を掛けた表現とされていますよ。2つの言葉が掛け合わさった遊び心のあることわざですね。

「秋の日は釣瓶落とし」の英訳は?

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「秋の日は釣瓶落とし」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる英単語をチェックしましょう。

「We say the autumn sun sinks as quickly as a bucket falling into a well」

「秋の日は釣瓶落とし」は英語で「We say the autumn sun sinks as quickly as a bucket falling into a well.」と翻訳できるでしょう。「the autumn sun」は「秋の日」のことです。「sink」は動詞で「沈む」の意。「bucket」とは「バケツ・釣瓶・桶」です。「fall into」は「~の中へ落ちる」の意。「well」は「井戸」のこと。「as~as」で「~と同じくらい」という意味を表していますよ。

直訳すると「秋の日は釣瓶が井戸に落ちることと同じくらい早く沈む」となり「秋の日は釣瓶落とし」の英訳となるでしょう。「sink」や「as~as」、「fall into」というとても大切な英単語や英文法が使われています。とても勉強になる英訳ですね。

\次のページで「「秋の日は釣瓶落とし」を使いこなそう」を解説!/

「秋の日は釣瓶落とし」を使いこなそう

この記事では「秋の日は釣瓶落とし」の意味・使い方・類語などを説明しました。春・夏・秋・冬。あなたはどの季節が一番好きでしょうか。日本には四季があり、季節感が感じられることわざや慣用句がたくさんありますね。「春夏秋冬」が含まれている表現をたくさん調べてボキャブラリーのレベルアップを目指しましょう。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「秋の日は釣瓶落とし」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「秋の日は釣瓶落とし」について解説する。

端的に言えば「秋の日は釣瓶落とし」の意味は「秋は日が暮れるのが早い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「秋の日は釣瓶落とし」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「秋の日は釣瓶落とし」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「秋の日は釣瓶落とし」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「秋の日は釣瓶落とし」の意味は?

「秋の日は釣瓶落とし」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.秋の日が急に沈むことを、井戸に落とす釣瓶にたとえていう言葉。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「秋の日は釣瓶落とし」

真っ赤なもみじや黄色いイチョウ。ピンク色のコスモス。秋は風景が色鮮やかな季節ですね。「秋の日は釣瓶落とし」とは「秋の日は沈み始めるととても早く、たちまち日が落ちていくこと」の意。読み方は「あきのひはつるべおとし」です。「秋の日暮れの早さ」を表していることわざ。夏の午後5時はまだ明るく日の長さを感じられますね。

一方、秋の午後5時は暗くなるのが早くあっという間に真っ暗になってしまうという光景を描いています。季節感が感じられる日本特有のことわざですね。秋から冬へというように「季節の移り変わりに対して使うことわざではないこと」に注意が必要です。頭に入れておきましょう。

「秋の日は釣瓶落とし」の語源は?

次に「秋の日は釣瓶落とし」の語源を確認しておきましょう。「秋の日は釣瓶落とし」の「釣瓶」という言葉を知っているでしょうか。「釣瓶」とは「井戸の水を汲むために縄や竿などの先につけておろすおけ」のこと。井戸で水を汲む際に釣瓶のついた縄を放すと、釣瓶が勢いよく井戸の中に落ちていきます。「釣瓶が暗い井戸に勢いよく落ちていく様子」から派生して「秋の日は釣瓶落とし」=「秋は日が暮れていくことが早いさま」という意味になったと考えられていますよ。ことわざの由来には昔の生活習慣が深く関係していることも多いでしょう。注目してみて下さいね。

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